070 放浪編10 犬族と猫族
体調不良により遅れました。すみません。
いまいち自分の脳が信用出来ないため、後に修正が入るかもしれません。
アノイ要塞に帰ると地球人の遠征参加者全員がアノイ要塞司令コマンダー・サンダースに執務室へと呼ばれた。
惑星グラウルへの遠征参加の功績と礼で表彰されることになったのだ。
僕が無双して指揮系統を破壊し、傭兵共が残りの艦を殲滅、その手際の良さにグラウル領軍が驚愕したらしい。
グラウル領軍全艦が次元跳躍門を抜ける前に敵艦隊の殲滅は終了していた。
戦果は地球軍がグラウル領軍を上回った。
艦の数が地球グラウルで1:10だったことも多大な評価を得た原因だった。
「つまりグラウルの犬共が無能だということだろ?」
カプリース領軍のノア司令が嫌味を言う。
「ふん。カプリースの猫共はまともな戦況分析もできないのか」
それにグラウル領軍のハンター司令が返す。
「いいかげんにしろ。ノア殿、あなたの言い方では地球の方々も貶していることになるぞ。
ハンター、遅れをとったのはお前の過信が原因だ自重しろ」
ノアとハンターの言い合いにコマンダー・サンダースが仲裁に入る。
一気に空気が悪くなる。アノイ要塞司令が犬族だというのも猫族は気に喰わないんだろうな。
その後、式典が恙無く終わり、僕達は勲章を貰った。
帝国5級戦功章。とりあえず一番下のやつらしい。
僕だけ1つ上の帝国4級戦功章だった。撃墜数1位だからだろう。
もっと上の勲章を貰うと騎士とか貴族扱いになるんだとか。
今後どんどん帝国に組み込まれて行く気がする。
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今日も事務所で愛さんに質問をする。
「犬族と猫族は何故仲が悪いの?」
「種族の成り立ちからライバル関係だからです」
「種族の成り立ち?」
「はい。製造された時から、どちらが採用されるかという競争相手でした」
「(え?なんですと)彼らは製造されたの?」
「彼らは文明が高度化して肉体的精神的に弱っていった帝国人に強靭な肉体を取り戻すための実験体でした。
いくつかの実験体が作られ、その成功例が犬族と猫族でした」
「(なんだそれは)そのライバル関係が今も残っているということか……」
「はい」
根が深い問題なんだな。
「彼ら犬族猫族の帝国における地位ってどうなってるの?」
「彼らは領主が男爵位を得ているものの領民は二級市民です」
「それは一級市民やその他がいるってことだよね」
「はい。皇族、貴族、騎士、一級市民、二級市民の階級があります。貴族は公爵・侯爵・伯爵・子爵・男爵・准男爵、騎士は上級騎士・一級騎士・二級騎士に別れます」
「それからあぶれた人は?」
「敵か貧民になります」
「じゃあ、僕達地球人は?」
「難民です」
「僕ら地球人は帝国における地位はどこ相当?」
「それは禁則事項になっており、お答え出来ません」
「(あれ? 二級市民ぐらいかと思ってたのに)貧民扱いではないよね?」
「今のところそうです」
「ふーん(となると将来的にはわからないってことか)」
いつまでも難民でいられないとしたら、帝国での階級を上げた方がいいのかもしれない。
そのためには戦功を重ねていけば良いのかな。
「そういえば、もっと上の勲章をもらうと騎士にも貴族にもなれるって聞いたんだけど、ちなみに僕の階級って今どのぐらい相当にあるの?」
「それは禁則事項になっており、お答え出来ません」
「神澤社長は?」
「二級市民相当です」
「(え? そっちは答えられるんだ)なんで僕のは答えられないの?」
「帝室機密に関わる内容のため、お答え出来ません」
「そんな大騒なことなのか……」
「誰か居らぬか!」
僕がダラダラと愛さんに質問していると、突然外が騒がしくなった。
「カプリース男爵がニ女、キャロライナ=ナル=カプリース様の御成ぞ!」
何事かと出て行く社長、僕、菜穂さんに、いかにも執事といった服装の老猫人が名乗りを上げる。
執事の後ろには、あえてアンティークを模した馬車が止まっていた。
その馬車の扉が開く。
馬車を降りてきたのは純白のドレスに身を包んだ貴族然とした少女だった。
少女の頭には髪の毛と同じ白い毛の三角耳があった。
少女が全身真っ白の中で一際目立っている赤い口紅の口を開く。
「晶羅様、初めまして。私、キャロライナ=ナル=カプリースと申します。
あなたの妻として嫁いで参りました。キャリーとお呼びください。末永くよろしくお願いします♡」
「はいぃ?」
そこにもう一台、馬車が猛スピードでやって来る。
馬車が急制動で止まる。
御者台から老犬人の執事が慌てて降りてくる。
「しまった。遅れを取ったか! 姫様! 早う!」
馬車の扉が開き純白のドレスに身を包んだ犬族の少女が降り立つ。
「晶羅様、初めまして。私はマリー、マリアンナ=ガル=グラウルと申します。
あなた様の妻として嫁いで参りました。末永くよろしくお願いします♡」
「えーー!」
「マリアンナ様はグラウル男爵家の長女であらせられる」
老犬人の執事が補足する。
いきなり押しかけ妻が二人もやって来た。




