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愛と嘘(3)

パーティーを後にして私は服を着替えて車を走らせた。

バックミラーを確認する。

一台の黒い車が私の後をつけていた。

私は車を宿泊しているホテルに止めた。

そして、部屋に入りしばらく様子をうかがった。

すると、ドア越しに引き金を引く音が聞こえる。

私はワインを取りに行った。

私がワインを手にした瞬間、ドアが開き、男が二人入ってきた。

私はグラスを二つだしワインを注ぐ

どうやら男達は私を見つけたらしい。その証拠に銃口を向けている。

「いらっしゃい。ワインはいかが。」

私は微笑んで彼らにグラスを掲げた。

そして、グラスを置いてカウンターの下の銃を取った。

「いらないの?それは残念。」

その瞬間、私は右側の男を射殺した。そして、左側の男の足を撃ち、男の銃を蹴飛ばした。

そして、こめかみに銃を突きつけて聞いた。

「誰から命令されたの?」

「・・・・。」

「答えなさい。次は腕よ・・・。」

私はもう一つ銃を出して男の腕に銃を突きつけた。

男はがくがく震えながら口を開いたそのときだった。

彼は頭を銃で打ち抜かれたのだった。

私はすぐさまカウンターに身を隠した。

私はそっと窓を覗いたがその先には狙撃者の姿はなかった。

やはり、彼は私を殺そうとしているのか・・・。

一体誰が・・・。

私は受話器を取った。

「マティス、どうだった?居場所はわかった?・・・・・そう・・・・。わかったわ。ありがとう感謝するわ。」

私は受話器を置いてホテルを後にした。


翌日 朝

私はスポーツ用品店に足を運んだ。

ひさしぶりに訪れた場所だった。そして、私は品物には目もくれずカウンターに行った。

カウンターには100キロ以上はありそうな巨漢の男が客を見張っていた。

私はカウンターに上半身を乗り出して、巨漢男を上目遣いで口を開いた。

「フレディー マーズはいる?」

男はとても残念そうな顔をしてちょっと待ってな。と言って店の奥に引っ込んでしまった。

しばらくして、他の男が姿を現した。背の高い、ハンサムな水も滴るいい男だった。

私は彼を見て微笑んで頬にキスをした。

彼はとてもおどろいてはいるがとても嬉しそうに私を抱きしめた。

彼がフレディー マーズ。私が知っている男のなかで一番美しい男。

フレディーは私を店の奥に通してくれた。

そして、コーヒーを出してくれた。

「相変わらずの生活をしてるの?」

私はコーヒーを飲みながら尋ねた。

すると、彼は苦笑交じりに言った。

「君と組んでた時ほどのことはしてないよ。まじめにここで仕事してるよ。たまに他でもやってるけどね。」

「そう。」

「しかし、それにして生きていたなんて・・・。」

「おどろいた?」

「ああ、どんなに調べても。死んだとしか聞かなかったから・・・。でも、生きててくれてうれしいよ。」

「ありがとう。でも、今は死んだも同然の状態。私、囚人なの。」

「刑務所に?脱獄してきたの?」

「ええ、私は死刑級の殺人犯よ、刑務所に入れば二度と出られないもの。」

「判決はどうだったの?」

「司法取引したから、終身刑・・・。」

「でも、どうして・・・。なにか目的があるから出てきたの?」

「今の私がやることは一つしかないわ・・・。」

「まさか・・・。」

「もう、テリーは殺したわ。」

「本気で全員やるのか?」

「ええ、そうよ。だからあなたに協力してほしいの。情報力のよさはあなたが一番だから。」

「まってくれ・・・・。相手が悪すぎる。例えロバートにしてもむりだ・・・。」

「いいえ、出来なくないわ。私がいるもの。」

「それは、君は天才的な技量を持っているが、いくらなんでも・・・。」

彼の表情は曇りに曇っていた。

私は彼の手を取って、彼の目を真っ直ぐに見て

「お願い!私はあいつらに死んでもおかしくないようなリンチを長い間受けつづけてその挙句に娘達を目の前で撃ち殺されたのよ。そんな仕打ちを受けてみすみす指をくわえて刑務所にいれるとおもう?私はそんなこと出来ないわ!お願い。協力してほしいの。私達はどんな困難な仕事もこなしてきた二人よ。できないことはないわ。お願い私に力を貸して。」

「考えさせてくれ。事が大きすぎる。下手したら俺だって身の破滅だ・・・。」

「その通りよ。考えてから返事を頂戴。返事はマティスに教えてくれればいいわ。」

「それじゃあね。」

「あぁ、Maria。」

席を立って彼の前を去ろうとしたときだった。私は振り返った。

「Maria。もし、これが達成できたら。その先はどうするの?」

私は俯いた。

「わからない・・・。でも、今私がここにいる理由はこれしかないの。それ以外には死しかない。死んだように生きるぐらいなら、復讐の鬼になって死ぬ方がましだわ。じゃあね。」

私は颯爽と彼の元を後にした。

部屋をでると巨漢の男が立っていた。男はいやらしい笑いを浮かべて私の元によってきた。

「新顔かい。あいつ仕事減らしてるって言ってたのにな。ネイチャン俺に頼めよ。俺だったらあいつみたいにぼったりしないぜ。一回300ドルとサービスしてくれりゃあ、どんな仕事だって受けてやるぜ。いいはなしだろ。ネイチャンだったらただでもいいぜ。」

そういって、男は私に手を回してきた。

私は男の手を払いのけて裏口を出た。

すると、男は私を追いかけてきた。私は肩に触れようとした男の額に銃を突きつけた。

「いいかげんにしなさい。これ以上近づくと殺すわよ・・・。」

「わっ・・・。わるかったよ・・・。ゆっ・・・許してくれ。」

「いいわね。この世界甘く見ないで頂戴。」

私は銃をしまって、その場を後にした。さあ、彼のところに行かなくては・・・。



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