表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

26/179

024 初心者講習10 最終演習3

お待たせしました。改稿版です。

旧版を読んで頂いた方、二度手間でごめんなさい。

少しはマシになったと自負しております。

 シイナ様から防衛戦失敗が宣言されると、オオイ(うん、もう敬称なんぞ付けない)による醜い責任の擦り付けが始まった。


「アキラ! なんで敵4番艦を迎撃しない!」

「はぁ? 指揮に割り込むなと言って敵3番艦の迎撃を命令したのはそっちだろ!」

『確かにそうだ。アキラはオオイの命令に従っただけだ。命令によって生じた失敗は指揮官のオオイが追うべきだ』

「くっ……。なら、アキラならもっとマシな指揮が出来たとでも言うのか!」


 オオイの無茶な論理にシイナ様が解決策を提示する。


『それなら、アキラの指揮でもう一度演習だ。

防衛戦闘という条件は同じ。

ただし敵艦の数や能力、戦術目的は同じとは限らないぞ。

別の日の攻撃だと思え。

それでは演習開始だ。オオイはアキラの命令に必ず従うように!』




 演習やり直しだ。

敵艦隊は3艦が同じように突撃してくる。

演習なので図を提示する。


□③▼□▼②□□□

□□□▼①□□□□

□□□□□□□□□

□□□□□□□□□

□□□□□□□□□

□□□□□□□□□

□□□□□□□□□

□□□□□□□□□

□□□▲オ▲タ▲キ

アキ▲□▲フ▲アヤ

□□□□□□□□□

□□□□□●□●□


 こちらの迎撃位置はこんな感じ。

オオイ艦、タンポポ艦、キリ艦を横3列。

その斜め左後方にアキラ艦、フォレスト艦、アヤメ艦を横3列に配置した。

まず、敵の射程圏外から長距離射撃だ。


「タンポポは敵1番艦をキリは敵2番艦をレールガンで狙撃、敵バリアにダメージを与える。

3、2、1、発射!」


 レールガンの長距離射撃で敵1、2番艦にダメージが蓄積され陣形が乱れる。


「タンポポ、キリ射撃中止。後方の岩塊まで下がれ。

アヤメとフォレストは敵1、2番艦に向け突撃! ビームで仕留めろ!」


 フォレスト艦とアヤメ艦が突撃する。


□□□□▼②□□□

□□□▼①□□□□

□③▼□□□□□□

□□□□□□□□□

□□□□□□□□□

□□□□▲フ▲アヤ

□□□▲オ□□□□

アキ▲□□□□□□

□□□□□▲タ▲キ

□□□□□●□●□


「オオイはミサイル発射準備。敵3番艦に10発。3、2、1、ぶち込め!」


 オオイ艦のミサイルが敵3番艦を取り囲み、迎撃レーザーの死角から突っ込む。

レーザーで支援するべき敵1、2番艦には、ほぼ同時にフォレスト艦とアヤメ艦が突撃。


 フォレスト艦とアヤメ艦のビームが敵1、2番艦を撃破する。

敵3番艦はミサイルの飽和攻撃により轟沈。

と同時に敵第二艦隊が突入して来た。

敵第二艦隊がアヤメ艦にビームを集中して来る。


□□□□□□□□□⑥▼□▼⑤

□□□□□□□□□□□▼④□

□□□□□□□□□□□□□□

□□□□X②□□□□□□□□

□□□X①□□□□□□□□□

□③X□□□▲アヤ□□□□□

□□□□▲フ□□□□□□□□

□□□□□□□□□□□□□□

□□□▲オ□□□□□□□□□

アキ▲□□□□□□□□□□□

□□□□□▲タ▲キ□□□□□

□□□□□●□●□□□□□□


「アヤメは回避しつつその場で敵第二艦隊を牽制」

「フォレスト、僕で第二艦隊を迎撃する。最大戦速!」

「タンポポ、キリは射撃補正装置で重力波を探知! 移動体をみつけろ!」


 僕とフォレスト艦は無防備な防衛宙域右側に現れた敵第二艦隊を迎撃するため飛び出した。

アヤメ艦は敵第二艦隊のビーム攻撃をギリギリで躱しているが、少なくない被害を受けている。

急がないとアヤメ艦が危ない。


「いた! アキラから9時の方向、敵7番艦!」とタンポポ。

「アキラ3時の方向、敵8番艦! 抜かれる!」とキリ。


□□□□□□□□□□□□□□

□□□□□□□□⑥▼□▼⑤□

□□□□□□□□□□▼④□□

□□□□□□□□□□□□□□

□□□□□▲フ▲アヤ□□□□

□□□□□□□□□□□□□□

▽⑦アキ▲□□□□□□□⑧▽

□□□□□□□□□□□□□□

□□□▲オ□□□□□□□□□

□□□□□□□□□□□□□□

□□□□□▲タ▲キ□□□□□

□□□□□●□●□□□□□□


 やられた。敵艦が遮蔽フィールドで突入して来るのは想定内だったが、敵艦隊の後方に守られて来ると思っていた。

敵7番艦は想定内のコースだったが、先行している敵8番艦はノーマークだ。

更に敵第二艦隊がアヤメ艦を狙ったため、前衛の3艦が突出した形にされている。

このまま僕が後退したら、おそらくアヤメ艦は助からないだろう。

だが最終防衛ラインを敵艦に突破されたら戦術的な防衛失敗だ。

敵艦がステーションの情報を得て高速通信を送った時点で敵の作戦は成功なのだ。

例え全艦を葬っても負けである。


「オオイは敵7番艦を迎撃、ミサイル発射。敵予測位置直前で爆破し続けろ。タンポポは射撃準備。敵の遮蔽フィールドがダウンしたら撃て!

敵8番艦はキリの狙撃に任せる。すまん」


 僕はアヤメ艦救出を取った。

フォレスト艦がアヤメ艦の前に割り込み敵4番艦にビームを雨あられと撃ち込む。

男前じゃないか。

僕も敵6番艦にレールガンを撃ち込む。


 オオイ艦のミサイルが敵7番艦の目の前で爆発。爆炎を突き抜ける透明の艦が視認される。

タンポポは重力波の乱れで敵艦位置を予測、レールガンを撃ち込む。

敵7番艦の遮蔽フィールドがダウンする。


□□□□□□□□□□□□□□

□□□□□□□□□□□□□□

□□□□□□□⑥▼□▼⑤□□

□□□アキ▲□▲フ▼④□□□

□□□□□□▲アヤ□□□□□

□□□□□□□□□□□□□□

□□□□□□□□□□□□□□

□□□□□□□□□□□□□□

▼⑦□□▲オ□□□□□□□□

□□□□□□□□□□□□⑧▽

□□□□□▲タ▲キ□□□□□

□□□□□●□●□□□□□□


 敵7番艦が見えると同時にタンポポのレールガンが連射!

敵7番艦は行き掛けの駄賃でオオイ艦にビーム攻撃。

レールガンの連射に耐えられず敵7番艦は撃沈される。


 フォレスト艦と敵4番艦のビームの撃ち合いもフォレスト艦が勝ち敵4番艦は大破した。

敵6番艦もアキラ艦とのビームの撃ち合いになり撃沈された。

その時、アヤメ艦が増速、敵5番艦に突っ込んでいく。


□□□□□□□□□□□□□□

□□□□□□□□□□□□□□

□□□□□□□⑥X□▼⑤□□

□□□アキ▲□▲フX④□□□

□□□□□□□□▲アヤ□□□

□□□□□□□□□□□□□□

□□□□□□□□□□□□□□

□□□□□□□□□□□□□□

X⑦□□▲オ□□□□□□□□

□□□□□□□□□□□□⑧▽

□□□□□▲タ▲キ□□□□□

□□□□□●□●□□□□□□


 アヤメ艦は右腕に対艦刀を装備。刀身がビームの光を纏う。

そのままの速度で敵5番艦の横をすれ違うと敵5番艦の艦体は上下二つに分断されていた。

その時、キリ艦がレールガンを連射、敵8番艦を撃破した。


□□□□□□□□□□□□□□

□□□□□□□□□ア□□□□

□□□□□□□□□ヤ□□□□

□□□□アキ▲フ▲▲X⑤□□

□□□□□□□□□□□□□□

□□□□□□□□□□□□□□

□□□□□□□□□□□□□□

□□□□□□□□□□□□□□

□□□□▲オ□□□□□□□□

□□□□□□□□□□□□□□

□□□□□▲タ▲キ□□□⑧X

□□□□□●□●□□□□□□


「タンポポ、キリは射撃補正装置で重力波を探知。残存艦を捜索!

僕、フォレスト、アヤメは反転後退した後、前方警戒にうつる」


「「ひっ!(……!)」」


 その瞬間タンポポの悲鳴が上がった。


「アキラのほぼ真下、敵艦!」


□□□□□□□□□□□□□□

□□□□□□□□□□□□□□

□□□□□□□□□□□□□□

□□□□□□□□□□□□□□

□□□□□□□□□□□□□□

□□□□□□□□□□□□□□

□□□□□□□□□□□□□□

□□□□□□□□□□□□□□

□□オ▲アキ▼□▼フ▼アヤ□

□□□□□□⑨□□□□□□□

□□□□タ▲□▲キ□□□□□

□□□□□●□●□□□□□□


 2艦のステルス艦で我々を惹き付け、本命が真ん中を突破する。

射撃補正装置の弱点である索敵範囲の狭さを利用された形だ。

さらに僕の下に隠れて侵入とは……。

どの武器でも狙えない。僕の艦が邪魔で味方からも撃てない。

逡巡する暇はない。僕は敵艦に我艦を体当りさせた。


 敵艦から離れ、航行不能になった敵艦をミサイルで始末した。

しばらく警戒するも敵艦の反応なし。


「よし、防衛戦闘終了」と僕は終結宣言を出した。


『みんな、ご苦労。これで最終演習は終了だ』


 僕らは擬似CICから出て講習室の座席につく。

シイナ様から訓示をいただく。


「今回の再演習は、ステルス艦という隠し球を知る前と後では対応が違って当然だ。

答え合わせの答えを知っていて行動しているんだからな。

アキラ、遮蔽フィールドを見破る手段に射撃補正装置を使ったのは見事な指揮だった。

だが、アヤメ救出は指揮官としての資質に関して意見が別れるところだろう。

作戦成功を第一とすれば、あそこは見捨てる所だ。

指揮官は今後そういった命の選択を迫られる場面に必ず遭遇する。

仲間の命を助けることで、他の命が犠牲になるかもしれない。

そこを冷静に判断出来るのが指揮官だ。

だが、私個人はアキラの行動は嫌いじゃないぞ」


「キリ、良い腕だ。アキラはお前の腕に助けられたようなものだ。

みんなも指揮に従い艦隊として機能していたと思う。

個々の艦の能力では達成出来ないことも、艦隊という一つの集団によって達成出来ることもある。

艦隊として機能することは、今後のみんなの働きに於いて重要な目標になるはずだ。

今後の活躍に期待して初心者講習を終える。みんなご苦労だった」


「「「「「「ありがとうございました!」」」」」」


 僕達の初心者講習は有意義に終わった。

(オオイに恨まれてなければいいけど……)

次回からアイドル編突入です。


閲覧、評価、ブックマークありがとうございます。

励みになりますので、少しでも「面白い」「続きが読みたい」と思って頂けましたら、ブクマ、評価など、よろしくお願いします。

評価の入力ボタンは最新話下方にあります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ