36/179
032.5 閑話・過去 研究室3
059の分割閑話です。
改訂による挿入になります。
お二人は順調に成長している。
だが、私達が設置した次元跳躍門を使い、既に奴らがこの惑星に手を伸ばして来ていた。
迂闊だった。まさかシステムが乗っ取られるなんて。
花蓮様が産まれる以前から奴らはこの惑星にいた。
私達は目立ちすぎる。
奴らの工作員には、私達がこの惑星の生物ではないと見破られるだろう。
私達夫婦は死んだことにしよう。
事故死にすれば姉弟に十分幸せに生きて行くお金を残せるだろう。
この惑星の人間として私達は研究施設ごと事故にあう。
姉弟の両親はこの世から居なくなる。
奴らの法では他星系の知的生命体に危害を加える事は出来ない。
地球人だと思われていれば手を出せないはずだ。
姉弟に余計な知識を与えなければ、あの御方の御子だとは気付かないだろう。
時が来ればまた姉弟の前に姿を現そう。
姉弟を外宇宙へ連れ出さなければ。