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僕と私  作者: 坂田憂
5/5

僕の花

僕がエドになってここで仕事をすることになった。

ここでの生活といったらなかなかツライ。 朝起きてダリルの身の回りのチェック、おまけに影武者だということを極力ばれないよういつもぼくは黒いフードを被らされた。一日中暑い。ご飯に毒があるかどうかを感じ取れるため毒味(朝昼晩+おやつ)を必ずした。そして、ダリルが行く所、常に僕はついてまわった。

ダリルはそんな僕を可哀想にみたが、僕はわらって 「平気、平気。」と答えた。


そして、エドになってから3日後の昼ご飯のときだった。

僕はいつも通りに毒味を済ませてダリルに食事を渡した。

しばらくしてダリルが「お茶をとって来て」と家臣の1人に言い、家臣は「少々お待ちを、厨房へ行ってまいります。」と言った。

しかし、なかなかその家臣がもどってこない、8分ぐらいしてようやく来た。

「遅かったですね…」僕は笑いながら言った。すると家臣は「申し訳ございません!途中で衛兵とぶつかってしまったため…」と答えた。

ダリルはその家臣からお茶をカップについでもらった瞬間だった。

また、肺が針で刺される感覚がした。今度は両手で左胸を強く抱えてしまう程痛かった。

ダリルはそんな僕を見て、「大丈夫?」と言った。僕は心の中で(そのお茶をだめだ!)と必死に伝えた。

(これは…毒…?)ダリルは言った。

(分からない…けど飲んでは絶対ダメだ!)と僕は言った。


その後、そのお茶を調べてみたところ、中には小さな寄生虫の『腹食い虫』がいたと知らされた。

腹食い虫は、体の中にはいると宿主の中の栄養をすべて食い尽くして、最後に宿主の腹の中から成虫が飛び出す寄生虫、今ではほとんど死滅したといわれているとディッシュから後で教えてもらった。


そんな事件が起こり、さらにダリルの護衛が強化された。


2週間後、騒ぎも少しずつではあるが収まりつつあったが、まだ混乱はしていた。

そんな中、ダリルが一日だけ僕に外出の許可を与えてくれた。

僕は初めは断ったが、徐々に外の世界に興味がわき、結局外出する事にした。


僕はディッシュに一緒に外出してくれるように頼んだ。ディッシュは頼まれた時は驚いた顔をしてた。

「俺でいいのか?」と言った。僕は「なんで?」と言い返した。

「そうか、それならいいんだ。」とディッシュは恥ずかしそうに言った。


城下町はにぎやかで、楽しそうであった。そしてどこか懐かしい感じがした。

そして色々なものが売ってあった。

ダリルからお金をもらったので、何か買って行こうと思ていた。

ふと、目をみると花屋があった。その花屋に何かに誘導されるように中に入った。

そして、中でも特にひきつけられたのは周りの花弁が白く、中が赤い花だった。

「あら、いらっしゃい 」若い女性がでていた。

「この花は…?」と尋ねた。

「これはサネカズラと言う花なの、珍しいでしょ」とにこやかに答えた。

僕はなぜかこのサネカズラと言う花が不思議に感じた。そして、この店と、若い女性にも似た物を感じた。僕はこの花を買った。

他にもいろいろな服や靴、それと、欲しくは無かったが護衛用の銃を買った。


「いいところだね」僕はしみじみ思った。「ここら辺は…な…」とディッシュどこか寂しいげに言った。

「ここには、メシア教の信者は恐らくいないだろうからな…」ディッシュはつづけた。

「ここから3時間も車で移動すればメシア派の町がある…あそこは酷いぞ…」

「どんな所なの?」僕は尋ねた。

するとディッシュはボソッと「何もない…」と答えた。


僕はディッシュと一緒に城へ帰り、ダリルに花を渡した。ダリルはなぜサネカズラか?と聞いたが、僕は「わかんない」とわらってごまかした。







































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