一章 出遭い
「師匠、異国の魔法でしょうか・・・今日、生まれて初めて恋をしました」
赤眼、赤髪ショートヘア、藍色の作務衣を着た青年、華千﨑 梨々香は星空を見ながらそう言った。
とても綺麗で、とてもいい香りがした。
笑顔が心に深く刺さって頭の中から出ていかない。
「それで良い!お前に女っ気が無さ過ぎて心配しておったのだ!!」
茶眼、スキンヘッド、紺色の作務衣を着た男性、華松 三郎は梨々香を見て笑みながらそう言うと大笑いした。
「うるせぇよ・・・」
青眼、黒髪ポニーテール、白色の作務衣を着た男性、華砂羅は三郎を見て眠たそうに言った。
夜葉州で虚空の輪郭を探していた私はかふぇという名前の異国の茶屋でその人と出会った。
日の光を浴びてキラキラと輝く髪、キラキラと輝く青いびいどろのような瞳、距離感の近さに戸惑いはしたけれど、甘くてふわっとした異国の香りがした。
「私はテルメス。テルメス・クレイス・シフィドニツカ。あなたの名前を知りたいな」
青眼、ブロンド髪ロングヘア。白色のワンピースを着た乙女のような女性、テルメスは梨々香を見て笑みながらそう言った。
「梨々香・・・華千﨑 梨々香です」
紅潮した梨々香はテルメスを見てそう言った。
「綺麗な響きだね。リリカっていう名前」
「そ、そうですか?女っぽいとバカにされることが多いんですがね・・・」
梨々香はテルメスを見て笑いながらそう言った。
「私はバカにしないよ。あなたはとてもカッコいいから」
「・・・」
梨々香は不思議そうにテルメスを見た。
今まで女の人とたくさん接してきたつもりだった。
小さい子から年寄りまで幅広い女性と接してきた。異国の女性とも接した。
でも、どうしてだろう・・・この人を見ていると鼓動が早くなる。
「今日は楽しかったね」
テルメスは梨々香を見て笑みながらそう言った。
「そうですね」
梨々香はテルメスを見て笑みながらそう言った。
「明日もここで会わない?」
「は、はい」
梨々香はテルメスを見て紅潮しながらそう言った。
「・・・」
箸を握った梨々香はボーっとご飯を見つめる。
「どうした。らしくないぞ」
青眼、金髪ショートヘア、緑色の作務衣を着た男性、華 聖山はご飯を食べながらそう言った。
「ついに梨々香にも春が来たようだぞ!!」
箸を握った三郎は嬉しそうに言った。
「そうか!恋しちまったのか!!」
赤眼、黒髪ロングヘア、紫色の浴衣を着た女性、華実 龍雲は梨々香を見て笑いながらそう言った。
「恋をするのは良いが、生活は崩すなよ?」
箸を握った聖山は梨々香を見てそう言った。
「はい」
箸を握った梨々香は背筋を伸ばしてそう言った。
次の日、朝の鍛錬を終えた私はいつもの茶屋に行った。
「あれ?いない・・・」
梨々香はガラガラのカフェを見てそう言った。
「まぁ、良いか」
梨々香はそう言うとレジに行って注文をした。
私は紅茶とアップルパイを注文してバルコニー席に座った。
今日の夜葉州は昨日より少しだけ涼しい。夜葉州にも四季はあるのだろうか?
私はそう考えながらアップルパイを食べ進めた。
私がフォークを置いてティーカップを持ったその時、向かいの席にティーカップが置かれた。
「あぁ・・・」
梨々香は笑みながら声を漏らした。
「少し待たせちゃったかな?」
テルメスは梨々香を見て笑みながらそう言うと向かいの席に座った。
「いいえ、私もついさっききたばっかりで」
梨々香はテルメスを見て笑みながらそう言った。
「・・・君は優しいんだね」
食べ終わる寸前のアップルパイを見たテルメスは梨々香を見て笑みながらそう言った。
テルメスと話していると時間があっという間に過ぎていく。
鍛錬しろって言われてるのに・・・しろって言われてるのにッ・・・!!
「アタァッ!!」
梨々香は木刀で打たれて倒れた。
全然集中できない!!
「どうしたの?体調悪い?」
黒眼、茶髪ミディアムボブヘア、青色の着物を着た女性、華原 青は梨々香を見て心配そうに言った。
「いいえ・・・そういうわけではありません」
梨々香はゆっくりと起き上がりながらそう言った。
今日した約束が頭の中をグルグル回ってる。
「明日は図書館で会わない?夜葉州の言葉を教えてあげる」
テルメスは梨々香を見て笑みながらそう言った。
「は・・・はい!」
紅潮した梨々香はテルメスを見て笑みながらそう言った。




