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三
高校時代について思い出せることはほとんどない。精神錯乱を起こしていたせいだと思う。僕は就学も就職もせずに何のアテもなく卒業してしまった。
卒業してから一ヶ月、僕の家は僕みたいな人間を一匹飼っておけるほど余裕がないのでアルバイトを始めることにした。コンビニで求人情報誌をもとめ、気になったところに赤ペンでマルを付ける。
結局、駅前にある書店で働くことにした。僕は電話で面接の予約をして、当日まで酒を呑んで過ごした。面接当日もビールを二本飲んでから向かった。
一発合格、僕は来月の頭から働くことになった。