019 初心者講習5 特殊宙域
ジャンル別宇宙〔SF〕日間2位週間2位月間5位に入りました。
これも皆さんご支援の賜物です。感謝いたします。
初心者講習2日目。
シイナ様による特殊宙域の講習が始まる。
「特殊宙域は主に3種類がある。
重力場異常宙域、次元異常宙域、亜空間宙域の3つだ。
重力場異常宙域は、超重量惑星や重力兵器、次元跳躍門の運行により重力異常が発生し曲げられた空間のことだ。
次元異常宙域は、次元跳躍門周辺や空間断層の通常空間露出面により異常が出ている空間のことだ。
亜空間宙域は次元跳躍門の内部のことで今回は省略する。
詳しくは上級者講習を受けるように。
今回の演習は重力場異常宙域における長距離射撃訓練だ。
全員シミュレーターに搭乗!指示を待て」
全員が模擬CICに入り、コクピットに座る。
目の前に仮想スクリーンが開き、演習用の狙撃艦が目の前モードで表示される。
今回の演習用艦船の諸元は以下。
『NPC艦SN型』
艦種 狙撃艦
艦体 全長200m 巡洋艦型 1腕
主機 熱核反応炉D型 高速推進機F型
兵装 主砲 長砲身30cmレールガン単装1基1門 通常弾 80/80
副砲 なし
対宙砲 10cmレーザー単装4基4門
ミサイル発射管 なし
防御 耐ビームコーティング特殊鋼装甲板
耐実体弾耐ビーム盾E型 1
停滞フィールド(バリヤー)D型
電子兵装 対艦レーダーB型(射撃補正装置付き) 通信機D型
空きエネルギースロット 0
狙撃特化の狙撃艦仕様。長砲身長射程大口径のレールガンで長距離狙撃することのみを目的とした艦種だろう。
たしかタンポポやキリさんの得意戦術だ。
『はい、みんな乗ったな』
シイナ様から通信が入る。
『この狙撃艦は戦艦並みのレールガンを装備して、敵艦を遥か彼方から撃破するのが目的の艦だ。
みんなの目の前には横腹に的の描かれた敵艦が配置してある。
その的を撃ちぬくのが今回の演習だ。
ただし、敵艦との間の空間は重力場異常宙域だ。
撃った弾がどうなるのかも経験だ。とりあえず直接照準で撃ってみろ』
僕らは的を狙ってレールガンを発射する。
大口径レールガンを発射したズシンとした反動が来る。
仮想スクリーンが俯瞰モードになって弾丸の軌道を表示する。
全員外れる。
僕の撃った弾は右に大きく曲がった。
『みんな外れたな? 気にするな。これが重力場異常宙域だ。
我々の戦場では重力兵器の影響で重力場に異常があるなんてザラだ。
それも重力兵器がリアルタイムで使用されれば同じ条件での射撃など二度と無いと思え。
よし、次は射撃補正装置を使用しての射撃だ。みんな射撃補正装置を起動しろ」
射撃補正装置の起動を思考すると目の前に1枚仮想スクリーンが重なる。
そこには重力場の位置と影響が図示されていて、弾の予測軌道が表示される。
(ゴルフゲームのパッティングのイメージだな)
その情報を参考にして照準を合わせて撃つ。
僕の弾は敵艦を掠った。
予測は予測。当てるにはトライ&エラーでやるしかないのかもしれない。
僕は4発目で当たった。
1位はキリさんで2発目には当てていた。
フォレストは当たらなかった。
『今のは動かない的だったが、実戦では敵艦は動いているものだ。
次は動いている的を撃ってみろ』
敵艦が動くと弾道予測も変化しまくり難易度が急上昇した。
キリさんとタンポポしか当てられなかった。
フォレストは突撃すれば当てられると豪語していた。
それは長距離射撃じゃないし敵艦も当ててくるんだけどな。
続けて次元異常宙域も経験して、今日の演習は終了。
これって、もしかして説明回ってやつでは……。
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