072 放浪編12 三人目?
評価人数がついに100人になりました。ブクマもありがとうございます。
そのおかげでジャンル別日間順位1位をいただきました。(1位様完結がアシストですが……)
こちらに移籍して今日で2ヶ月です。日間1位、大変光栄です。
「晶羅様、初めまして。私、小領地混成軍司令ジョン=ドゥ=ラーテル准男爵息女、ジェーン=ドゥ=ラーテルと申します。
あなたの妻として「はい。そこまで!」」
「事情は把握してる。猫族と犬族からも押しかけ嫁が来てるからね」
ジェーン嬢が目を泳がせる。
「彼女達にも言ったんだけど、アノイ三大勢力どこかの陣営だけから嫁を取るわけにはいかない。
全ての陣営が仲良く、特に猫族と犬族が仲良く出来たなら三人とも受け入れよう。
とりあえず嫁候補として、お試しで共同生活することになっている。
そこへ合流してもらうが、新居の改築が終わるまでは待機していて欲しい」
ジョン司令には悪いけど、事情を説明してさっさとお引き取り願った。
「それにしてもラーテルってあのラーテルか?」
「はい。肉体強化実験で地球の野生動物からDNAをもらったので、そのラーテルです」
「うわ、愛さん! いつの間にそこに!」
「勇猛果敢、怖いもの知らずで最後まで猫族犬族と争いましたが、不採用となりました。
ですが一部が戦場に出て生き残り、小領地領主の准男爵にまで上り詰めた叩き上げ種族です」
「うーん。ジョンさんが何人なのかわからないはずだよ」
愛さんがじっと僕を見つめている。
「ん? どうしたの?」
「よろしいのですか?」
「何が?」
「小領地混成軍のジョン司令は険悪な猫族と犬族の間を取り持ってアノイ要塞をまとめている影の功労者です。
ジェーン嬢が同様の勤めを果たせば、キャロライナ嬢とマリアンナ嬢の間を取り持つ可能性があります」
「しまった! ”二人の仲が悪いから無かったことに作戦”が破綻する!」
僕はがっくりと項垂れた。
僕がしばらく放心状態になっていると、僕の脇腹がつんつんされる。
そちらを見ると美優がじっと僕を見つめている。
「美優、どうしたの?」
「美優も……」
「えっ?」
「嫁……」
「マジですか」
「えーー! ずるーい! 私もだからねー」
僕が呆然としていると、紗綾までが飛び込んで来た。
そのままギューっと抱きついて離れない。
「紗綾まで。何を言ってるんだよ」
「このまま地球に帰れないかもしれないじゃん……」
「ああ、目を逸らしてたけど……。その不安はあるな……」
「そうなると、もうアイドルなんてやってられないし、地球人の中から旦那を見つけるわけでしょ?」
「あー(いや帝国人からって手もあるぞ)」
「晶羅以上の優良物件なんていないんだからね」
「でも、僕には嫁候補があんなに……」
「だからだよ。第一夫人は地球人からにするべきだぞ」
「だめ……。美優が第一」
「そこらへんは曖昧にしとけばいいんだぞ。綾姫ちゃんだって入るんだからさ」
「紗綾の真面目口調初めて聞いた。って綾姫も?」
「うん。条件の良い年齢の釣り合う男子なんて晶羅ぐらいしかいないんだからね。
あ、菜穂は社長に嫁いでね」
「「何言ってるんですか!」」
菜穂さんと綾姫が顔を真赤にしてハモる。
そうか、僕は彼女達を守っていかないといけないんだよな。
「これは”もう嫁が三人いるから無理です作戦”でいけないかな?」
「やっぱり私は入ってないのねーー!(ねー! ねー! ねー!)」
菜穂さんの叫びがこだまする。
新居の部屋は六部屋増築に増えた。
それに加えて風呂場や洗面トイレ、リビングの増築拡張など、まるでお屋敷になってしまった。
「新築の方が早くない?」
「まあ、場所は一緒にするしかないから」
「私達の部屋と壁をぶち抜けばいいんじゃない?」
「それ、結構長い廊下になるよ」
これって新婚ラブラブ住宅相談みたいになってない?
まあ資金はあるんだ。
遠征で狩ってきた巡洋艦の装備がごっそりあるからね。
今回は後方からの狙撃ばっかりだったから、推進機や反応炉の破損が多い。
ニコイチで復活させることなく装備をバラして販売となった。
戦艦は、神澤社長の融合待ちだ。
いや、そのまま戦艦に乗ってもらった方が戦力増強じゃないのか?
*******************************
神澤社長の専用艦の融合が終わった。
武装の融合は数時間で済むが、大破からの補修を兼ねた融合は10日かかった。
融合後の諸元は以下。
『KAMIZAWA』
艦種 ポケット戦艦
艦体 全長520m 重巡洋艦型 2腕
主機 対消滅反応炉E型 高速推進機E型
補機 熱核反応炉E型 高速推進機F型
兵装 主砲 長砲身35cmレールガン単装1基1門 通常弾 80/80
副砲 20cm粒子ビーム砲連装3基6門
対宙砲 10cmレーザー単装4基4門
ミサイル発射管 D型標準2基2門 最大弾数4×2 ミサイル残弾 8
防御 耐ビームコーティング特殊鋼装甲板+多重特殊鋼装甲板
ビームキャンセラー(対ビームバリヤー)
耐実体弾耐ビーム盾D型 1
停滞フィールド(対実体弾バリヤー)C型
電子兵装 対艦レーダーB型 通信機B型
空きエネルギースロット 5
状態 良好
神澤艦は対消滅反応炉の修理に成功していた。
エネルギー伝送系と制御系の破損だけだったことが幸いしたようだ。
性能的には高速推進機がダウングレードしているが、主機補機で反応炉を二つ持っていることで、なんとか速度を維持している。
逆に余剰エネルギーが補機分増えているため、エネルギースロットの空きが増え武装を増設可能になっている。
他には艦の後部装甲が戦艦準拠の耐ビームコーティング多重特殊鋼装甲板になっていて防御力が上がっている。
補機分全長が伸びているが装甲板を多めに用意した分で賄ったようだ。
大破からの修理としては思った以上に上出来じゃないだろうか。
「5スロットも余剰エネルギーがあるなら、主砲や副砲の換装もいけるな」
「社長、お金あるの?」
「いや、晶羅、鹵獲した戦艦があったろ」
「あれは対消滅反応炉を使わないなら戦力として維持した方が得でしょ? 無人で動かせるし、なんだったら社長がそのまま乗ってもいいよ」
「せっかく修理した俺の専用艦の立場は!」
神澤社長が落ち込んでしまった。
ネタ的にジョン司令の名前を変更しました。




