030 アイドル編6 模擬戦トーナメント2
模擬戦トーナメントビギナークラス3艦の部。
それが僕の参加する試合だった。
僕の出番は抽選で第三試合に決まった。
相手艦隊はトライスターという名前らしい。
僕は艦隊名なんて登録してなかったから、勝手に登録者である僕のGNを使われてアキラ艦隊になっていた。
こちらの戦力は以下3艦。
『AKIRA』『RIO』数合わせで『NPC艦D型』が充てられた。
『AKIRA』
艦種 艦隊指揮艦(艦隊旗艦)
艦体 全長212m 高速巡洋艦型 2腕
主機 対消滅反応炉G型 高速推進機D型
兵装 主砲 長砲身5cmレールガン単装1基1門 通常弾 50/50 特殊弾 20/20
副砲 なし
対宙砲 10cmレーザー単装4基4門
ミサイル発射管 D型標準2基2門 最大弾数4×2 ミサイル残弾 8
防御 耐ビームコーティング特殊鋼装甲板
耐実体弾耐ビーム盾E型 1
停滞フィールド(バリヤー)D型
電子兵装 対艦レーダーS型 広域通信機S型 戦術兵器統合制御システムS型
空きエネルギースロット 6
『RIO』
艦種 突撃艦
艦体 全長230m 巡洋艦型 2腕
主機 熱核反応炉D型 高速推進機F型
兵装 主砲 長砲身20cmレールガン単装1基1門 通常弾 80/80
副砲 15cm粒子ビーム砲連装2基4門
対宙砲 10cmレーザー単装6基6門
ミサイル発射管 E型標準4基4門 最大弾数2×4 ミサイル残弾 8
防御 耐ビームコーティング特殊鋼装甲板
耐実体弾耐ビーム盾D型 1
停滞フィールド(バリヤー)E型
電子兵装 対艦レーダーE型 通信機E型
空きエネルギースロット 0
『NPC艦D型』
艦種 駆逐艦
艦体 全長100m 駆逐艦型 2腕
主機 熱核反応炉G型 標準推進機B型
兵装 主砲 12cmレールガン単装1基1門 通常弾 40/40
副砲 10cm粒子ビーム砲単装2基2門
対宙砲 5cmレーザー単装2基2門
ミサイル発射管 D型標準3基3門 最大弾数4×3 ミサイル残弾 12
防御 耐実体弾特殊鋼装甲板
耐実体弾耐ビーム盾E型 1
停滞フィールド(バリヤー)G型
電子兵装 対艦レーダーG型 通信機G型
空きエネルギースロット 0
残弾数はフル補充状態。
ただし決勝まで補充なしなので節約を心がける必要がある。
全弾撃ち尽くしたら次は戦いにならない。
第一試合から第四試合の初回戦は試合が同時に行われる。
つまり他の艦隊の手の内は見られないということ。
こっちの1艦がNPC艦だなんて気づかれない方がやりやすいはず。
まあ相手も弱点を隠せるわけだし条件は同じだな。
勝利条件は敵全艦の撃破か降伏。制限時間オーバーで判定。
無傷の場合、お互い戦わない膠着状態になったら双方負け。
逃げ続けて戦いにならない場合は、逃げている方の負け。
模擬戦は艦のCICに入り、そこから電脳空間の試合場に接続して行う。
アバターで会場まで移動、エントリー情報をキーにして会場入りする。
目の前のVR画面に表示される参加艦艇選択画面に『AKIRA』『RIO』『NPC艦D型』のアイコンを掴んで放り込む。
戦闘宙域は「アステロイドベルト濃い目」にランダム設定される。
濃い目というのは岩塊の密度のことだ。
これで準備完了。試合時間を待つ。
目の前に数字が現れカウントダウンが始まる。
カウントゼロで目の前の風景が一変し、アステロイドベルトの真っ只中に放り込まれた。
試合開始だ。
まずは僚艦と敵の位置を把握する。
戦術兵器統合制御システムを起動、僚艦とデータリンクを繋ぐ。
これで僚艦の位置は把握出来る。
敵艦の位置はレーダー無しのパッシブで探るよう全艦に指示する。
遮蔽物が多い場所でレーダーを起動すれば、それが「ここにいますよ」というサインになってしまう。
まさかと思ったが、NPC艦がレーダー波を受信、敵3艦はレーダーを起動して自艦の位置を知らせてくれている。
AKIRAとRIOは遮蔽物の影になっていてレーダー波は届いていない。
「よし、囮作戦でいくぞ」
RIOに長砲身20cmレールガンをスタンバイさせる。
NPC艦D型にはレーダーを起動、光学センサーでも観測させて情報収集を命令する。
と同時に速度を使って逃げ、敵艦をRIOの射線上に誘導させる。
敵トライスター艦隊は、駆逐艦を発見し各個撃破するために3艦で追いかけ始めた。
僕はデータリンクでNPC艦D型の電子及び光学観測データを手に入れる。
敵は巡洋艦クラス2、駆逐艦クラス1のようだ。
駆逐艦を頭に巡洋艦2艦が並進するデルタ編隊を組んでいる。
NPC艦D型の誘導に釣られてRIOの射界にトライスター艦隊が接近してくる。
「NPC艦D型、ミサイル発射。牽制でいい。RIOは敵艦が射界に入ったらレールガン連射!敵を討ち取れ」
ミサイルが3発飛んで行く。1発1発がそれぞれの敵艦に向かっていく。
敵艦は接近してくるミサイルをビームで迎撃する。
ミサイルを接近させることなく撃墜する。
その刹那、先頭を行く駆逐艦がレールガンの直撃を受け大破する。
駆逐艦の装甲を紙のように貫く大口径レールガンだ。
後続の巡洋艦が回避行動を取ろうとするも、大口径レールガンが2発、3発と当たり停滞フィールドがダウンし装甲が弾け飛ぶ。
守るものが無くなった所に4発目が直撃し、巡洋艦は航行不能となった。
残りの巡洋艦は僚艦が壁になっていてRIOから撃てない。
だがRIOはその高速性能を活かして突撃、逃げに入った敵艦を後ろから追う。
射界を得るとレールガン発射。
敵艦後方のエンジンを直撃、敵巡洋艦は爆沈した。
『全艦撃破。試合終了。アキラ艦隊の勝利です』
システム音声が響き、目の前の映像がエントリー会場に戻る。
「よし、1勝賞金10,000Gゲットだ! 次も勝つぞ」
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