表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

73/179

068 放浪編8 修理 遠征1

遅れました。すみません。

 社長の艦を融合で修理するためにドックから引き上げ格納庫に曳航した。

ここはメンバーの艦がタグボートになって代金を節約した。

僕達は待機室の窓から神澤艦を見ながら対策会議を始める。


「思ったより酷いね。後部推進機は全損。反応炉を掠って左舷に抜けた破孔が酷い」

「うーーむ」


 僕が破損状況を逐一報告すると神澤社長が唸っている。


「社長の艦って対消滅反応炉だよね? 反応炉が壊れて反物質が漏出してたら脱出の暇もなく艦ごと対消滅してたよ」

「ちょっとー、今は大丈夫なんでしょー?」


 曳航に協力した紗綾(さーや)が顔を青くして詰め寄る。


「傷ついたのは制御系とエネルギー伝送系の部品みたい。炉心はきっちり緊急隔離されているから安心して。

でも社長。対消滅反応炉の余剰部品なんて、どこを探しても無いよ」

「だよな。買うにしろ高いんだよな……」


 項垂れる社長。神澤社長自身も艦を成長させていく過程で対消滅反応炉を手に入れるのは並大抵のことではなかったらしい。


「高速推進機は巡洋艦と突撃艦のやつが次元格納庫にある。性能ダウンかもしれないけど2艦分使うから我慢してね。

問題の反応炉だけど、対消滅反応炉を諦めて熱核反応炉2器で我慢するか、艦の修復能力に任せて対消滅反応炉の復活に賭けるかだね」

「とりあえず補機に熱核反応炉を1器提供してくれ。それで様子を見る。推進機はそれで頼む」

「それじゃあ、次に外部装甲の補修だけど、佐藤艦の装甲が手に入ったよ。()撃沈の一番槍で僕に権利があるそうで、無事だった装甲板を現物でもらった」

「そういや奴の艦の残骸が売れて、その一部が賠償として払い込まれていたな」

「その装甲を使うのでいい? 気分的な問題もあるだろうし一応聞いておくよ」

「ああそれでいい。戦利品として記念にしてやる! それと晶羅(あきら)、貰った賠償金をお前に渡す。それを部品代の足しにしてくれ」

「うん。わかった。貰っとくよ。それじゃあ始めようか」


 方針は決まったので、僕達は自分達の専用艦に乗り込み作業を開始する。

僕は次元格納庫から高速推進機E型、高速推進機F型、熱核反応炉E型、耐ビームコーティング多重特殊鋼装甲板×10枚を取り出した。

神澤社長が専用艦のパイロットシートに座り融合の準備をする。

僕達は専用艦の腕を使って各種部品を神澤艦の破孔に設置する。


「ちょっと、これどこよ?」

「まず熱核反応炉を後部の破孔に突っ込んで」

「これわー?」

「装甲板は左舷の破孔に並べといて」

「高速推進機は上がE? 下がE?」

「下がEだ。そう上下に重ねといて」


 部品を定位置に置き終わった。

僕達は神澤艦から離れる。


「準備終わったよ」

「よし、融合カウントダウン」


 僕達が離れ終わると神澤社長は融合のカウントダウンを開始し艦を降りる。

これで僕の時みたいに閉じ込められることはない。


「5・4・3・2・1・ゼロ、融合開始」


 艦の周囲に融合フィールドが展開され(まゆ)のように包み込んでいく。

これでしばらく様子を見るしかない。

神澤艦は融合中は使用不能だ。



***********************************



 いつのまにか僕の専用艦が成長(レベルアップ)していた。

おそらく敵艦の大量撃墜に加えて佐藤艦行動不能化が効いたんだろう。

成長(レベルアップ)した点は3点。

1つ目は跳躍弾という特殊弾が増えた。

跳躍というと次元跳躍のことだと思うんだけど、まさかのワープ弾だったりして。

2つ目は残弾のMAXが(無限)になった。

次元格納庫が重量を無視した所謂(いわゆる)無限収納(アイテムストレージ)のようなものなので、艦の製造能力さえ追いつけば残弾を気にしないで撃てる。

3つ目は、その残弾の製造能力アップだ。

通常の艦は艦の搭載能力によって最大弾数が制限されている。

しかし次元格納庫を持つ僕の専用艦は重量容積問題を無視出来る。

さらに弾の材料も格納可能、外部反応炉で余剰なエネルギーもある。それで製造能力が上がったのだろう。

Gバレットのチャージも余剰エネルギーが瞬殺していて、全弾いつでも打てる状態にある。


晶羅(あきら)、いるか?」


 そんなことを考えていると社長の声がした。

社長が僕を探しに社長室に入って来る。いや普通逆でしょ。


「いるよ?」

「そこにいたか。よし遠征に行くぞ」

「遠征?」

「アノイ星系から近隣星系への緊急援軍のことです」


 サボートAIの有機端末の愛さんが答える。

そういや社長室にいたんだった。


「それだ。今クエストを募集していると傭兵達が騒いでいたぞ」


 僕は腕輪を起動して仮想画面を空中に映す。

そこで検索を始めると愛さんが話しだした。


「惑星グラウルが敵勢力により攻撃を受けているようです。

そこへの援軍が募集されています。

参加資格は緊急のためなし。誰でも参加出来ます」

「だそうだ。俺にRIOを貸せ。稼ぐぞ」


 神澤社長がニヤリと笑う。

僕は両手を広げてヤレヤレというポーズをして追随する。


綾姫(あやめ)は置いていくよ」

「そうだな。乗艦単体で次元跳躍門(ゲート)をくぐるのは初めてだからな。

お前もひとりで戦え。指揮をするのは性に合わんし指揮を受けるのも面倒だ」

「わかったよ」


 さて僕は久々のぼっちで戦うか。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ