予備って大切ですよねっ
ついに、立川さんが料理を作ってくれるっぽいです。
かなり掃除に時間をとられてしまいましたが、今日のメインは料理ですからね。
いったい何を作ってくれるのでしょうか。
結構できるっぽいことをいっていましたが本当に上手いんですかね?
実は口だけだったりして。
もし、そうだったら笑っちゃうかもしれませんね。
いえ、やっぱ笑うのはなしです。
掃除してもらった恩がありますからね。
「材料は買ってきたけど、調味料は持ってきてないんだよね。鈴森さん、調味料って持ってる?」
「調味料くらいありまよっ。まぁ料理はしないですけど…。扉の中に入れてありますよー。」
調味料の場所を教えてあげると、なぜか立川さんは驚いた表情になりました。
私は何もしてないはず……
してないよね?
「本当に鈴森さんって料理しないの?」
「しませんよ?」
「じゃあなんでこんなに調味料があるの……。塩なんて三種類もあるし……。」
「いつか使うかなーって思って買っちゃいました。」
「そっか……。」
ついつい買っちゃうんですよねー。
なんとなく、もしかしたら使うかもって思って。
因みにほとんど未開封です!
今、立川さんに場所を聞かれるまでちょっと存在を忘れてました。
「じゃ、作るねー。鈴森さんはテレビでも見ながら待っててー」
「はい!あっちで待ってるんでできたら呼んでください」
何かを炒める音が聞こえてきますねー。
まさか私の家で料理を炒める音を聞けるようになるとは。
あぁ、いい匂いがしてきますね。
さっき、こっそり作ってる所を覗いてきたんですけど、めっちゃ慣れた手つきで炒めてましたね。
プロって感じです。
料理もできて掃除もできて本当に完璧ですね、定期的に掃除にきてほしいくらいです!
「できたよー。」
おっ、完成したっぽいですね。
何を作ったのか楽しみです。
さっき覗いた時は肉とピーマンと人参を炒めてました。
その後に片栗粉を水で溶かしてましたね。
キッチンに着くとそこにはめっちゃくちゃ美味しそうなチンジャオロースがありました。
「以外と調味料がそろってたからねちょっと頑張ってみた。わりと自信作だよ」
「じゃ、さっそく食べましょう!」
「あ、箸持ってくるの忘れた…」
「大丈夫ですよ!箸もたくさんありますから!」
「料理しないのに調味料多いし、誰も家に呼ばないのに箸も多いし鈴森さんはホント謎だね……。
まぁ、箸は助かったし、ありがとう」
「いえいえっ!もう買ってから一回も使わず放置してたんで、使うことができてよかったですっ。」
むしろやっと使うことができるってかんじですね。
感謝ですっ!
昔、もしかしたら家に人をよぶ日がくるかもしれないと思い買ってしまった箸たち計六本……。
やっとあのときの箸を使うことができるんですねっ。
お米もよそい終わったのでそろそろ食べましょう。
「いただきますっ!」
「いただきます。」
何これ美味し過ぎですよっ!
ヤバイですね、ご飯がめっちゃすすみます!
「まさかこんな美味しいものを自宅で食べれるとは…。
こんな美味しい料理を作ってくれて本当にありがとうございますっ!」
「そう言ってもらえると嬉しいね。調味料がかなりそろってて作るのが結構楽しかったよ。」
「よかったらまた、料理を作りに来てもらえませんかっ?」
「料理を作りにくるのはいいんだけど、もう掃除はしたくないな。鈴森さんがちゃんと一人で掃除できるようになったら作りに来てあげるよ。」
「うぅ……。善処します……。」
なかなか、厳しいですね……。