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156 帝国内乱編14 終結

side:アキラ


『みんな、ありがとう。ところで僕と(かえで)がツートップになって、どう攻めればいいの?』


 フォーメーションAは確かデビュー曲の踊り出しの位置決めだったはず。

僕が加入する前のまだメンバーが3人だった時のダンスがメンバーが5人に増えたために変更になった。

その変更後の立ち位置がフォーメーションAだ。


『いや、格好良いかな? と思って意味は無いんだな』


 紗綾(さーや)がぶっちゃける。

だが位置的には前衛にアタッカーである戦艦と巡洋艦がツートップで出て、後衛に軽空母と防宙艦に電子戦兼狙撃艦が位置するという都合の良い結果となっている。


『ま、偶然だけど配置は丁度良いかもしれない。戦えるよね?』


 その言葉に美優(みゆ)紗綾(さーや)が視線を逸らす。


美優(みゆ)? 紗綾(さーや)も?』


『……容量オーバー。艦載機ゼロ……』

『防宙警戒はできるけど、相転移フィールドは閉店かな?』


 美優(みゆ)は次元格納庫に菜穂(なほ)艦、紗綾(さーや)艦、綾姫(あやめ)艦を格納していたため、容量不足で艦載機が搭載できず攻撃手段が無いようだ。

紗綾(さーや)は元々防衛専門だが、相転移フィールドは1回で使用不能らしい。

うん、これじゃレオナルド(第5皇子)艦隊の相手をするわけにはいかないね。

レオナルド(第5皇子)の艦隊はざっと見た感じニアヒュームと無人艦を除けば5千艦ぐらい。

要塞艦はニアヒュームのコアと要塞砲を破壊したので使い物にならないはずだが、強引に要塞砲を使用可能にした手段が不明な以上は侮れない。

ブラッシュリップス艦隊5艦で相手にするには無理がある。

1+1+1+1+1が例え100になったとしても5千の相手は出来ないよ。


『つまり格好をつけただけで、この後戦力にはならないってことね?』

『ん』『あはは』『うふふ』

『わかりました。僕と(かえで)で突っ込みます。3人はこの場に待機。

美優(みゆ)紗綾(さーや)菜穂(なほ)さんを守って。

菜穂(なほ)さんは電子・量子・次元あらゆる通信と探知装置に妨害を。ニアヒュームを無力化して。

それと接近する敵を狙撃で対応。敵を近づけさせないで。

あと綾姫(あやめ)が復活したら援軍に寄越して』

『ん』『わかった』『了解』


(かえで)、僕は敵を反物質粒子砲で殲滅する。

(かえで)は僕の後ろを守って。近づく敵を蹴散らして欲しい』


 僕の要請に(かえで)は首を振る。


『ボクも撃てるよ? 反物質粒子砲』

『マジか! なら目標を分けよう。向かって右の要塞艦2艦はかえでが撃ってくれ。残り3艦は僕が撃つ』


 僕は目標をかえでと分けることにした。


『威力は最低の1粒子。次元跳躍(ワープ)で目標要塞艦の中間位置直上に跳躍し、敵が対処する隙を与えずに撃て。

敵は艦を盾にしてくる。射線の途中で爆発しても巻き込まれないように位置を取るんだ』

『うん』

『じゃあ、行くぞ!』


 僕達は次元跳躍(ワープ)で要塞艦の直上に跳躍する。

と同時に反物質粒子砲で要塞艦を撃って行く。

1発、2発、3発。(かえで)も1発、2発と撃つ。

いきなり次元跳躍(ワープ)アウトして来た僕達の艦にレオナルド(第5皇子)の艦隊は気づけなかった。

それは菜穂(なほ)さんが電子・量子・次元と全ての探知装置や通信にジャミングをかけていたせいだ。

要塞艦に吸い込まれていく反物質粒子が対消滅を起こし膨大なエネルギーを放出する。

うちの星系で製造した要塞艦を自分の手で葬ることになるとは、今後は乗っ取り対策を強化しなければいけないな。

そんなことをふと思っているうちに要塞艦は消滅していた。


 その爆発に護衛として展開していたレオナルド(第5皇子)の親衛艦隊が巻き込まれていく。

レオナルド(第5皇子)の専用艦は出撃していなかった。

つまり要塞艦の中で指揮をとっていたということだ。

その要塞艦が爆発消滅したということはレオナルド(第5皇子)も巻き込まれたということだろう。

要塞艦5艦はほぼ同時に爆散した。どこにレオナルド(第5皇子)がいたとしても運命を共にしたはずだ。


 残りの艦の殲滅はロレンツォ(第7皇子)に任せよう。

あとはニアヒュームの処置だけ。

プリンスと姉貴にニアヒューム支配の秘密を聞いて対処すればいいだろう。


「ん? ところでプリンス艦とカレン艦は何処に?」


 侵食弾の侵食で動けなくなっていたから放置していたんだけど、まさか!

僕は次元レーダーで直近の次元跳躍(ワープ)の形跡を調べる。


「ああ、菜穂(なほ)さんのジャミングで何もわからない!」


 味方の通信が正常化しているのは菜穂(なほ)さんのコントロールの元で味方のみが使用できるようにジャミングを切り替えていたからだ。

ジャミングがかからない領域を同じタイミングで切り替えていく。

その正しい領域とタイミングを知らなければ通信出来ないということだ。

だが、次元レーダーに関しては全てジャミングがかかっていた。


菜穂(なほ)さん、敵主力は殲滅した。次元レーダーのジャミングを切ってくれ』

『わかったわ』


 次元レーダーが使用出来るようになる。

ここ直近で次元跳躍(ワープ)したのは?


 これは僕と(かえで)の航跡だな。

他には航跡が3つ。2つが同じ場所から連続次元跳躍(ワープ)していてトレース不能。

これがプリンスと姉貴か。逃げられたな。

プリンスと姉貴はいったいどうやって侵食から脱したんだ?

もう1つは要塞艦の中から次元跳躍(ワープ)している!

こっちはレオナルド(第5皇子)だろう。奴はレオナルド星系に向かったようだ。


「内戦はこれで終了だろう。だが首魁に逃げられてしまったな。

レオナルド(第5皇子)の処遇はもうカイル(第1皇子)に任せていいよね?」


(かえで)、みんなの所へ帰ろう』


 僕と(かえで)は周囲を警戒しつつ仲間のもとへと帰還した。

8000pt達成しました。

そしてHJ大賞2018の一次審査通過しました。

これも皆さんのご支援の賜物です。

ありがとうございす。

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