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142 遠征編27 今後の方針

遅くなりました。

遠征編終了です。

 帝国とニアヒュームの対話は決別した。

ニアヒュームには過去の記憶が現実の物として残っているため、現帝国に連なる者に対する恨みを抱き続けるのだろう。

そこには過去の蟠りを忘れて水に流すという思想はないらしい。

全ての個体が同じ記憶を共有しているということは、その恨みの気持まで常にバックアップしているのと同じだ。

人のように世代を重ねる度に伝承が絶えて忘れるということはないのだろう。

強硬派と穏健派という考え方の違いというものも存在しない。

全てが同じ統一した意思によって方針が決定する。

そこで帝国殲滅が決まってしまっているのなら、もう戦うしかないのだろう。

過去に帝国人が決めた「相容れない存在。人類の天敵」という方針は至るべくして至った結論だったのかもしれない。

僕としては対話により違う生き方があるということに気付いて欲しかったんだけど、そう認識させるよりニアヒュームが持つ恨みの気持ちの方が強かったようだ。

だけどニアヒュームは旧皇帝や旧帝国民のことは好きらしいんだよな。

となると直径の末裔である真・帝国の人々には危害を加えない可能性が高い。

だが、地球人に対してはどうだろうか? それと僕には帝国人の嫁もいる。

ニアヒュームの凝り固まった復讐心は、僕の身近な人達を害する可能性が高い。

やはり襲ってくるなら戦うしかないのかもしれない。



 皇帝が医療カプセルから出て意識を取り戻し、皇帝代理だったカイルから報告を受け、カイルの政策を追認した。

それに伴い帝国の対ニアヒューム防衛体制は急速に整いつつある。

隣の銀河腕から侵攻してくる母艦級は次元レーダーの配備により水際で探知可能となる。

それらは要塞艦の次元跳躍(ワープ)能力で迎撃艦隊を運び殲滅することになった。

その際、ニアヒュームに要塞艦の高性能次元跳躍(ワープ)機関を奪われないようにマスターキーのロックシステムや自爆装置も取り付けられた。

まさに帝国の存続を賭けた戦いと位置付けられたわけだ。


 既に星系に進入しているニアヒュームも識別装置を量産し炙り出し即殲滅という方針が徹底している。

第2皇子領は担当者の1人が有機型ニアヒュームだったため検査がザルだったが、幸いな事にヘンリー(第2皇子)自身は寄生されていなかった。

(ヘンリー)は陣頭指揮を取りニアヒューム殲滅に尽力。星系の掃除を完了しつつある。

第3皇子領は有機型を含めニアヒューム汚染がひどく住民の被害も甚大だった。

自分の恋人が子がニアヒュームだと言われて、簡単に処刑出来るものではない。

庇われた有機型が暴動、破壊活動などを起こし、混乱に輪をかけることになった。

有機型1人見逃せば、その1人がエネルギープラントを暴走させ自爆テロを行うなど最悪の事態を招いた。

ニアヒュームにとって有機型は自らの勢力拡大という方針から離れた対帝国のテロリスト要員だったわけだ。

皇帝は対ニアヒュームの方針としてニアヒュームを庇うものも敵として扱うと宣言した。

そしてその見せしめとしてニアヒュームと化したイーサン(第3皇子)を庇った宰相を処刑した。

イーサンはニアヒュームの犠牲者とされ国葬になり、ニアヒュームの非道さを喧伝するプロパガンダに利用された。


 帝国は国を上げて対ニアヒューム殲滅作戦を実施することになった。

僕としては帝国の尖兵になることなく、自星系を守護し身内や配下の命を護ることを大前提にニアヒュームと戦うことにした。

もちろん要塞艦の量産など自星系の経済に寄与し対ニアヒュームに協力出来る事もやっていく。


 その裏で真・帝国でニアヒュームのコアを保護する。

ゲールの研究所からもコアを回収した。

あのマッドに自由にさせたらニアヒュームに違う意味での恨みを買いそうだからだ。

それが共有された時、真・帝国の人まで敵認定されかねない。

幸いゲールは言語解析に夢中でコアには直接メスを入れていなかった。

全てのコアが記憶を共有しているとなると危ないところだった。

そのコアを有機アンドロイドに封じ他には侵食拡散出来ないようにして、僕達人類と接し心というものを理解してもらおうと思う。

何年何百年かかるかわからないけど、それによりニアヒュームが変化することを期待したいと思う。

ニアヒュームを庇うものは敵として扱う。この皇帝の方針に反する行為をするからには、いつかは真・帝国のために敵対することになるかもしれない。

カイルや皇帝は、そんなに悪い人ではないように思える。出来れば平和裏に共存したいのだが。

皇帝の娘でカイルの実妹であるステファニーも幸せにしてあげたい。

僕が2つの帝国の架け橋になれるだろうか?


「子供作っちゃおうかな」

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