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四章 初恋の終わり

次の日、虚空の輪郭が現れたという報告を受けた私たちは町へ出た。

私は最低だ・・・私はテルメスを裏切った。

きっと、今もあの砂浜で私を待っているのだろう。

「リリカ」

テルメスの声を聴くと同時に喜びと罪悪感が私を襲った。

テルメスは私を探してくれたんだ。

「・・・テルメス・・・」

梨々香は手を振るテルメスを見て笑みながらそう言った。

「・・・梨々香、戦闘準備だ」

華砂羅はテルメスを見てそう言うと最上大業物落陽淵崩を黒鞘から抜いた。

「戦闘準備??」

梨々香は華砂羅を見てそう言った。

「髪色は金、瞳の色は青、銅色のカチューシャ、私たちが追う虚空の輪郭と完全に一致している」

最上大業物落陽淵崩を握った華砂羅はそう言うと最上(さいじょう)大業物(おおわざもの)落陽淵崩(らくようえんほう)を構えた。

「はぁ・・・残念。もう少しだったのに・・・」

テルメスは蒼白い神気を放ち始めた。

「・・・」

目を見開き、冷や汗を垂らす梨々香は震える手で神刀華炎(しんとうかえん)を生成して握った。

「あなたが・・・虚空の輪郭・・・」

神刀華炎を握った梨々香は砲神(ほうしん)テルメスを見て驚きながらそう言った。

「・・・バレちゃったか・・・」

テルメス・クレイス・ガンズは梨々香を見て笑みながらそう言うと浮かび上がった。

「もっと一緒に楽しみたかったな~!!」

テルメスが砲神眼(ほうしんがん)を開眼させてそう言った瞬間、空が蒼白く輝いて渦巻いて陽光のように眩しい光が地上に降り注いだ。

私たちに神気風を感じた時には町を歩く人も空を飛ぶ鳥も川を泳ぐ魚も蒼色の神気結晶になっていた。

「任せて良いか!?」

最上大業物落陽淵崩を握った華砂羅は白丸を見て大声でそう言った。

「良い!!」

最上大業物天現烏輪(てんげんうわ)を握った白丸は渦巻く空を見てそう言った。

天現(てんげん)!!」

最上大業物天現烏輪を握った白丸はそう言うと黒い翼を生やした。

「烏輪、全療(ぜんりょう)華翼(かよく)

白丸はそう言うと地面に最上大業物天現烏輪を突き刺して超回復陣を展開して砲弾の雨を受けた七陽の勇者を即座に回復させ続ける。

夢だと言ってくれ・・・誰か・・・・・・悪い夢だって言ってくれ・・・

全部・・・全部なくなった・・・もう、失わないと思ったのに・・・

「ブランクショット!!」

テルメスは七陽の勇者を見て笑みながらそう言った。

凄まじい衝撃波が地上に降り注ぎ、超回復陣が一瞬にして破壊された。

しかし、華砂羅たちはそれでも諦めることなく剣技で飛んでくる衝撃波を相殺していった。

天道(てんどう)六輪一閃(ろくりんいっせん)!!」

最上大業物日炎を握った三郎は一瞬でテルメスに接近して剣技を放った。

「遅いわね。そう言う奴はどうせ強力なカウンター技を持っているんだけれど」

剣技を避けたテルメスは三郎を見て笑みながらそう言った。

「お主、今まで戦ってきた輪郭たちとまるで違うな」

最上大業物日炎を握った三郎はテルメスを見てそう言いながらテルメスの攻撃を受け止めていく。

「偽物から生み出された出来損ないと本物から生まれた完成品を一緒にしちゃダメだよ」

テルメスはそう言いながら蒼色の光る砲弾を放った。

「天道!轟火舞(ごうかまい)ッ!!」

最上大業物日炎を握った三郎は飛んでくる蒼色の光る砲弾を剣技で粉砕していく。

「凄まじい力だね!」

テルメスは飛んでくる炎の斬撃を避けながらそう言った。

「どうだ!人間も素晴らしいだろう!?」

最上大業物日炎を一振りした三郎はテルメスを見て笑みながらそう言った。

「えぇ、人間というのは素晴らしい。人間は気持ちと根性だけで神に抗える」

テルメスはそう言うと両手を広げた。

テルメス・・・お前の力は分かっている。

もう、私に優しさを見せるな・・・

もう・・・もう・・・もう、不愉快だ。

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