097 領主編9 領地経営4 星系探査2
編集がなぜか反映されなくて原稿が前に戻るという現象を繰り返してしまい遅くなりました。
謎です。
「来たよー♡」
「おう、来たかー」
楓がアノイ要塞に来た。
防衛艦隊に迎撃されないように次元跳躍門手前の亜空間から次元通信で星系侵入申請を出すという正規ルートでの訪問だ。
真・帝国の艦には地球艦隊所属としての識別信号を割り振ったのでレーダーには味方で表示される。
「とりあえず楓の専用艦は改装でドック入りね」
「えー! 海洋リゾート惑星は?」
「ちょっとお兄ちゃんの仕事を手伝ってくれたら連れて行くよ」
「ちょっとだよ?」
「うん。超遠ね」
「いま視線泳がせたでしょ? 怪しい……」
(許せ妹よ。後で本当に連れて行くから)
楓の専用艦をアノイ4軌道の工場母艦に連れて行きドック入りさせる。
改装前の諸元は以下。
『KAEDE』
艦種 戦艦
艦体 全長1km 戦艦型 4腕
主機 対消滅反応炉D型 高速推進機C型
兵装 主砲 長砲身40cmレールガン単装1基1門 通常弾 80/80
副砲 40cm粒子ビーム砲連装3基6門
対宙砲 10cmレーザー単装8基8門
ミサイル発射管 C型標準4基4門 最大弾数2×4 ミサイル残弾 8
防御 耐ビームコーティング多重特殊鋼装甲板
ビームキャンセラー(対ビームバリヤー)
耐実体弾耐ビーム盾C型 2
停滞フィールド(対実体弾バリヤー)B型
電子兵装 対艦レーダーA型 通信機A型
空きエネルギースロット 0
状態 良好
改装後の諸元は以下。
『KAEDE』
艦種 戦艦
艦体 全長1km 戦艦型 4腕
主機 対消滅反応炉D型 高速推進機C型 次元跳躍機関
兵装 主砲 長砲身40cmレールガン単装1基1門 通常弾 80/80
副砲 40cm粒子ビーム砲連装3基6門
対宙砲 10cmレーザー単装8基8門
ミサイル発射管 なし
防御 耐ビームコーティング多重特殊鋼装甲板
ビームキャンセラー(対ビームバリヤー)
耐実体弾耐ビーム盾C型 2
停滞フィールド(対実体弾バリヤー)B型
次元フィールド発生装置
電子兵装 対艦レーダーA型 通信機A型 サブ電脳D型
空きエネルギースロット 0
状態 良好
ミサイル発射管と次発装填装置を全廃して次元フィールド発生装置を設置。
格納庫にサブ電脳と次元跳躍機関を増設し次元跳躍対応に改装する。
エネルギースロットは武装と共有し、次元跳躍機関と次元フィールド発生装置の使用中は、次元跳躍機関と次元フィールド発生装置にエネルギーを供給するため武装は使えない。
つまりどちらかが使用中なら、もう片方へはエネルギーが供給されず使えなくなるということだ。
ちなみに晶羅の専用艦の次元跳躍機関対応後の諸元は以下。
『AKIRA』
艦種 艦隊指揮艦(艦隊旗艦)
艦体 全長250m 高速巡洋艦型+α 2腕 次元格納庫S型 (ステルス艦 1 艦載機『ふぁんねる』1 外部反応炉 外部兵装 外部電脳 予備部品多数)
主機 対消滅反応炉G型(+外部反応炉 対消滅D型) 高速推進機C型 (+次元跳躍機関)
兵装 主砲 長砲身5cmレールガン単装3基3門 通常弾 2537/∞ 特殊弾 488/∞ 特殊弾 1345/∞ 特殊弾 198/∞
(外部兵装 長砲身40cmレールガン単装1基1門 通常弾 88/∞ 特殊弾 12/∞ 他)
副砲 30cm粒子ビーム砲単装1基1門
20cm粒子ビーム砲単装1基1門
対宙砲 10cmレーザー単装4基4門
ミサイル発射管 D型標準2基2門 最大弾数4×2 ミサイル残弾 8
(艦載機用ミサイル D型標準2基×1 最大弾数4×2×1 ミサイル残弾 8)
防御 耐ビームコーティング多重特殊鋼装甲板
ビームキャンセラー(対ビームバリヤー)
耐実体弾耐ビーム盾E型 1
停滞フィールド(対実体弾バリヤー)C型
次元フィールド発生装置
電子兵装 対艦レーダーS型 広域通信機S型 戦術兵器統合制御システムS型 サブ電脳C型 (外部電脳A型)
空きエネルギースロット 7
状態 良好
長砲身5cmレールガンを3基3門に増設したのと、外部兵装の長砲身40cmレールガンに跳躍弾が装備されたことは既出。
艦載機用ミサイルの搭載補充装置を次元格納庫へ移動し、空いた艦内に次元フィールド発生装置を設置。
サブ電脳を次元跳躍機関対応で高性能化。次元跳躍装置は次元格納庫に設置し次元跳躍対応になった。
この次元格納庫に設置されていた専用艦の装備が外部艦体として組み上がっていることは、この時僕はまだ気付いていなかった。
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次元跳躍機関と電脳、次元フィールド発生装置の次元跳躍装備基本セットを準備しての融合は、艦体の拡大などの大工事が無かったため、2日という短い期間で終了した。
「どうだ楓、お前の専用艦に次元跳躍機関を搭載したぞ」
「それは凄いんだけど、そんなの必要なの?」
「真・帝国から直接アノイ衛星に来れるぞ。今は次元跳躍門をいくつ経由してる?」
「それは便利かも……」
「だろ。よし試験航行するぞ。お兄ちゃんも一緒だから安心しろ」
「んーー。怪しいなぁ」
僕は楓を星系探査に引きずり出すことに成功した。
僕と楓はカプリース星系を目指した。
楓の専用艦は試験航行なので僕の専用艦からコントロールする。
VR画面に次元跳躍コントロール画面が表示される。
そこに楓艦のコントロールも同調させる。
音声入力で「カプリース」を指定し星系図を呼び出す。
有人惑星であるカプリース3を掴んで座標セット。
次元跳躍シーケンスを開始する。
「楓、カプリース星系へ行く。次元跳躍シーケンス開始」
「わかった。お兄ちゃん」
僕と楓の艦が次元フィールドに包まれ七色の光を発する。
カウントゼロで光が膨張し一瞬で消える。
次元跳躍に入ったのだ。次元フィールドに守られ次元連続面を越える。
体感時間1分で目の前の光の繭が消え次元跳躍アウト。
そこはカプリース関系惑星カプリース3の衛星軌道だった。
「楓、大丈夫だった?」
「気持ち悪い……」
楓に次元跳躍酔いはあったものの次元跳躍は成功した。
「これからどうするの? お兄ちゃん」
「隣の星系に行く。ここから13光年離れた……あそこだ」
僕は専用艦の艦首を隣の星系の主星に向けて楓に示した。
そこからは艦の観測装置を使っての星系座標の算出作業だった。
変な場所に次元跳躍アウトして恒星の中とか勘弁して欲しいからね。
「まず12光年詰めて1光年の位置から再観測する。そして惑星と重ならないように星系内に次元跳躍だ」
「小さな小惑星ぐらいは次元の間に落ちて入れ替われるんでしょ? そこまで安全策が必要なの?」
「楓がいるからな。安全第一で守るのが当然だろ」
「っ!! もうお兄ちゃんったら♡」
無理やり連れて来て怒っていた楓の機嫌がなぜか良くなった。
「よし、次元跳躍後安全確認して再次元跳躍する。連続次元跳躍だ」
「わかった」
二度目の次元跳躍は自動観測の結果で自動座標修正する。
次元跳躍が開けたらそこは未知の星系だ。
「連続次元跳躍開始!」
僕達は未知の星系へ探査に向かった。
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