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第壱話(その36)
今回も上手く作ることが出来たなと思いながら、羅桜さんの反応が気になりふと見てみると、一口食べた状態のおにぎりを持ったまま涙を流していた。
「えっ!? 大丈夫ですか!? もしかして、お口に合いませんでしたか・・・・・・?」
「いや、違うんだ。ただ・・・・・・。こんなに美味しいのを食べたのは初めてで、俺自身も何で涙が出るのか分からなくて・・・・・・」
おにぎり自体は問題なかっと分かって良かったとおもったのと同時に、彼は拙が思っている以上に虐げられていたのだと察した。そして、おそらく彼にとって初めての感情に困惑している様だった。
「それは恐らく、嬉しさのあまり涙が止まらなくなっているんだと思いますよ」




