127 遠征編12 再侵攻3
ちょっと体調を崩していて更新時間が不安定になってます。
ごめんなさい。
8B星系から1光年、敵が次に次元跳躍して来る場所に僕はいた。
そこから次元レーダーにより1光年先の敵艦隊を観察する。
光学観測でないのは今見えている光が1年前のもので役に立たないからだ。
次元レーダーは次元跳躍中の敵艦隊を捉えるという機能と、時空間を超えた先の敵艦隊を捉えるという機能がある。
両者は同じようで違う機能だ。そこに高次元遷移という共通基本技術が使われているだけだ。
その次元レーダーにより1光年先の敵艦隊の動きを僕はを捉えていた。
敵艦隊は僕の質量弾攻撃により立ち往生していた。
敵の総数は母艦級20。そのうち母艦級1は消滅。母艦級4の次元跳躍装置に不具合が発生して動けなくなっているようだ。
敵は動けなくなった母艦級から搭載艦を出し、なんとか運ぼうとしている形跡がある。
破損した母艦級の修理が行われているかどうかは次元レーダーではよく解らなかった。
戦力集中の概念が機械生命体にあるのかどうかわからないが、修理で侵攻が遅くなってくれれば僕の狙い通りというところだ。
敵が動けば次元レーダーで次元跳躍の軌道がトレースできる。
しかも敵は1光年の次元跳躍で8時間かかるため時間的余裕もある。
僕は敵が次に次元跳躍するためのエネルギー充填時間の16時間を使って睡眠や休憩を取っていた。
しかし今その16時間を越えても敵は次元跳躍に入らなかった。
僕の第一次攻撃は敵の侵攻を遅らせることに成功したようだ。
しかし困るのは敵がいつ動き出すのか観察し続けなければならないことだ。
敵も学習しただろうから質量弾対策をして来るだろう。
そうなると機械的な正確さによる次元跳躍地点の予測からして外されてくるはずだ。
既に敵が次元跳躍に入る予測時間が外された。
何が起こるかわからない。
僕は睡眠から覚める。眠っているうちに敵が動いたのだ。
敵は損傷した母艦級と搭載艦を残し次元跳躍に入った。
次元レーダーの次元跳躍トレースによると母艦級15は別々の目標に向け次元跳躍していた。
次元跳躍アウト地点を予測されたことに気づいて対策を行なったのだろう。
だが僕には敵の次元跳躍時間である8時間の猶予と瞬間移動レベルの高速次元跳躍がある。
戦力を分散したのは失策だと思い知らせてやろう。
敵が突然次元跳躍アウトした。
まだ4時間しか経っていない。つまり0.5光年しか移動していないのだろう。
その数、母艦級4。敵は搭載艦を放出すると再次元跳躍に入った。
その方向は進行方向から逆だ。
わかった。損傷した母艦級の搭載艦をピストン輸送する気だ。
0,5光年進んで0.5光年戻り1日。1光年進んで1日。0.5光年戻って0.5光年進んで1日。
つまり1光年を搭載艦✕2で移動するのに3日かかる。
1光年進んで1光年戻り1光年進んでも同じだと思うのに、なぜ0.5光年だったのか良くわからない。
もしかして1光年先の待ち伏せを警戒したのか?
だが、この手を使えば5日後には母艦級15の搭載艦75万が8B星系に到着する。
さらにその1日後には20万の増援が来る。
皇帝の主力艦隊到着まであと5日。それまで8B星系の防衛力が丸裸状態だと敵は知らないのだろう。
知っていれば20万の増援を捨ててでも2日で75万を到着させた方が有利だったはずだ。
戦力の集中に拘り進行速度の有利を捨てたのだろう。
でなければ無傷の母艦級15で昨日にも侵攻を続けたはずだ。
つまり質量弾攻撃が敵を慎重にし進行速度を落とすことが出来たのだ。
皇帝の主力艦隊は決戦に間に合いそうだ。
だが、僕もこのまま手を拱いているわけではない。
敵が分散したなら現有戦力でも叩ける。
僕は次元レーダーで次元跳躍をトレース。
敵母艦級の次元跳躍アウトの瞬間を狙う。
搭載艦を出撃させてない母艦級なんて1:1の戦闘だから負ける気がしない。
心置きなく反物質粒子砲をぶち込んでやる。
こちらが敵の次元跳躍に合わせて次元跳躍出来るとは思ってないだろう。
次元レーダーと次元跳躍加速装置様々だ。
次元レーダーに敵母艦級次元跳躍アウトの兆候が現れる。
僕はその出現地点に専用艦を次元跳躍させる。
敵侵攻方向から垂直下方の俯瞰位置に次元跳躍アウトする。
いつも真上だと敵に予測されるからね。
僕は反物質粒子砲をスタンバイし敵母艦級の出現を待つ。
敵母艦級が次元跳躍アウトする。
照準のど真ん中だ。僕がトリガーを引くと敵母艦級は爆散した。
続けて次の敵母艦級の出現位置へ次元跳躍を――と思ったら次元跳躍不能だった。
そういや次元跳躍のエネルギー源である対消滅反応炉の反物質を大量に使ってしまったばかりだった。
反物質粒子砲と次元跳躍の連続使用は不可能。この制限があることは肝に銘じておこう。
それでも10分も経たずに次元跳躍可能になった。
次元格納庫に2つ目の対消滅反応炉があるおかげだろう。
だが、他の敵母艦級は次元跳躍アウトした後だった。
次元跳躍アウトした敵母艦級は搭載艦を出撃させ周囲を警戒していた。
連続使用の制限が発覚した以上、そこへ単艦で飛び込むのはリスクが高すぎる。
この後僕はピストン輸送している方の敵母艦級1を反物質粒子砲で仕留め遅滞戦闘を終了し8B星系に帰還した。
敵はタイミングを合わせて母艦級13の搭載艦65万の戦力で8B星系に攻めてくるはずだ。
1日遅れての増援は15万。残り5万は早くて2日後の到着だろう。
皇帝の主力艦隊の総数は120万艦だという。負けはしないだろう。
「僕の仕事はこれで終わりでいいよね?」
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ありがたやありがたや。
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