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018 初心者講習4 演習総評2

法事でストックが無くなってしまいました。

毎日投稿を続けていくつもりですが、ミスがあるかもしれません。

誤字脱字や変な所があったらご指摘くださると幸いです。

「続いてタンポポ」


 タンポポのアバターが目の前モードで表示される。

シイナ様はモードを切り替えアバター視線モードにする。

演習開始と同時に視線が動き周辺警戒をしている。


「ここ、よく見て。彼女がしたのは岩塊位置の把握と要監視設定ね」


 アバター視界の岩塊映像に要注意マーカーが付いていく。

通信アイコンが点滅して僕の顔が表示される。

続いてアヤメの顔が表示されて艦隊内秘匿通信網が形成される。


「フォレスト、せめてこれを使うように」


 シイナ様の小言にオオイさんとキリさんがうんうんと頷く。


 映像に戻る。

打ち合わせ後、タンポポ(アバター)は単縦陣を組むため僕の(アバター)の後ろにつく。

対艦レーダーの要監視対象が後方重点に切り替えられる。


「艦隊という一つの集団を形成したことで役割が変わる。

タンポポの役割は殿(しんがり)としての後方監視になるわけだ。

その基本を忘れていない模範的な行動で褒めるところだな」


 しばらく探索行動。そして対艦レーダーの警告と共にフォレストの全方位通信。

目の前のアキラ()(アバター)からミサイルが発射される。

通信画面内で僕が回頭指示。(口パクで内容は入っていない)

回頭する3(アバター)。と同時にタンポポ(アバター)はレールガンを起動、照準をフォレスト(アバター)に向ける。

左後方にフォレスト(アバター)を捉えロックオン。

長距離射撃モードでフォレスト(アバター)が拡大表示される。

照準環(ターゲットサイト)がフォレスト(アバター)の右舷に収束する。

ミサイルがフォレスト(アバター)に接近すると同時にアキラ(アバター)からビーム攻撃。

ミサイルの速度とビームの速度を合わせ、同時着弾のタイミングだ。

焦るフォレスト(アバター)、ビーム防御で左腕の盾が左舷に集中し右舷を晒すことに。

すかさずタンポポ(アバター)がレールガンを発射。発射。発射!10連射!

フォレスト(アバター)の停滞フィールドが抵抗するも崩壊。

複数の直撃弾がフォレスト(アバター)の装甲を剥いでアバターはパン(いち)に……。

自主規制が入ってブラックアウト。


「見た!?」


 とフォレスト。

顔を赤くして俯くタンポポ。

何を見たかは言わないでおこう。

シイナ様がスルーして話しだす。


「実に良い。教科書のような連携攻撃だ。

打ち合わせで個人の特技を把握し、活かした結果だな」


 少し飛ばして再生が再開される。

オオイ(アバター)撃沈シーン。

僕の指示でミサイル全弾発射。タンポポ(アバター)も発射管内の3発全弾を発射する。

ミサイルがオオイ(アバター)に群がり撃沈。

その間のタンポポ(アバター)視点は、相変わらず後方警戒を怠らない。

僕からの通信で一斉回避運動、何もないのを確認し、警戒態勢で哨戒。

そしてタイムオーバーで終了。


「満点ね。完璧」


 シイナ様に褒められてタンポポが顔を赤くしている。


「凄いな。タンポポ」


 僕は仮初の僚艦を称えた。



「続けてアヤメね。

単従陣で行動していたから、同じような映像になっているんで、申し訳ないけど端折るわね」


 シイナ様が映像を進め、アヤメ(アバター)目の前表示を艦の目の前表示モードに切り替える。

そして、視点変更でアヤメ(かん)を正面から見る視点にする。


「この盾の使い方に注目!

艦体を隠し、武器の前方視界を確保した完璧な姿勢だ。

先頭で突撃する役目なら身につけておくべき攻守を兼ね備えた姿勢よ」


 シイナ様は視点をアバター視点モードに戻し、映像を進める。

僕からの通信でアヤメ(アバター)の進路が変わり、一つの岩塊へ向かう。

アヤメ(アバター)は岩塊の周囲を重点警戒。

オオイ(アバター)が岩塊の左側から飛び出すのを認識すると、アヤメ(アバター)は突撃しビームを乱れ打ちする。

そして全艦ミサイル発射。オオイ(アバター)は合計9発のミサイルを迎撃しきれずに撃沈判定。

その後は省略。


「自分の特性を活かした見事な突撃だった。

これも盾を上手く使ったからこそだ。満点だな」


 アヤメも褒められた。

クールさんだが、口元がニヤけている。



「続いてアキラ。

もう映像はお腹いっぱいだろうから省略する。

お前、何者だ? 指揮、状況判断、周辺監視、攻撃、全て完璧だった。

特にオオイ艦撃沈後に全艦に回避運動を取らせただろ。

あれはキリ艦の攻撃を想定してのことか?」


「そうだよ。あそこが一番危ないところだと思ってたからね」


「末恐ろしいな。

だが、一つだけ言っておこう。

今回のお前の指揮は神の視点だったから出来たことだ」


「神の視点?」


「そうだ。神の視点だ。

お前は敵の数、敵の能力を予め知っていた。

だから、今回のような作戦指揮が出来たんだ。

演習だからこそ知り得た情報。それこそが神の視点だ。

もし実戦だったならば、敵の伏兵はもっと多かったかもしれない。

同型艦でも改装で攻撃力や弱点が違っていたかもしれない。

それでも対処出来ていたか? そこが今後の課題だな。

まあ、現時点では満点以上の成績だから誇っていい」


 褒められたのか、貶されたのかよくわからなかった。

だが、課題として心に留めておくべきことだった。


(「情報を得て準備した者が勝つ!」で合ってる?) 


「よし、今日はここまで。

明日は特殊フィールドでの演習だ。

同じ時間にここで待つ!」


「「「「「「ありがとうございました!」」」」」」


(みんなにシイナ様を教官として敬う気持ちが生まれたようだ)

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ジャンル別宇宙〔SF〕日間2位週間3位に入りました。

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