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152 帝国内乱編10 反撃開始

お待たせしました。改稿版152です。

今後は推敲のため毎日更新ではなく2日に1回、週に3回程度の更新になるかと思います。

side:ロレンツォ


「くっ……これまでか」


 ロレンツォ(第7皇子)の目の前に敵要塞艦の要塞砲の光条が迫ってきていた。

その光条が直撃すると思われた刹那、光条と要塞艦の間に割って入る蒼い光のライン。

それが大型戦艦だと認識するやいなや、敵要塞砲が大型戦艦のフィールドに当たり消滅する。


「助かったのか? それにあの大型戦艦は?」


 ロレンツォ(第7皇子)は疑問に思ったものの、その正体には確信があった。


「この非常識な強さはアキラだな。変わり身の術が進化していないか?」


 大型戦艦は敵要塞砲を防ぐと今度は赤い光のラインを引いて離れていった。

あまりに速い大型戦艦の機動、その機動により光のドップラー効果が起こり、接近する時は蒼、離れる時は赤に光が偏移しているのだ。

ロレンツォ(第7皇子)はその常識はずれの性能に呆れを通り越して関心すらしてしまった。

しばらく呆けた後、ロレンツォ(第7皇子)は命令を下す。


「反撃だ! どれぐらいやられた? 応急修理の後、戦線に復帰するぞ。ここでこの戦いを終わりにする!」


 大型戦艦が反支配化信号対策装置を作動させているのだろう。

無人艦の制御は奪われていない。通信妨害も解除されている。


「帝国正規軍に通信を。敵に奪われた無人艦の制御コードを確認してもらえ。

あれを我が方の戦力にするぞ!」


 ロレンツォ(第7皇子)はまだまだやる気だった。



*********************************

side:アキラ



「これで味方の危機は脱することが出来たかな?」


 僕が一安心していると電脳が緊急警告を発した。


縮退炉ブラックホールエンジンが活動限界を向かえました。このままでは暴走します』

「え? どうすればいいのさ? というか本体は未完成だったの?」

『はい、緊急事態で起動しましたが、まだ建造中で本艦の性能は100%発揮出来ていません。

外部ユニットを出し本体は縮退炉を停止し次元格納庫に収納します。時間がありません』

「わかった。許可する」


 その言葉と同時に大型戦艦は姿を消した。

CICのパイロットシートは新型のままだが、そこから見える艦体は以前の専用艦だった。


「無敵タイム終了か。もっと効率よく敵を殲滅するべきだったよ!

この専用艦も馴染み深いといえばそうだけど、この専用艦だと大きいの1発くらったら終わりなんだよね……。

さっきまでは敵の殲滅も容易な状態だったのに、今は戦力比的には劣勢になってしまっているかも」


 僕らとレオナルド(第5皇子)の戦力比は7万:10万強になっていた。

敵ニアヒューム要塞艦5は要塞砲使用不能。ロレンツォ(第7皇子)の要塞艦4と正規軍要塞艦5は要塞砲4が使用可能。

ほぼ互角の戦いだろう。

ここにカイル(第1皇子)からの援軍10万が来れば勝てるけど、来るのは7日後になる。

となると敵の戦力を削る手段を探さなければ……。


「反支配化信号対策装置は動いてるよね?」

『はい。本体の一部装備は外部ユニットで使用可能です。反支配化信号対策装置は正常に作動中です』

「敵無人艦の支配状況は?」

『コックス子爵の討伐軍から奪われた無人艦は敵の支配を解除しました。

緊急警告! その無人艦に再支配の徴候があります。今、支配されました』


 僕は慌てる。ここに来ての敵戦力増加は戦況への影響が大きすぎる。


「なんだって!」

『支配をかけたのはロレンツォ(第7皇子)殿下です。2万5千艦が我が方の戦力になりました』


 僕はほっとする。味方があてになるなんて、これほど心強いことはない。


「やるなロレンツォ(第7皇子)。僕も負けてられないな。

レオナルド(第5皇子)配下の無人艦の方はどうなってる?」

『現在、鋭意乗っ取り中ですが、対抗措置がなされているようで一進一退の状況です。

ただし敵無人艦2万艦の無効化には成功しています』


 これで戦力比は9万5千:8万弱になった。

レオナルド(第5皇子)側の戦力はレオナルド(第5皇子)の親衛艦隊(有人艦のみ)とニアヒュームのみとなった。

次にニアヒュームを削れば、こちらの勝ちは決まりだ。


「うーん。奴らはどのようにしてニアヒュームを支配下に置いたんだろう?」


 そこを崩せばこの戦争も終わるだろうと感じていた。

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