やっぱりできる人に任せるのが一番ですねっ
やばいやばいやばいやばいやばいやばいやばい………。
「おっ、おはようございます……。」
「…………。」
昨日掃除の途中で寝ちゃって、私の部屋はまったく片付いていません。
いつもだったら必ず挨拶を返してくれる立川さんも、部屋の状態を見て無言になってしまいました……。
ていうか、めっちゃ引いてます。
あーもうなんでなんで掃除の途中で寝ちゃったんでですかっ私。
少し掃除したといっても元がヒドイ感じだっだので、もちろん今も散らかりまくってます。
早くこの状況を何とかしなくては。
立川さんは固まっちゃってます。
「あ、あの少し…時間をもらってもいいですか?」
「鈴森さんこれは少しの時間じゃどうにもならないよ……。きっとあんまり綺麗ではないと思ってたけど、まさかこんなにヒドイとは…」
さすが立川さんですね。
私の部屋が汚いというのは予想してたそうです。
しかし、なかなか傷つきますね。
でも、実際そうなので言い返せません……。
「すいません。少し片付けてくるのでちょっと待っててもらってもいいですか?」
「いや、俺も手伝うよ。鈴森さんだけだと絶対に片付かなさそうだしね。」
「うう。ヒドイです。少し悲しくなってきました。」
「でも事実じゃん。ほら、さっさと片付けてご飯作ろう?」
「はい…。」
結局立川さんに掃除を手伝って貰うことになってしまいました。
立川さんはとてもてきぱきと動き、ゴミを捨て物を整理し片付けてくれました。
その姿はまるで掃除のプロのような感じでした。
きっと、立川さんの家はとても整理整頓されていて綺麗なのでしょう。
「鈴森さん、これいらないよね。捨てるよ?」
「いや、でももしかしたらいつか使うかもしれません。一応とっておきましょう。」
「いらないよね?」
「で、でも……」
「いらないよね?」
「……はい。」
私の部屋が散らかっていく理由の一つになかなか物を捨てられないというのがあるのですが、立川さんはまったく迷わずいらない物をガンガン捨てていきます。
あぁ、ティッシュペーパの空いた箱が捨てられていく……。
いつか使うかもしれないのに……。
一時間ほどすると私の部屋はまるで違う部屋のように綺麗になっていました。
あぁ、私の部屋ってこんなに広かったんですねっ。
とりあえず足の踏み場さえあればいいといった感じだった空間が、広々としたリラックスできる空間に変わっていました。
「ま、こんなもんかな。こんなに掃除のしがいのある部屋は初めてだったよ。もう汚さないようにね。といっても鈴森さんに無理か。」
「私だって一人で掃除くらいできますよっ。」
「それが出来ないからあんな状態になってたんじゃない。」
「うっ。それはそうかもです…。」
「じゃあ、掃除も終わったしそろそろ昼御飯作ろうか。」
「何を作ってくれるんですか?」
「秘密。作ってるとこでも見ながら当ててみな。」
そう言って立川さんはキッチンへと旅立っていきました。