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愛と嘘(2)

Mariaの復讐リスト

一人目<完了>

二人目<完了>

三人目ロバート<接触成功>

私が知っている彼だったらこんな時どういう反応をしたか。

多分、いや、必ず。

不快な顔をして席を立つだろう。

君の顔なんか見たくない! なんて言って。

でも、目の前にいる彼はそんな行動を取ることはなかった。

目の前には何もいないというようなそぶり。

本当にあのロバートなのだろうか。

私が絶句している時に彼がまた独り言のように口を開いた。

「ご用件は?」

あっさりと何も問いただすことなく尋ねる。

昔の彼ならこんなことは・・・。私は気を取り直す。

「あのことを謝りたくて・・・。」

「あのこと?さて、どんなことだか??」

彼はあっさりと冷たく答える。

「変わったわね・・・。あなた・・・。」

私は悲しそうに、呟くように俯いて言った。

演技なんかじゃなかった。



不覚にも本心だった・・・。



私としたことが・・・。

あんなことをされてもまだ彼に気があるなんて。



俯く私を見て彼は変わらずに続けた。

「変わったさ・・・。君があんな純粋な私を冷酷な悪魔にさせてくれた。おかげで私はいま、悠々と生活できている。感謝してるよ。」

「そう、でも私はあのままのあなたでいてほしかったわ・・・。」

私は彼の目をしっかりと見て私は言った。

すると、彼は初めて私の目を真っ直ぐに見つめていった。

「全て自業自得というやつだろう。君自身のせいだ。」

「そうね・・・。あなたの言う通りだわ。全て私が悪かったのよね・・・。ごめんなさい。全て私のせい。でも、私も変わったわ・・・。」

「ほお・・・。どんな風に?」

また視線をステーキに戻していった。私はワインに手を伸ばして言った。

「まっとうに生きようって。」

「へぇ、それで刑務所を飛び出してきたのか・・・。」

「あなたに一つ伝えたいことがあったの。それを伝えたらまた戻るつもりよ。」

「わざわざ、脱走してまで伝えたいことがあるのか?もう、なにもないだろ。」

「とても、今まで黙ってきた大事なことよ・・・。」

「じゃあ、いまきくとしよう。」

「落着いた場所でちゃんと話をしたいの。多分こんなところで話したら、あなたは信じてくれないだろうから。」

「じゃあ、場所を取ってほしいと。」

「ええ。二人っきりになれる。」

「聞き入れてもらえると?」

「お願い。」

「お前は仮にも私達のリンチをうけて目の前で娘を殺されたんだ。そんな女に二人きりになりたいなんていわれて聞き入れる馬鹿がどこにいる。」

「お願い、なんなら椅子に私を縛り付けてでもいいわ。とにかくこれだけははっきりと伝えたいの。」

「そこまでして言ったいなにが言いたいんだ。今話せばいいだろう。」

「お願い、一度でいいわ。時間を頂戴。あなたにちゃんと事実を伝えたいの。」

私はしっかりと彼の目を見つめて必死に願った。

ここが上手くいかないと全てが狂ってしまう。

しばらくすると彼は溜め息をつき、ナイフを置いて、私を見て言った。

「わかった。いいだろう。話を聞いてやる。明日の午後九時××ホテルに来い。フロントで私の部下達が待っている。」

「ありがとう。じぁあ、明日。」

私は席を立った。

しかし、神経は擦る切れるほどに研ぎ澄まされていた。

だって、この瞬間から私は彼に居場所を知られてしまったのだ。

と、言うことはいつ殺されてもおかしくないのだ。

彼が背を向けた私に銃を撃つのもあり得なくない話・・・。


このとき、私は殺し屋時代の自分を完全に取り戻した。


でも、本気で彼とよりを戻したいと感じていた・・・。


不覚・・・。


三人目の話がとっても長くなってしまいそうです。

バランスが悪いですね・・・・。

椿でした。

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