026 アイドル編2 面接
休載なんて言ってたんですが、書けちゃったので投稿します。
区切りの関係で短いです。
神澤社長に促され自己紹介をすることになった。
エントリーナンバー6番の僕からだ。
「エントリーナンバー6番のGNアキラです。(広域通信機S型で)声質と声を届けるのには自信があります」
神澤社長と目が合い見つめ合う。
「以上か?」
「以上です」
(何か問題でも?)と目で訴える。
「わかった次」
隣の女性が立つ。
(え? 立つの?)
「エントリーナンバー7番、GNサラです。歌います」
(え? 歌うの?)
サラさんは某アイドルのヒット曲をアカペラで歌った。
「ありがとうございました」
サラさんがお辞儀をして席に座る。
(何か違う気がする……)
他の3人も歌を歌ったりダンスを披露していた。
(えーと、艦隊メンバーの面接ってこんなことしないといけないのか?)
「次にウォーキングテストをする。そこからあそこまで歩いてくれ」
神澤社長が部屋の隅から隅まで歩くように指示する。
僕はとりあえず立って普通に歩く。
他の人達はなぜかモデル歩きをしている。
(やっぱり、何か違うような気がする……)
「6番の方、声に自信があるようですが、どういった感じですか?」
「はい、僕は最上級の能力を持っています」
「具体的に言うと?」
「はい、声を(通信機で)クリアな音質で遠くへ広く伝える事ができます」
「ほう、素晴らしい能力をお持ちなんですね。実演してみてくれませんか?」
「え? 機材が無いと出来ません」
「(生演奏が無いと歌えないというのか!)わかりました」
神澤社長が何かをエントリーシートに記入している。
この質疑応答の後、残りの面接時間中ずっと放置された。
神澤社長は僕を通り越して他の女性達に質問していた。
僕は不採用を確信した。
「それでは、今日はこれで終わりです。合否は後日腕輪にメールでお伝えします」
「「「「「ありがとうございました」」」」」
僕達は退室した。
僕は慌ててエントリーナンバー7番のサラさんを捕まえて質問をぶつけた。
「失礼ですが、この面接は何の面接だったんですか?」
「アイドルユニットのメンバー募集ですわ。なんでもSFOでアイドル艦隊を作るんですって」
「なんだってーーーーーーーーーーー!」
僕は違う面接会場に紛れ込んだようだ。
まあ、どうせ不採用だからいいんだけど。
(はあ……。艦隊どうやって組もうかな……)
翌日、メールが届いた。
『おめでとうございます。あなたは二次試験に合格しました』
何の冗談なんだろう?
一次試験はエントリーシートの入力時に行っています。
書類選考通過という感じです。