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5.戦闘開始

 ついに、福井北自動車との対決の日がやってきた。当日のため、大樹は、資料の準備等を含むいろいろな準備をし、気合を入れて敦と共に福井北自動車に乗り込むが、どのように話が進むのかを以下に詳しく記載しました。ここで、自家用車を所有していないと文章中にわかりにくい単語がいくつもありますので、簡単に、以下に説明します。詳しく知りたい方は、別途、サイト等の内容を参考にしてください。


1.自賠責保険

 自動車を購入すると、自賠責保険の加入が必要で、加入してない場合は、違法になります。 保証は、対人(事故の相手方)と対物(事故相手の車)の損害の保証だけを賄うもので、最低限の保証であるため金額が少なくそれを 超えると車を所有する人の負担になります。保険期間は、購入から車検まで、もしくは 車検と車検の間になり、途中で廃車にすると残りの期間の保険料は加入者に返還されます。


2.任意保険

 自賠責保険では対人や対物の保証金額が少ないため、それを補充する目的で、車の購入者のほとんどが任意保険に加入します。

 任意保険では対人や対物だだけでなく、自分が加害者や物にぶつかったときに、自らの車を修理するための費用を負担する車両保険、自分の車の同乗者の死亡や怪我を保証する搭乗者保険、事故相手ともめたときに弁護士を雇うときの費用を負担する弁護士特約やレッカ代や遠隔地での事故における宿泊代や交通費を保証する特約、ドライブレコーダの据え付けの保証などのいろいろな種類の特約があり、これらの選択は、保険契約者が自らの意思で契約します。

 今回の問題は、夏帆の車両保険で、自ら物にぶつかった自損事故を含む全てが保証されているものと思っていたが、自損事故ではでない限定付きのものになっていたため、自らに車の保証が受けられなくなったため紛争になりました。


3.団体保険

 会社等の組織で纏めた人数で任意保険を契約すると、個人で契約するよりも割引された安価になる。

 

4.重要事項説明

 家の購入や賃貸及び分譲マンションの管理委託を行うとき、契約前に業者側から重要事項の説明を行い契約するか否かを契約者が行うのに検討する内容であり、これらの契約において、これを行わない場合や欠落があるばあい営業停止や取り消しなどの重い処分が下されることもあります。一方、保険契約でも重要事項説明の義務を記載しているが、罰則があるか否かは不明である。

(1)福井へ出陣

 12月30日、敦賀は、朝から小雪が舞い、自宅から見える野坂山は、雪化粧で真っ白である。道路も12月26日に大雪が降ったので、道路の両端には雪壁ができており、幹線道路以外は、スリップしやすいシャーベット路面である。

 ひろみは、7時過ぎにパートに行ったので、家に残った大樹、敦、夏帆は、8時頃に米と味噌汁及び山口から買ってきた天ぷらで簡単に食事をとる。食事後、大樹と敦は、歯磨きと洗顔後に洋服を着替えて、準備完了であるが、夏帆は、23歳と歳頃の女性なので、入念な準備を行うため、2時間程かかる。

 10時頃、3人共、準備が終了したので、家を出発する。車は、国道に入り、高速道路に乗ろうとしたが、通行止めとなっている。この原因は、敦賀ICから福井方面に向かうとすぐに峠越えで、昨晩、その峠付近で大雪が降ったので、除雪が間に合わないためである。

 しょうがないから、国道8号を行くが、ここも海沿いの険しい道であるので、大樹は、嫌だと思ったが、運転しているのは敦である。敦は、幼少期から自動車が大好きであったため、整備士という職業を選択したし、運転も大好きで、久しぶりの雪道の運転を喜んでいる。

 車は険しい区間を通り過ぎ、鯖江市内に入ってところで、時間は、11時30分なので、大樹は、腹が減っては戦ができないと思い、敦と夏帆に「昼食を食べようと思うが、セルフうどんのはなまるでいいか」と聞くと、敦と夏帆は「いいよ」と答えたので、はなまるに入る。大樹は、今からの話合いを考えていたので、何を食べたかは覚えていない。

 12時過ぎに昼食を終え、福井北グループへ向かう。12時40分頃、車は、福井北グループの寮に到着したので、夏帆を降ろし、大樹は夏帆に「終わったら連絡するね」と言い、夏帆は「わかった」と答えて寮に入った。

 大樹と敦は、福井北グループの本社に着いて、車を駐車し、敦にボイスレコーダをONにするように指示し、ONになったのを確認して、中に入る。すると、福井北グループの受付担当の社員が対応して、2階の会議室に通された。


(2)戦闘開始

 大樹と敦が待っていると、5分くらいで、髪は薄く目が鋭い、40歳前半の一人の男性が入っていた。その男性が「福井北自動車の損保担当課長の井尻です。よろしくお願いします」と自己紹介されたので、大樹が「野坂夏帆の父の大樹と申します。隣に座っているのは夏帆の兄の敦です。娘がお世話になっております。本日は、年末の多忙の中、時間を頂き、誠にありがとうございます」と挨拶をする。

 井尻は「なぜ、お兄様が来られたのですか」と聞いてきたので、大樹は「敦は整備士をしております。また、保険募集人の免許を持っており、実際に保険契約をしているので、専門家として連れてまいりました」と答えると、井尻は「了解しました」と言った。

 大樹は、「ムーブの廃車手続きと自賠責保険の解約をお願いしたい」と言うと、井尻は「了解しました実施します」と答えた。更に、大樹は「自賠責保険について、貴社の古賀様から解約してもお金が出ないと言ってましたが、夏帆が前に乗っていたエッセについて、敦の会社で車を購入すると同時に廃車をしたとき、廃車日から自賠責の満了までのお金が返金をすることを説明を受けて、返金されましたので、お金はでますよね」と質問したら、井尻は「廃車日から満了までのお金は返金されます」と答えた。

 ここで、大樹は、福井北自動車が嘘をついていたことに文句を言いたかったが、本題は自賠責ではないので、これ以上、詰めることはしなかった。次に、本題である任意保険の話に移る。

 井尻から、「任意保険について、車検証と任意保険証書をFAXを送ってもらっていたが、特に指示がなかったので、保険証書変更届に示すように、内容を変更しませんでした」と言われ、保険証書変更届を渡された。

 大樹は、保険変更届を確認するとともに、FAXで送った保険証書もしくはエッセのときの保険証書と照らし合わせて、車両保険金額がエッセの時から、FAXで送った保険証書の内容に変わっていることを確認し、「こちらとしては、私が送った任意保険の内容にしてほしいとの指示をしました。そちらが、指示を受けてないと言うならば、なぜ、車両保険金額がFAXで送った保険証書の内容に変わっているのですか?、それは、貴社が保険金額を勝手に変えたのか、それとも、こちらの指示に従ったのか」との質問をした。井尻は、あわてて「担当者を呼んできますので、お待ちください」といい、会議室を後にした。

 大樹は、敦にボイスレコーダを机の上に置くように指示し、敦は、ボイスレコーダを机の上に置いた。

 10分位待っていると、50歳代位の女性が井尻と共に会議室へ入室した。井尻は「保険担当をしています笹原です」と紹介があり、笹原は「福井北自動車の笹原です」と言った。

 大樹は、「夏帆の父の大樹です。横にいるのは夏帆の兄の敦ですので、よろしくお願いします。それと、机上に置いたボイスレコーダを手にして、本日はボイスレコーダで録音させていただきます。よろしいですか?」と伝えた。

 井尻と笹原は「構いませんよと」と答えたので、ボイスレコーダを置いて話し合うことにした。

 笹原は「こちらから、車両保険金額の変更のみの指示を受けて車両保険金額の変更を行ったが、限定付きから全保証への指示を受けていなかったので変更しませんでした」と証言が覆った。

 大樹は、心の中で「なめるな!!」と思ったとともに、「井尻は、俺らを軽くあしらうとしたのか、もしくは会社内での情報共有に不備があるのではないか」と感じた。もちろん、証言が覆ることはある程度、予想していたので、大樹は「限定付きの車両保険にかかっていることは知らなかった。変更した車が古いのから新しいのに変わるならば、保険代理店としては、その部分(限定付きから全保証)に関しても適切に重要事項説明すべきではないか?、保険代理店としては、素人である保険契約者に対して契約上、不利になる情報を説明する重要事項説明を適切に行うべきであるが、それは適切に行ったのか」と笹原に質問した。

 笹原は「私から夏帆さんに重要事項の説明をした」と回答したので、大樹は「重要事項の説明は、大事なことであるので、いつ、どのような手段で行ったかの記録を残していると思うので、その説明をしてください。それと記録を見せてください」と質問した。

 笹原は「どのように説明したかは覚えていない。記録の方は、保険会社にある」と回答した。大樹は、「この会社は、記録を残さないので杜撰だなと思うとともに、事前に調査した資料から通話時間が1分で、適切に重要事項の説明をしていない」と分析し、更に踏み込むこととした。

 大樹は「保険会社に確認すると保険契約を変更する時間は11時25分に対し、夏帆の通話履歴から福井北グループからの着信履歴は11時34分である。そこで、重要事項説明は、普通ならば事前に連絡すべきではないのか」と質問した。大樹が、この質問を行った理由としては、宅地建物取引士の免許を持っている。その中で重要事項説明は、契約を行う前に行う必要があり、それを事業者が怠ると免許停止や悪質な場合は取り消しもある。また、敦から借りた損害保険募集人のテキストでも罰則は記載されていなかったが、重要事項説明のことが記載されていたからであり、井尻や笹原が、重要事項説明の定義を適切に理解していないことの証拠を得るために行ったものである。

 すると、笹原は「重要事項説明は、保険会社の変更連絡後に行っても問題ない」と回答したので、大樹は、重要事項説明の定義は、保険代理人と契約者の知識的な違い(専門家か素人か)を念頭に、契約者に不利になるような内容等を含めて、契約前及び更新前に適正に説明して契約するか否かを判断させるものであることを、この方達は理解していないと判断して、更に畳みかけることにした。

 大樹は、損害保険募集人のテキストを見せて「このテキストは、となりにいる敦から借りた保険募集人試験用のテキストである。敦、重要事項説明は何時行うことが必要かの説明をしてくれる」と言う。

 敦は、付箋のページを開き、2人に見せながら「契約前に説明すると記載しているし、私も中古車販売店で整備士をしており、同じように自動車保険契約の説明を行っているが、お客様に丁寧に説明しているし、社内でもそのような教育を受けていますが、事前に説明していないのは違反ではないか」と質問に対し、井尻や笹原は顔色を変えて「確かに事前に説明をしていないのは、申し訳なかったが、法律上問題ない」と言い張った。

 敦は「では、今の内容は、社内の専門家に確認しますが、いいですか?」と言うと、笹原は怪訝な顔をしながら「構いません」と言った。敦は「そうさせていただきます」と回答した。

 大樹は、確かに罰則は記載されていないから、これ以上のやり取りは、不要であるが、保険契約紛争センターに処理を依頼するときの材料として、以下のことが確認できた。

①福井北自動車は、重用事項説明の定義を理解せずに重要であることの認識が欠けていること

②保険会社は、重要事項説明に関する適切な指導・教育が徹底されていないこと

 更に大樹は、今までのやり取りで、重要事項説明を福井北自動車が行っていないとの確証を得るため、更に踏み込むことにして、事前に用意した時系列を示して「笹原さん、重要事項の説明を行ったと申しましたよね、一方で、夏帆の携帯電話の履歴から福井北自動車との通話時間を見ると約1分とのことであるが、どのように適切に説明しましたか、説明内容には保証契約の変更を含めると、1分で説明できないのではないですか。本当は説明していないのではないですか」と言うと、笹原は怪訝な顔を示しながら「そんなことはない、1分であっても説明できます」と強い口調で回答した。大樹は「更新契約を含めて重要事項の説明を行ったと言うならば、ここで、重要事項の説明を再現することが可能ですね。実際に行ってください」と言うと、笹原は「その当時にどのように説明したかを覚えていないので、説明することができかねます」と回答したので、大樹は「お客様に対して、いつも説明しているならば、再現は可能ではないですか?、そうなると、私は、貴方方は、つねに重要事項の説明をしていないと思えますよ」と言うと、笹原は逆切れし「重要事項の説明を行いました。私が実施したと言うから、実施したのです」と回答した。

 大樹は、保険紛争センターへの依頼材料に、「重要事項の説明をしていないのではないかと推測する」を加えることとし、この議題は終了することにした。

 大樹は、更に踏み込む、夏帆の前の車のエッセの時に、任意保険を大樹の代理店から福井北自動車に変更したときにも重要事項説明をしていないかの探りを入れることにし「エッセの任意保険について、私が契約したときから、そちらに切り替えたとき、限定付きの保険に切り替えたと申しましたが、その時は、重要事項の説明をすると思いますが、どのように行ったのですか」と聞くと、笹原は「資料を用意してきますので、お待ちください」と言い会議室を後にした。

 10分位して笹原は、パンフレットと見積もりを持ってきて説明をした。そこで、見積額を大樹と敦に示しながら「夏帆さんは、昨年に事故を起こしているので限定付きでない場合は、22000円/月になるのに対し、限定付きにすると18000円/月となり、毎月の負担が減りますよと進めました。この場合、自損事故ではでなくなるが、まさかこのようになるとは思いませんでした」と言った。

 大樹は「限定付きについては、娘から聞いていません。もし、そのようなことを聞いていたら、娘は相談してくるはずだと思います。更に、一歩譲って、前に乗っていたエッセでは保証金額が20万円だからこれでもいいが、ムーブは保証額が変わるので、限定付きは車両保険の意味がないように思いますが、本当に適切に重要事項説明をしたのですか」と切り返すと、笹原は「適切に行いました。特に始めの契約ではパンフレットと見積もりを見せて行いました」と強い口調で答える。

 大樹は、「始めの契約では行ったということについて、娘がいないので、事実は確認できないので、後程、確認させていただきます」という。更に、大樹は更に畳かける「では、ムーブに更新したときは電話で行ったみたいですが、見積もりを見せて、娘に説明したのですか」と聞くと笹原は「そこまでは行っていません。限定付きは知っていると思いましたので」と回答したので、大樹は、更新時に、車両保険の全保証と限定付きの違いと不利益を被ること等の重要事項説明を適切にしていないとの確証を得た。

 更に、大樹は、もう一つの疑問があった。それは、福井北グループでの団体保険は、車両保険が限定付きが標準ではないかと思い、聞くことにした。「まさか、福井北グループの団体保険における車両保険は、限定付きが標準ではないですよね」と聞くと、笹原は、「それはないです。限定付きではない全保証も可能です」と言ったので、大樹は「わかりました。私の聞きたいことは、これで終わりです。後で事故車を見せてください。その前に敦から何かある?」と聞くと、敦は「妹が前に乗っていたエッセは、私が敦賀の前職から購入した車で、私がきれいに整備して受け渡した。それなのに、調子が悪いと妹が、そちらに点検を依頼した時、エンジンオイルが減っていたにもかかわらず、見抜けなかったことがありました。この点、整備士ならすぐわかると思うが、それを見抜けなかったのはおかしいのではないか。また、自賠責保険の件においてもお金がでませんと間違ったことを伝えるのは、専門家として恥ずべきものでないのか」と言うと、笹原は「整備の件については、申し訳ありません。伝えておきます。また、自賠責保険に関しては、貴社の整備士は損害保険募集人を持ってないので、軽はずみの返事をしました申し訳ございません。自賠責保険は、きっちりと手続きします」と回答した。

 敦は「父が、弊社から車を購入し、そこで説明を受けてなかったら、騙されたことになりますよね。それは、法令違反になりますので、強く抗議する」と言うと、井尻と笹原は、「すいませんでした」と平謝りをした。

 大樹は「これで、こちらから聞きたいことは終了しました。持ち帰って検討し、再度、お話を伺うことになりますので、そのときは、よろしくお願いします」というと、井尻と笹原は「了解しました。本日は遠いところすいませんでした」と回答した。

 大樹は「夏帆の車のところに案内してもらいますか」と言うと、井尻は「了解しました」と言い、福井北自動車の自動車置き場に案内して到着した。

 敦は、車をまんべんなく見て回り、「これは、厳しいね、廃車ですね」と言うと、井尻は「その通りで、エアーバックも出ているし左側が大破損しているで修理は無理です」と答える。大樹が敦に「これがエッセだったらヤバかった」と聞くと、敦は神妙な顔で「大怪我か死んでたかもしれないね。ある意味、ムーブでよかったかもよ」と答える。大樹は「そうか」という。

 敦が井尻に「ドライブレコーダの画像を確認したいので、取り外して送ってもらうことは可能ですか」と聞くと、井尻は「そういたします。送り先は自宅でいいですか」と言うと、大樹は「それでお願いします」という。

 大樹は「これで、帰宅したいと思います。誠にありがとうございました」と言い、駐車場に戻り、車に乗り込み、井尻は「気を付けて帰ってください」と言い、社内の中に入る。

 大樹は夏帆に電話をし、「終わったからそちらに行く」と言い、夏帆が「わかった」と答えて、夏帆を乗せて敦賀へ帰宅の途につく。

 

(3)帰還

 帰りの車、敦が運転し、大樹は助手席、夏帆は後の席に座る。大樹は夏帆に先程の話会いでもらったパンフレットと見積もりを見せて聞いた「エッセの保険を福井北自動車に切り替えたときに、このようなパンフレットと見積もりを見せて説明受けた」と聞くと、夏帆は強い口調で「聞いてないよ、笹原さんからこのようにしておくからと見積もりを見せられただけだった。何を嘘ついてるの・・」と答えた。

 大樹は「わかった。彼らと話したときに、嘘ではないかと言う感じがした」と言う。更に大樹は、「お前、あの会社は3ヶ月後にどうせやめるから、保険紛争センターを通して戦ってもいいよな」と言うと、夏帆は「いいよ」と答える。

 大樹は「これはあくまで、お前がしでかしたことなのである。また、お前は成人なので、あくまで俺は協力者になるのは自覚してね、ただ一緒に戦うことは間違いないから」と言うと、夏帆は「わかった」と答える。更に大樹は敦に「今日は、ありがとう、助かった。また、何かあったら、協力してね。ところで、どうだった?」と聞くと、敦は「かなりムカついたね、あまり悪びれた様子もないしね。あいつら本当にプロかと思ったよ。後、いつでも協力するね?」と答えた。更に大樹は、敦に「お前も厳しいこと言うようになったね、昔のお前からすると考えられない」と茶化すと、敦は「あたりまえよ、俺も今の会社に入社して新潟に赴任したときにいろいろと教えられたからね」と答える。大樹は「そうか!!」と答え、更に敦に「今回は、お前にいろいろと協力してもらったので、行きの切符代の他、帰りの旅費もだすよ」と言うと、敦は「サンキュー」と答えた。

 大樹は、緊張感が取れて小腹が空いたので、敦と夏帆に「南条あたりでお茶して帰ろう?」と言うと、二人は「いいね」と答えて、南条SAで焼き芋を食べた。焼き芋はドリンクとセットで1つ700円であり、大樹は高いと思ったが、まあいっか!!と思い注文した。食べると蜜がたっぷりと入っているのと戦闘が終了した安堵感でとても美味しかった。

 ついに、福井北自動車との交渉も終了した。大樹は、自動車保険については、保険紛争センターへの処理依頼の準備、職場環境においては、労基署に相談しないといけないな~と感じていた。

 大樹の今回の目的は、福井北自動車が車両保険の金額保証をしてもらうというのは無理と判断し、相手がもっとも嫌がる仲裁機関に依頼することを念頭に、有利になるような証言を得るためである。

 そこで、大樹と敦が福井北自動車に乗り込む。福井北自動車の保険担当の課長が初期に対応し、大樹たちが素人と思い軽くあしらうような答えであったが、大樹は、これを想定して準備していたので、すこしずつ相手を追い詰めていくたびに、矛盾した回答が多くなり、最終的には、福井北自動車が重要事項説明の定義を理解せずに、全く説明していないか、説明をしてもロクにしていないかの確証を得た。今後は、この内容を纏めて保険紛争センターへ処理を依頼する。

 次回は、もうひとつの課題である夏帆の労働関係に関する労基署への相談状況と保険紛争センターへのコンタクトについて記載していきたい。

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