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025 アイドル編1 艦隊を組もう!

前話と本話、改稿いたしました。

旧版を読んでいただいた方、二度手間になってごめんなさい。

 専用艦建造で1週間、初心者講習で5日。

借金1億G+入学金の負債は全く減っていなかった。

行政府からの仕事で安定した収入があるかと思っていたら、まだ一度もお呼びがかからない。

とりあえず入学金分だけでも稼ぐ必要がある。

ここ1週間、デブリ採取の仕事でそこそこ稼いだが、なんだかんだ言って夏休みも残り1ヶ月を切っていた。


(拙い、もっと率の良い仕事をやらないと、入学金すら払えないぞ)


 そこで僕は考えを巡らせた。稼ぐ手段は2つ。

艦隊を組み、艦隊模擬戦のトーナメントに出場し、その賞金を手に入れる。

艦隊を組み、敵艦隊迎撃作戦に従事する。

つまり、艦隊を組まなければ先がないということだ。


 初心者講習のみんなは所属する艦隊が決まっていると言っていたので、彼らをあてにすることも出来ない。

なんでもSFCの頃の知り合いと組むんだそうだ。

僕は姉のセーブデータを利用したから、そういった知り合いが1人もいない。

ちょっと拙くないか?!



 僕はギルドに向かい、艦隊(パーティー)メンバーの募集がないかギルド掲示板を見に行くことにした。


 ギルドに着く。建物の中に入る。

ギルド中を見回すが、ギルド掲示板なんて無かった。


(パーティーメンバー募集の基本だろ! あ、そういやクエストは窓口で貰ったんだっけ)


 うっかりしていた僕は空いている受付に向かった。


「パーティじゃなくて艦隊メンバーの募集ってどこで調べればいいの?」

「腕輪でメンバー募集の掲示板にアクセス出来ますよ。そこでエントリーシートに記入して面接することになってます」

「もしかして、クエスト掲示板もあったりする?」

「はい。ギルドに来ていただかなくてもクエストを受けられます」

(そんな仕組みが有ったのか……)

「……ありがとう」


 僕はいつも無駄足をしていたようだ。

毎回毎回、受付で回収クエストを斡旋してもらっていた。

フリー回収は縄張り争いで儲からなかったからね。


 とりあえず、ギルドを出て転移ポート前の広場に行く。

ベンチに座って腕輪を操作し、メンバー募集掲示板を開く。

初心者艦隊からベテラン艦隊まで、募集要項が並んでいる。


 ベテラン艦隊の募集要項をタップして開く。

さすがベテラン艦隊、模擬戦トーナメントの成績で足切りがあった。

ようするに他の艦隊で実績のあった人の移籍しか受け付けないということ。

他をあたろう。


 中堅どころの募集は艦種指定がガチガチにしてあった。

誰か抜けた人がいて、その艦種を募集しているということだろう。

当然、艦隊旗艦なんて艦種を募集しているわけがない。

他をあたろう。


 初心者艦隊の募集要項をタップする。

経験不問、初心者歓迎。そりゃ君達も初心者だからそうだよね。

エントリー画面が出る。

画面に従い入力していく。艦種指定でその他(艦隊旗艦)を入力。

主砲の項目で5cmレールガンを選択。

とたんに画面に文字が浮かぶ。

『慎重に選考を重ねました結果、まことに残念ながら今回についてはご期待に添えない結果となりました』

低武装の艦は不要ってことらしい。

同じようなことが何件もあった後、僕は普通の募集は諦めた。


 狙うは特殊な条件、エキスパートの募集だ。

しばらく探すと、一つだけ合致する募集があった。


『通信担当、広域通信機B型以上の方募集』


 僕の専用艦は広域通信機S型だ。なんとかなるかもしれない。

僕は早速エントリー画面を開いた。

エントリーシート入力で広域通信機S型所持を選ぶ。

最後まで入力が完了し顔写真を要求される。

腕輪のカメラ機能で撮影し添付する。


『面接をしますので、明日10時に居住区D-9-301にお越しください』


 僕はやっと面接に漕ぎ着けることが出来た。




 翌日9時50分。面接会場に指定された居住区D-9-301にやって来た。

会場に行くと係員の女性が待っていてエントリーシートをめくる。


「GNアキラさんですね? これをお持ちください」


 エントリーナンバー6番を貰った。

僕は係員の女性に促されるまま面接会場の控室に入った。

その会場にはかなりの数の女性が集まっていた。

何やら気合を入れて化粧を直している。

場違いな気がしたが、そのまま面接を待つ。


「エントリーナンバー1番から5番の方、面接室にご案内いたします」


 係員の女性の案内で女性達が面接室へ移動していく。

しばらくすると5人の女性が戻ってきた。

そのまま荷物を持って帰っていく。

特に面接内容のお喋りもしていなかった。


「エントリーナンバー6番から10番の方、面接室にご案内いたします」


 係の女性の声に僕を含め5人が立ち上がり、面接室へ移動。

室内に入り面接官と対峙する。


「やあ、こんにちは。僕がこの事務所の社長の神澤だ。よろしく」


 浅黒い顔のいかにも業界人という雰囲気の30代男性だった。

改稿しました。

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