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悪魔と呼ばれた男

地下二階。コントロールルームに私は入った。

まだ、遠くからドアを蹴る音と爪がドアをこする音が聞こえてくる。

そして、奇声が聞こえてくる。

私は危機管理システムを起動した。

「まただわ・・・・。」

パスワードだ。私は知らなかったがもしや、と思って「Maria」と入力してみた。

すると、起動することに成功した。

不思議で仕方なかった。でも、そんなことを考えている暇はない。

私はマイクをとった。地下一階のあいつに最後のメッセージを送る為に。

残念なことに監視カメラは全て撤去されていた。なので彼の最期を見届けることは出来ないが・・・。

私はスイッチを入れた。

「ウィル。聴こえるかしら。どうやらドアが開かないようね。今、危機管理システムを立ち上げて地下一階をレベル1に設定したわ。どういう意味かわかるわよね。もうすぐそこは密閉されて二酸化炭素が充満するわ。これであなたも終り・・・・。残念だわあなたを私の手で殺せないことが・・・。まあ仕方ないわ。それじゃあね。」

すると、奇声がさらに激しくなる。しかし、しばらくしてそれもなくなった。

そう、彼は死んだのだ。

私はため息をついた。安堵感が私の中を包み込んでいた。

急に疲れがどっと押し寄せてきたようだった。

ここには私のオフィスがあったはず。しかも、そこには隠し部屋を作っておいたはずだ。

そこなら安心して休める気がして私はそこへ向った。

しかし、私のオフィスのドアには釘が打ち付けられていた。

そして、立ち入り禁止のテープ。

私は入るのをやめようかとも思ったが、釘がうつけられていた訳が知りたくなった。

私はドアを蹴破って中に入った。

中は私がいた時の様子と変わらない。

ただ一つ違ったのは部屋中の書類が全てなくなっていたのだ。

私はその時、なぜここが立ち入り禁止になったのかわかった。

ここを封鎖したのはあの二人があの書類を捜していたからだ。

あの書類。それは私とジンがまだ二人だけで仕事をしていたときに作成した書類だ。

あの書類は私とジンが二人以外は絶対に知らない場所に保存してある。

武器庫でもない、第一ここにはない。

まさか、未だにあいつは書類を捜してるのだろうか・・・。

それとももう見つけてしまっているのだろうか・・・。

私は考えながら隠し部屋を開けた。

隠し部屋を開けるスイッチは部屋の電源の下にある。

私はそれを押して扉を開けた。そして、ドアをしめて部屋の電気をつけた。

するとそこには大きなベッドがあって、壁中が本棚になっている。

そして、テーブルの上に封筒が置いてある。見覚えがない。

私はそれを手にとり封を開けた。

私はその手紙を見て驚愕した。

手紙の内容はこうだ。


私の愛しいMaria。

君はこの手紙を読んで実に驚いているに違いない。

この筆跡に見覚えがないはずはないからね。

そうだ。私はまだ生きている。

Maria、大変な事態になった。

あれをつかわなくてはいけい。

事態は深刻だ・・・。

おそらく君は今、ウィルを殺したところだろう。

復讐もここまでだ。

私と彼は協定を結んだ。事態を収拾するために。

Maria、早くしないと君はもっと大きな力によって消されてしまう。

どうか、わかってほしい。

事態が悪化したらとてつもないことになる。

どうか、復讐を止めてほしい。

Maria、京都の嵐山で私達は待っている。

この手紙を読んだら至急、来てほしい。

待っている。

最後に君は今地下一階を封鎖して、脱出の方法を考えているだろう。

だからここからの脱出の方法を教えておこう。

武器庫に行くといい。そこの一番奥に脱出用の緊急エレベーターがある。

それを使うといい。

では、幸運を祈る。


私は手紙を握りつぶした。

なぜ彼は生きていたのか?

どうしてあいつと協定を結んだのか?

事態が理解できなかった。

私は京都に向うべきなのか。

それとも・・・。

今の私には判断できなかった。

とにかく、私は眠りたかった。

ベッドに身を沈めた・・・。

すぐに私は深い闇の中にいざなわれた。




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