15 魔法と魔方陣とC言語?
15 魔法と魔方陣とC言語
「ディー、魔法だよ! マ・ホ・ウ! 楽しみだよね~」
ウキウキわくわく小走りに隊長さん達の後をついて行く。
「わかったから、これから皆さん仕事なんだから少し落ち着け。」
「お嬢ちゃん魔法がそんなに珍しいの?」
「はい! 初めて見るんです!」
「うちの魔法は見ごたえがあるよ。」
「どんなのなんですか?」
「混合魔方陣を使うんだ。魔力も相当込めるから最低でも中級クラスの魔術師が5人は必要なんだよ。」
「今回は土魔法、錬金術、付与魔法の内の状態保存魔法、不破壊魔法だったかな?」
「つまり、土魔法で土砂を動かしてその土砂を錬金術で形質変えてトンネルにしても崩れないように状態保存して壊れないように不破壊魔法をかける、って事ですか?」
「・・・そうだけど、お嬢ちゃん魔法見るの初めてなんだよね?」
「はい、そうですけど?」
「ライアン! お喋りはその辺にして準備始めろ!」
「! はい!」
チャラいお兄さんことライアンさんは隊長さんに怒鳴られてスタコラと準備を始めている人達の所へ戻った。
「これから先はお喋りは無しだ。静かにするように。」
「はい。」
テクヨ側の現場に着くと5人が何やら土砂の前に設営している。
マイクスタンド? 否、三脚?みたいなものかな。銀色の主柱を3本の銀色の足が支えている形だ。其々の足から長いコードが延びている。
その天辺にソフトボール位の水晶球が置かれた。
「準備出来ました。」
足から延びたコードの端は銀色のグリップになっていて3人がそれぞれ持っている。
「よし!『開始』」
隊長さんの声と共に水晶球が光始めた。
光った水晶球は映写機のように空中に金色の文字を描き出す。
《#include <stdio.h>
int main()
… …… ………… …………… ………… ………
………… …… ……………… …… … ………… …
…… … …… ……… ……… ………… … ………
…… …… ………… ……………… ……… … ……
……………… ……… … ………… …… ………… …
… ……… …… …………… …………… ………… …
:
:
:
:
… ……… ………… … … … ……… … … 》
金の文字が物凄い速さでスクロールしていく。
わたしが把握出来たのは最初の二行だけ、それですらよく見分けたなと思うぐらいの速さだった。
金色の文字はスクロールを続け流れた端から文字が解け光の帯となり空中に複雑な図形を構築していく。
あぁ、これが魔方陣なんだ・・・
そして最初に現れたら文字
"#include <stdio.h>"
この文字はわたしにも見覚えがあった。
全く解らない謎の言語、これはコンピューターのプログラミングをする人にしか用の無い言語。
「C言語」
これをわたしに見せてくれた人はプログラムを動かすのに必要な「おまじない」と言っていた。
まさか異世界でお目にかかる事になろうとは思わなかったけど。
綺羅綺羅と輝く光の帯が直径10mはあろうかと思われる巨大な魔方陣を描き終わると銀色のグリップを持っていた3人は待機していた残りの3人と交代する。
「『起動』」
隊長さんの宣言のもと輝きを一瞬増した魔方陣は土砂を巻き込んで回転し始めた。
ガゴン
一回の動きはに15゜づつ、時計の針が12から1に動くかのように重低音を鳴らして回転する。1つ動く毎に1mづつ魔方陣は進む。
ガゴン
魔方陣は淡く金色に輝いて辺りを照す。動く毎に金色の魔力の残滓が空中に舞う。
物凄く幻想的な光景だ。
「・・・凄い・・・」
魔方陣が進むと土砂は解体され煉瓦のように再構築されその一つ一つがトンネルの Ω な形になり壁になる。
そして魔方陣が進んだ後にはわたし達が今いるトンネルと寸分たがわぬトンネルが出来上がっていくのだ。
魔方陣は1回転約12分、12mの距離のトンネルを生成していった。
彼等は黙々と魔方陣を起動させ続け約13時間後テクヨ側のトンネルと連結させた。
途中食事や仮眠等の休憩を入れてはいたが本当にお疲れ様でした。
テクヨ側の他のトンネルが破損していないか安全確認が成された後イソガルさん一行はテクヨに向けて出発していった。
それを見送った隊長さんはわたし達に向き直ると
「ではあなた達は此方へ来ていただきましょう。」
と有無を言わせぬ強引さで、わたし達を(騎獣含めて)どこ〇〇ドアの中に押し込んだ。
異を唱えそうになったディーに首を横に振って止めさせる。
それこそわたしだって、えー? ナゼこうなった? と思うこともあるんだがあちらさん(隊長さん)も色々問い質したいことがあるんだと思う。
どこ〇〇ドアを抜けるとそこはどこかの建物の中の円形のホールだった。ホールの真ん中に同じ様に円形のカウンターがあり受付嬢のような人が数人待機していた。ホールの壁にはズラリとドアが並んでいる。
自分が出てきたところが分からなくなりそう、これちょっとした迷路だよね。
受付嬢の一人がこちらに気がついて声をかけてきた。
「おかえりなさい伊佐山隊長、ちょっとなに騎獣まで連れて来てんですか! 騎獣舎に連れてってくださいよ!」
「ウチのじゃない、客の騎獣だ。第一会議室開けてくれ。あとターニャ様に来てくれるよう連絡してくれ。」
隊長さんの所業にプンスカしつつも
「了解、騎獣はこちらで預かりますね。はいコレ預かり札です。」
と受付嬢はディーから手綱を受けとりわたしに番号札を渡してくれた。
「君達はこちらだ。」
隊長さんは今居る扉の右側2つ隣の扉を開け中に入るように誘われた。
中は本当に会議室だった。ホワイトボードに長テーブル折り畳みイス。どこの会社だよ!
「座ってくれ。」
折り畳みイスを二脚渡された。わたしはディーと自分の分のイスを広げると座った。ディーにも座ってと指示する。
華奢に見えるイスにディーは恐る恐るそぉっと座った。
座ったわたし達を確認すると隊長さんはおもむろに口を開いた。
『君は日本人でありながら、何故奴隷を連れている。君は倫理観と言うものを忘れたのか。』
日本語でわたしを睨みながらそう詰問された。
はい、爆弾落とされました。
皆さまお暑うございます。いかがお過ごしですか?熱中症にはお気を付け下さいね。
オリンピック始まりましたね~
わたし女子レスリングの吉田沙保里さんのファンです!!
TVで拝見しているととってもキュートでチャーミングな女性ですよね!
そして強い‼ 期待されている分プレッシャーとか大変そうですが頑張って欲しいですね!
本文とは全然関係ない話でゴメンなさい
( ´_ゝ`)ゞ
頑張れニッポン!
ヾ(●´Д`●)ノ゛




