表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

31/179

028 アイドル編4 閑話:某事務所にて

ハート出てる?

 地球某事務所内社長室。


「社長、オーディションはどうでしたか?」


 眼鏡をかけ地味メイクの20代前半の女性が、浅黒い顔の30代男性と話している。

女性はよく見ると美人であるにもかかわらず、わざと地味にして変装しているようだ。

男性はいかにも業界人といった感じのちょい悪オヤジだ。


菜穂(なほ)か、まだそんな格好をしていたのか」


 男性は菜穂と呼ばれた女性に目を向けると呆れたような表情をした。


「顔バレしない世界が意外と新鮮で癖になっちゃったんです♡」


 菜穂は戯けた表情をするとぺろっと舌を出した。

地味な見た目の向こうには間違いなく美人の素顔が隠れていた。


「オーディションだが、あまり面白いやつはいなかったよ。

まあ、逸材なんてそうそう転がっているもんじゃないな。

特にSFOプロとアイドルの輝きを両立している候補なんて滅多にいない」


 そう言うと男性は、二次試験通過者のエントリーシートを投げ出した。

男性はSFOでもう7日間もオーディションを行っていた。

それで二次試験を合格したのは10人程度だった。

女性はエントリーシートを捲って1人1人チェックしていく。

そして1人のエントリーシートに目を止めると鋭い視線で男性の目を見つめた。


「この子に二次合格出したんだ」


 男性は肯定するも残念そうな顔をする。


「ああ、こいつは面白いやつだったな。自信満々でルックスも飛び抜けてた。

だが、合格通知を送ったら辞退されちまったよ。残念だがな」


 男性は欧米人のように両手を広げて首を振った。

女性は真剣な目をして男性に詰め寄った。


「この子、採用して。私達の艦隊に必要だわ」


 女性の真剣な眼差しに男性は気圧され頷いた。


「わかった。そんな逸材なら説得しよう」


 女性は満面の笑顔を見せる。地味なメイクでも美人が隠せなかった。


「ところで、おまえなんでGNがタンポポなんだ?」

「本名の保田菜穂(やすだなほ)→アナグラムで田菜穂保(たなほほ)→一字変えて和名由来と言われる田菜穂々(たなほほ)→タンポポよ」


 そう、男性は芸能事務所社長の神澤、女性は初心者講習を受けていたタンポポだった。

GNタンポポはアイドルグループ『ブラッシュリップス(brashlips)』のリーダー菜穂だ。

彼女のグループこそがアイドル艦隊を始めようとしていたのだ。

閲覧、評価、ブックマークありがとうございます。

励みになりますので、少しでも「面白い」「続きが読みたい」と思って頂けましたら、ブクマ、評価など、よろしくお願いします。

評価の入力ボタンは最新話下方にあります。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ