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第一話「羞恥(シュウチ)の事実」

平日の昼間は実に暇だ。

ランニングするために外に出たが誰もいない。

いたとしてもランニングをしている近所のおじいさんぐらいだ。

少し疲れたので子供のいない静かな公園のベンチで休憩をとっていた。


俺は煌月(きららぎ)凉久(すずく)

年齢17才の高校生。

そう本来なら高校生なので学校に行っているはずの時間だ。

しかし訳あってここ半年は学校へ行けてない。

正直後悔している。

なぜなら将来への不安が俺の心を潰して来るからだ。

いっそどこかへ逃げ出したい。

そう考えに沈んでいた瞬間、俺の足をなにかが掴んできた。


スズク

「なにこの感触?

 少し温もりがあって五本の指のような形を感じとれる。

 これは手なのか?」


座っているベンチの下は狭く、生き物が入れるスペースはほとんどない。

じゃあ俺の足はなにに捕まれているんだ?

勇気をふり絞って恐る恐るベンチの下を覗いてみた。

やはり手だった。

足元にはまがまがしい闇がなぜかできており、そこから腕が生えていた。


スズク

「気持ち悪っ。

 でもよく見ると華奢でスベスベ肌の腕だな...おそらく女性の腕だ。

 そう考えるとこの状況もありだな...」


我ながらに気持ちわるい独り言を言ってしまったなと思った瞬間、いきなり腕が引っ張ってきて、俺は言葉を発する間もなく足元の闇に引きずりこまれていった。



煌月凉久 17才 2019年△月○○日より行方不明 以後発見ならず



美少女

「おーい、おーい、生きてる?...これは聞こえてないな」


今までの人生で恐らく一番であろうほどの聞き心地の良い美声で目が覚めた。

どうやら闇に吸い込まれた時に気絶してしまったらしい。

目を開けるとそこには素晴らしい景色があった。


清々しい青空。

見とれるほどの自分を囲む青々しい草花。

体全体が涼しくなる気持ちいいそよ風。

横には青髪の美少女。

とても気分がいい。


それにしても青々しい草花と言ったが本当に緑ではなく青色に見える。

いや世界全体が青い!

それとなぜ美少女は俺を心配してるのか?

そんなことより


スズク

(ヤバイ!あれ息が...できない...!!!!!)


美少女

「消し飛べ【シャドウグレイブ】」


美少女が呪文のようなものを唱えた瞬間、視界が青色からはじけ飛び色鮮やかになった。


スズク

「ガハッ...ゴホゴホッゴッ...ハァーハァーハァーハァ」


美少女

「危ないところだったね。」


スズク

「今なにが起きたんだ?」


まったく状況が理解できない。今何をしたんだ?


美少女

「闇魔法だよ。

 まったく、今度からはスライムで顔面窒息なんてしないように気をつけてね。」


なるほど青いスライムが俺の頭の上に乗っかっていたのか。

いや待て魔法にスライム?

わからないことが多すぎる。

ここは地球ではないというのか?


美少女

「ウェルカムトゥーアンダーグラウンド。

 スズク君久しぶり。

 といっても君にはわからないか。

 ここでは初対面だしね。

 私の名前はレイカ・アルミナだよ。

 一応知ってるけど君の名前は何かな?」


なぜか一度も会ったことはないはずなのに俺のことを知ってるらしい。

あとアンダーグラウンド?

空が見えるのになぜ?

なにか引っかかるが今はまあいい。


スズク

「スライムから助けてくれたことをまずは感謝する。

 俺の名前は煌月凉久だ。

 日本生まれの17才。

 プライドは富士より高く、慈愛は海より深い、模範的な健康児でーーー」


レイカ

「うん、大体のことは知ってるからそのぐらいでいいよ。

 それより私についてきてくれないかな?」


スズク

「いや何も知らされないままついて来いと言われても...。

 あと渾身の自己紹介をスルーしないでくれ。

 俺のことを知ってるならさっきの言葉嘘だって分かるだろ?

 ツッコミを待ってたんだけど...

 俺は別にプライド高くないし、短気だし、俺なんかが人類の模範だったらとっくに世界は滅んでる。」


レイカ

「まあまあ。

 そんなことよりまずは服を着てくれないかな...///

 目のやり場に困るから。」


嘘だろ?!

気づかなかった。

確かにスースーと全身に風を感じてたな。

いつのまにか全裸になってしまってたらしい。


スズク

「それはごめん。」


おそらくだがスライムが原因だろう。

消化できない服が補食するのに邪魔だったから、気絶している俺から無理矢理脱がしたと予想がつく。

そう考えごとをしながら、俺は横に散らばってしまっているパーカーとズボンを履いた。


いや待て混乱しすぎて逆に冷静になっていたが、かなりまずい状況だったのでは?

だってよく考えてみろ。

さっきの状況は他人視点だと、平原で全裸になってスライムとあんなことやこんなことをしているヤバイ奴にしか見えないじゃないか!!!

レイカの態度が少し冷たい気がしたのもそのせいなのでは?! (そんなことはない)

そう思うと急に羞恥心が襲ってきた。

急いで弁明しないと。


スズク

「ちょっと待ってくれ!!!誤解がある。

 俺は決してスライムと全裸で戯れる変態じゃーーー」


レイカ

「私は否定しないよ。

 世界は広いからそういう趣味の人がいてもおかしくはないからね。

 コホンッ。話を戻すけど、ついてきてほしいっていうのはここではできない話がしたくてね。

 この先に私の屋敷があるからそこで話をしようと思っていて、とりあえず移動しながら話そうか。」


これはダメだ。

最悪のタイミングで会話を中断された...。

確かに多様性は認めることは大事だが、俺自身の知らない多様性を勝手にくっつけて誤解しないでくれ。

あと妙な優しさを出されるのが一番つらい。


あと話はそれるが今の咳払いの声可愛いかったな。

できることなら録音したかった。


多分だがレイカは思い込みが少々激しいタイプとみた。

なのでおそらく弁明し終わるのに時間がかかるな。


俺は話を一旦そらすように気になっていることを質問した。


スズク

「そういえばなんでさっきアンダーグラウンドって言ったんだ?

 ここはどう見ても地上だろ?」


レイカ

「そういえば知らないのか。

 おそらく察しがついているとは思うけどここは地球じゃない。

 君が今いるのは異世界だ。

 今からこの世界の仕組みをざっくり説明してあげる。

 地球とは大きく違う点が1つある。

 それはここが地底世界ということ。

 この世界は下から順番に地下に9階層分と地上の1階層分の10階層に分けられていて、階層ごとに文化や環境が違うんだ。

 でも10階層目(地上)は科学的に証明されてはいるものの誰も到達したことはないため幻とされている。

 そして今私達がいるのは地上のように見えるが3階層目だね。

 この階層は天上が高いから天上が見えずに空のように見えるんだ。」


スズク

「ほへぇ~大体わかった。

 言い訳を考える時間にはなったかな。

 それではもう一度本題に入ろうと思う。

 俺は決して変態ではなーーい!」


そこから俺は屋敷につくまで必死に2時間も弁明を続けた。

そのおかげで喉は枯れたがどうやら誤解は解けた?っぽい



こうして俺の人生は1から再スタートした。

もしよければ高評可やブックマークをしていただけたらうれしいです。

今後はあとがきに尺的に入りきらなかった設定などを上げていこうと思います。

毎週投稿するとは限りません。しかし少なくとも2週間に一回は必ず投稿します。


キャラ紹介

煌月凉久

この小説の主人公

今まで勉強しかしてこなかった不登校の17歳の青年

趣味は知識を得ることと、結果のついてくる努力、それとテスト

不登校だがテスト日にフラッと学校に顔を出し学年一位を掻っ攫っていくため陰では怪盗の異名をつけられている。

ランニングするなど健康に気を使っているが睡眠時間が短いためいつも不健康

本人曰く、睡眠をとる時間があったら知識を増やしていたいらしい。

異世界では勉強する環境が整っていないため自然と健康的に...

頭の回転が速く知識量もあるがたまに少しアホになる

一応なにがとは言わないSかMのどちらかといえばM寄りである。

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