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12.抗弁・反論・終結・始まり

 3月31日に、大樹とひろみは、夏帆がそのままにしていた退寮作業と任意継続の手続きを終了し安堵する。4月に入ると保険紛争機構から届いた封書に保険会社の抗弁書が入っていたため、大樹が、ついに始まったかと思い、内容を確認したら保険契約者を馬鹿にしたような内容なので、怒りを覚えながら反論書を作成して提出する。更に福井北カントリークラブからの退職金が出たり、夏帆の退院が決まるなどの嬉しいこともあった。一方、潜んでいた悪魔である最大の問題が発覚するきっかけまでを、本章で記載した。

(1)抗弁・反論

 3月31日に、夏帆の退寮が終了して、大樹も夏帆も疲労が溜まったまま、4月1日に出勤した。大樹は、今日は金曜日なので、1日凌げば明日は休みだと思いとりあえず業務を終了して自宅に帰ってきた。

 ひろみは、大樹に「これ、届いていたよ!!」と封筒を手渡してきた。大樹が受け取ると保険紛争機構からの封筒であり、中身を開けた。中には保険会社からの抗弁書が入っており、保険紛争機構から反論がある場合は4月30日までに反論書を提出し、ない場合は、今までの提出書類と抗弁書で裁定を行うと書いていた。

 大樹は、まずは夕食と入浴をしてから、ゆっくりと確認しようと思い。夕食と入浴をすました。少し、落ち着いたところで、中身を確認したところ、内容は次の通りだった。

①2021年10月27日付けの車両入替手続き時に福井北自動車は、車両入替え手続き時には申立人より  運転範囲の手続き時には申し立て人より運転範囲に関するご要望がなかったことから、「限定付き」にて手続きを行った。

②初回契約時(2019年3月14日手続き・被保険車両:エッセ)の募集実施について、福井北自動車から、新規契約であることから募集人笹原氏が申立人と代理人事務所で当社自動車保険パンフレットを用いながら車両保険に関する補償内容の違いを説明した上で「限定付き」で契約した。当該代理店は重要事項説明書については通常書面にて説明の上、契約者にお渡しする流れとなっており、契約申込書のチェックシートにチェックされている。

③契約内容変更手続き時には、募集コンプライアンスマニュアルにて、「③契約内容変更の場合:契約締結時に交付した「重要事項の説明」や「その他参考となるべき情報」に該当する事項の場合は、変更届出書の変更箇所を示して情報提供を行います。なお、契約締結時に交付した「重要事項のご説明」や「その他参考になるべき情報」に該当しない事項のみの変更を行う場合は、情報提供の内容に変更すべきものがないものとして取り扱い、情報提供が不要になります。


 以上の内容から、〇〇〇保険会社は、初回契約時に車両保険の限定付き等を説明する重要事項説明を適切に行えば、車の変更に伴う更新時には不要という抗弁書であった。大樹は、保険会社の抗弁書を確認して、自分達が作成したマニュアルがいかにも正しいから問題ないということでねじ伏せるのか。保険契約者が素人で何も知らないと思い馬鹿にしていると感じて、頭に来たので、その夜は冷静になるため、何もせずに寝た。

 4月2日は、土曜日であり、ひろみは、パートに行ったが、大樹は休暇である。大樹の休暇時の日課は、ウオーキングから始まる。ウオーキングは、複数のコースがあるが、今日は、近くの粟野駅まで登り坂を上り折り返すコースとした。途中には桜が7部咲きで、小春日和であったが、大樹は、怒りを抑えると共に反論書を記載することで、頭が一杯で桜が目に入らない。

 帰宅後、大樹は、落ち着いて来たので反論書を書くことにした。内容は、次の通り。


①笹原氏はこちらが指示いなかったから、変更しなかったと言われていますが、お客様から要望がないからそのままの契約内容にした点、損害保険会社の代理店や損害保険募集人の対応として不適切に感じます。当方としては「限定付き」は消費者に対して不利益な事実であることから、丁寧に説明する必要があるのではないですか。この点を重大な過失による不告知と考えます。実際の、損害保険募集人一般試験の教育テキスト(基礎単位)を長男から借りて読んでみましたが、消費者契約法に関する消費者の不利益となる事実の故意または重大な過失による不告知( P91)と記載されました。

②12月30日の新規契約時にはパンフレットや重要事項説明書を使用し、「限定付き」について、説明しているとは聞いていましたが、保険契約者では娘(豊原菜摘)は、うつ病で打合せには出席できなかっ たので、帰宅後に確認するといっただけで、納得はしていません。実際に帰宅後に確認しましたたらそのような説明を受けていないとのことでした。

③書面にチェックはされているが、娘が「車両保険に関する保証内容の相違に関する質問を受けていない」、「ここにサインしてとだけ言われた」「パンフレットも見たこともない」との意見を言うのか。実際に説明したのならば、こちらに相談があると思われます。

④次にチェックシートは代理店による任意に記載できることから、③のように説明していなくてもチェックができると思いますが。

⑤③④のようなことが異なる意見が出る点について、保険会社は代理店の指導・監査が適切に行われていないように思います。

⑥「重要事項のご説明」や「その他参考になるべき情報に該当しない」との判断基準、その他参考になるべき事項の定義が資料からでは理解できません。これでは、代理店の裁量により判断するため、代理店により、判断に差異が生じると思います。それとも、統一したチェックシートを用いているのですか。

 もし、後者ならば、実際判断したときのエビデンスを答弁書に記載すべきだと思います。

⑦保険業法300条に示す。虚偽のことを告げる行為、保険契約者または被保険者の判断に影響を及ぼす こととなる重要な事項を告げない行為は禁止されている。この点、車の乗り換えにより車体金額があがり、保険金額も上昇するし、限定付きは、もしものときには不利益になるため、影響を与える事項に該当するのではないですか、そうすると、募集コンプラインスマニュアルは、保険業法の300条に矛盾すると思います。また、本マニュアルの重要事項の定義が明確でなく、不適切ではないのですか。この点から考えますと、本マニュアルを代理店に使用させている以上、間違った判断すると思います。このようなことから、保険会社の責任が重いと思います。

⑧保険会社の抗弁に対し反論を①~⑦に示し、当方では納得することができないから、引き続き、保険会社及び保険代理店に対して、いただくべきであった70万円を要求します。


以上のような内容を反論書にまとめて、4月10日に保険紛争機構に提出した。


(2)終結・始まり

 4月10日の11時頃、大樹は、職場で業務中であった。すると、突然にスマホの着信音が鳴った。スマホを見ると春日であった。通話にすると「福井北グループの春日です。夏帆さんのご様子はいかがですか」と聞いてきたので、大樹は「まだ、退院は決まっていないですが、少しずつ回復しています」と答える。春日は「それは、よかったです。ところで、今日は、退職金のことで、連絡を差し上げました。本日に退職金約13万円を振り込みましたので、ご連絡します。いろいろと、ご心配・ご迷惑をお掛けしました」と言うので、大樹から「ご連絡、ありがとうございます。いろいろと助かります。ご連絡、ありがとうございました」と言い通話を終了する。

 17時過ぎ、大樹は帰宅してひろみに「夏帆の退職金が出るようになったよ・・」と伝えると、ひろみは「そうか、よかった」と答える。更に、大樹は「ところで。労基から連絡あった」と聞くが、ひろみは「ない」と言う。大樹は、このところの夏帆の入院・手術と答弁書の作成で疲れてきたので、労基に関するアプローチを辞めることとし「労基は、これ以上の進展はないし、退職金もらえたので、特にアプローチしないようにしようか」と言い、ひろみは「それでいいんじゃない」と言うので、労基に関する対応は終了した。

 4月13日の17時40分に大樹は、職場から帰宅した。すると、ひろみから「夏帆が4月19日に退院するよ」と言ってきた。大樹は「本当に!!!」と言うと、ひろみが「夏帆からラインで4月19日に退院するので対応できる?」と言った。大樹は「お前、対応できるの?」と言うと、ひろみが「退院時間は11:00以降ならいつでもいいとのことだったので、昼ならできるよ」と言う。大樹は「金額はわからないよね?」と聞くと、ひろみは「わからない」と言う。野坂家の家計管理は、大樹が担当しているため、休むしかないと考え、大樹は「19日は、休暇を取得するよ、退院時間は、俺が対応するので、何時でもいいよ」と答えた。ひろみは「では、11時でもいいよと伝えておくね」と言うと、大樹は「いいよ」と答えた。

 4月14日に大樹は、19日の休暇を取得し、ひろみは、夏帆に「11時でいいよ」とラインで伝えて退院が決まった。大樹とひろみは、凄くホットした。また、大樹は、残った戦いは保険関係だけとなり、戦いに集中できると感じた。

 4月15日の17時40分、大樹が会社から帰宅すると夏帆宛にニギスカードからのはがきが台の上に置いてあった。大樹は「なんじゃこれ・・・」と叫んだ。ついに、潜んでいた悪魔である最大の問題との闘いが始まる。

 次章では夏帆の退院とニギスカードに関する事実確認を記載します。

 保険紛争機構から届いた封書に保険会社の抗弁書が入っていたため、大樹が、ついに始まったかと思い、内容を確認したら保険契約者を馬鹿にしたような内容なので、怒りを覚えながら、保険募集人のテキストの内容を駆使しながら反論書を作成して提出した。

 更に、福井北カントリークラブからの退職金がでることになったので、これ以上の戦いは辞めようと思い、これ以上の労基へのアプローチは辞めることとしたことや、夏帆の退院も決まり少しずつ落ち着きを取り戻していた中で、不意にきたニギスカードのハガキに驚愕した。これは、潜んでいた悪魔である最大の問題との闘いの序奏に過ぎない。

 ここで。大樹が労基の終了させた理由を解説しますと、次の通りである。他に方法があるならば、議論してほしい。

①労基に申請したときの事象内容が軽微で困難ではないかと感じていた。

(例:超勤の場合は60h以上×3ヶ月、セクハラは3年前の事象、パワハラに関しては押し付けのみ)

②福井北グループでは退職金規定があるが、転籍した福井北カントリーでは規定がなく、労基の相談ではでないと言われていたが、退職金が支給されたことに関して、福井北グループ及び福井北カントリークラブの誠意を感じた。

③夏帆の入院及び手術の疲労、保険紛争機構への対応等、これ以上の紛争は適切ではないと判断した。


 以上の判断は、今後に対応する潜んでいた悪魔である最大の問題との闘いが過酷になっていくので、正しいと感じている。

 次章では夏帆の退院とニギスカードに関する事実確認と消費者センターへの相談を記載します。

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