4/36
第壱話(その3)
自宅の門前まで帰宅し、門を開けようとすると動き出し、開いた先で父上が立っていた。
「夜魄。お前、例の森に入っていったそうじゃないか」
「な、何故知っているのですか・・・・・・」
「お前たちが森に入っていくのを見た人からいてね。私に教えてくれたんだ。で、正直に答えろ。あの場所に行ったのか?」
父上は冷たい目で拙にそう尋ねてきた。あの目をした時は怒っている時だ。
「い、いえ。追いかけっこしている時に偶然あの森に入っていってしまったのですが、その森に入ってはいけないと言われたのを思い出して、すぐに森を出たので、例の場所には行ってないです・・・・・・」
少しビクビクしながらそう答えると、まだ父上の目は冷たいままだった。
「そうか。お前の言葉を信じよう。中に入りなさい」
父上はそう言うと、先に屋敷の中に入っていった。
心の臓がバクバクしていて、落ち着かせようと少し深呼吸をしてから、拙も屋敷の中に入った。