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4 運送ルート確立

4 運送ルート確立



「高い・・・」


商業ギルドで地図の値段を聞いて正直高い! と思いました。

20000ペレは無いと思うよ!


隣でディーは言っただろうという顔をしている。


チクショウ!


「みんなこんなに高いのに地図買うんですか?」


「いいえ、皆さん御自分で作ってらっしやいますよ。」


作る?


首を傾げたわたしに受付のお姉さんは説明してくれた。


「ギルドの資料室にこの地方の大まかな地図がございますので皆さんそれを劣化防止の魔方陣の入った羊皮紙に書き取り御自分で作ってらっしやいますよ、この地図はこの大陸全土の地図ですので一般の方には大きすぎるようです。」


「成る程、よく解りました。その地図を見るのに料金はかかりますか?」


「いいえ、壁に掛かってますので御自由にどうぞ。」


わたしはお姉さんにお礼を言って二階の資料室に行った。地図は正面の壁に掛かっていた。


「これ織物?」


タペストリーのような地図というか芸術品のようなそれにちょっとびっくりした。


「へー、これ地図だったんだ。」


繁々とディーがタペストリーを眺めている。


おい、知らなかったのかよ!?


色々突っ込み所があったけどまぁ、おいといて地図をうつさなきゃ。


久しぶりにストレージからリュックを出す。


スマホで写真を撮るか、手帳に描くかちょっと悩んだが手帳に描き移すことにした。


南に海、それ以外は山に囲まれ、北の山からレチ川が流れ、川の右側に北から順に


ドラン→ネイシャ→サーザン→クワエで


ネイシャ→川向オサカ


オサカ→北にヨーキ

オサカ→北西にルル

オサカ→南西にミナガ→川を越えてクワエ


クワエ→北東ウキナ→北にテクヨ→南下してドラン


テクヨからレチ山峠を越えると他領だ。


クワエから東廻りで


ウキナ→テクヨ→ドラン→ネイシャ→オサカ→ヨーキ→ルル→オサカ→ミナガ→クワエ


の運送ルートかな?


とっとと写し終わったら次はクエストの確認だ。

今日は6月16日だから


・配送依頼 ウキナギルドへ


・海産物 10kg 1個 1万ペレ (状態保持の手段をお持ちの方のみ)7月1日迄に到着

・塩 100kg 6個 6万ペレ 6月25日迄に到着

・郵便物 約5kg 1個 5千ペレ 7月1日迄に到着



・配送依頼 テクヨギルドへ


・海産物 10kg 1個 1万ペレ (状態保持の手段をお持ちの方のみ)7月15日迄に到着

・塩 100kg 6個 6万ペレ 7月10日迄に到着

・郵便物 約5kg 1個 5千ペレ 7月15日迄に到着



・配送依頼 ミナガギルドへ


・海産物 10kg 1個 1万ペレ (状態保持の手段をお持ちの方のみ) 7月1日迄に到着

・塩 100kg 6個 6万ペレ 6月25日迄に到着

・郵便物 約5kg 1個 5千ペレ 7月1日迄に到着



といった物しかなかった。


「少ないね。」


「そうだな。」


掲示板を見てショボンとしていると隣の納品依頼の掲示板を見ていたお兄さんが


「クワエはレチ川を使った運送が盛んだから配送依頼は少ないんだ。それにウキナ方面の東回りやミナガ方面の西回りといったようなルートは定期輸送便が出るのに合わせて皆配送依頼を持ち込むんだ。それの方が配送代が安いからね。」


「そうなんですか、教えて頂いてありがとうございます。」


わたしがお礼を言うもお兄さんは掲示板を凝視しながら世間話しの気安さで話し掛けてくれたようだ。


「いいえ、どういたしまして。君は独り立ちしたばかりなのかな?」


チラリとわたしとディーを見比べてからわたしにそう言った。


「わかりますか? 色々まだ馴れないものでして。」


「そう、大変だろうけど頑張ってね。」


お兄さんはそう言って掲示板の依頼票を剥がすとカウンターに行ってしまった。


「わたし達も依頼を受けようか、割りが良いのは塩の配送だけど日にち的にどう?」


「今日これからか、明日の朝に出ても日数的には大丈夫だがウキナ迄は騎獣を使っても4日かかる、途中野営するしかないんだが大丈夫か?」


「この前みたいに賊に襲われる?」


「無くはないが、定期輸送ルートだから余程の事がないと賊は出ない。が獣に襲われる事がある。」


やっぱり街を出ると日本みたいに治安が良いわけじゃないんだな。だけどやらねば生活費は稼げん!


「ディー、いざとなったらわたしを抱えて逃げれる?」


「まぁ、獣避けの香なんかもあるし逃げるだけなら何とかなると思う。」


「じゃあ野営の準備して明日の朝出発ね。」


わたしはそう言って掲示板の依頼票をひっぺがした。




翌日6月17日早朝わたし達は騎獣でクワエの街を出発した。

結局クワエのギルドでウキナとテクヨの依頼をまるっと押し付けられた。

なんでも、『多少遅れてもいいから!』『実入りが少なくて行く物好きいないのよ!』という事だった。


何だかな~


クワエからレチ川の支流を越え北東に向かい森の間を切り開いた街道を約4日進むとウキナにつく、らしい。

だってわたし行ったこと無いんだもん、らしいとしか言えないじゃん。


ディーの予定では今日はレチ川の支流の手前まで進み野営の予定だそうだ。

川を越えるのは渡し舟だって! 騎獣もちゃんと乗れるらしい。ちょっと楽しみ。


レチ川と支流の間は広大な三角州になっていてこの地方の穀倉地帯となっているそうだ。何10年かに一度大雨により水没したりするが、肥沃な土地だそうだ。


まだ青い麦畑を左手に見ながら騎獣は軽快に走りその日は予定通りレチ川支流の手前で野営をした。


翌日6月18日レチ川支流を渡り東の森の浅い場所で二日目の野営となった。


渡し舟はね~ 舟ではないですって。川のこっちから向こうにぶっとい綱が2本架けてあってそこの間を箱に載って行き来するのね。

あれだ、日本にもある〈野猿〉だ。昔のロープウェイ。人力の。

えぇ、手繰りましたよ。ディーがね。だってわたし非力ですから(笑)








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