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悪魔と呼ばれた男

私は今まで殺し屋として仕事をしてきて三回、命を落としかけたことがある。

そのうち二回は予想外の待ち伏せにあったからだ。

私は待ち伏せが苦手だ。なぜかはわからないが・・・。

とにかく、今私はその苦手に直面しようとしている。

ホテルのドアの前に立ったとき、その雰囲気は充満していた。

毒蛇のように陰気で静かで、殺意という欲望に満ちた空気・・・。

間違いないあいつだ・・・。

あいつがいる。私の手はたちまち汗で湿っていた。

あの男は私を心底嫌っている。私は私の人生の中で恐ろしいと感じた男だ。

彼の名はウィル、テキサスの悪魔とよばれている。

しかし、ここ近年はその影を潜めている。

最後の大仕事は私を殺したこととしてしられている。

ここでウィルのことを少し話そう。

彼の出生などの詳しいことは誰も知らない。

しかし、彼はこの世界では狂鬼の殺し屋として恐れられている。

残虐非道、冷酷で悲鳴と苦しみをこよなく愛している。

異常ともいえるその殺しへの欲望は絶えることなく、常に殺生という欲求に苛まれている。

私は一度だけ彼と組んだことがあるが、その仕事は私でも恐怖を感じずにはいられなかった。

正に異常、異常以外にいいようがなかった。

あの時、私をリンチにかけたときもいつも私を殺したがって仕方なく、回りのあいつらになだめられていた。

娘達の殺すときも異常なほどに殺したがっていたが、これもなだめられていた。

そうとうの不服を感じていたようだ、刑務所に入る前、彼は一度私を訪ねてきた。

そのときの言葉は忘れもしない・・・。

「あんなの全然、報復なんかじゃあない。おれは納得してない。必ず、貴様は俺が丁重に始末してやる・・・。」

彼は私を憎んでいる。その理由は、わたしも知っている。

彼は私に気があったのだ。しかし、私はそれを聞き入れなかった。

その瞬間、私は彼に殺されかけたのだ。それ以来、彼は私を殺したくて殺したくてたまらないのだ。

そして、いまがその絶好のチャンス。といわんばかりの雰囲気に満ちている。


私は銃を構えて扉を蹴りあけた。

しかし、その先には何もいない・・・。あたりを静寂が包む。

私はあたりを見回した。しかし、何もいない・・・。

私はドアを閉めてバスルームの方へ向った。そして、バスルームのドアを開けた瞬間だった。

「あっ・・・・。」

一瞬にして私の視界は真っ暗になり、意識が消えた。

私はその場に力なく倒れこんだ。

「まったく、隙が多いね君は・・・。まっ、そこがいいところなんだが・・・。しかし、手遅れだな君の運命は凄惨な死しかない。楽しませてくれよ。フフフ・・・。」

漆黒の肩まで伸びた髪を耳にかけた、肌の白い、ブルーの目の屈強な体格をした不気味な男。

こいつがテキサスの悪魔、ウィルだった。

私は意識を失ったまま彼の車に乗せられ、どこかへ運ばれた。

おそらく、バスルームには何かの気化性のたかい薬が撒かれていたのだろう。

次に目を開けるときは私は想像を絶する恐怖と対決しなければならない・・・。

ああ、女神よ私に勝利の微笑を・・・。悪魔を退治する力をください。


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