第壱話(その30)
「・・・・・・何で此処に人間がいるんだ。さっさと去れ。じゃないと・・・・・・」
刀を向けてきた相手の顔を見てみると、夢で逢った男性と全く同じ姿をしていた。
「もしかして、お侍様ですか?」
拙がそう言葉を発すると、予想外の言葉だったのか目を見開いて驚いた。拙をすぐに切り付けようとする様子ではないと感じ、思いを伝えようと口を開いた。
「だ、だったら、何だって言うんだ。いいからここk・・・・・・」
「お侍様なんですね! 是非、拙を貴殿の弟子にさせてください!」
「は・・・・・・?」
・・・・・・しまった! 言おうと思っていたのと違うことを言ってしまった。うっすら剣術を教えて貰えたらなとは考えていたけど、真っ先に口からそのことを言ってしまうとは思わなかった。当然彼も突然そんなこと言われて困惑してしまっているし・・・・・・。
「えっと、違うんです! いや、ある意味違わないと言うか・・・・・・。えっと、拙はただ、貴殿に人間の温もりを知って欲しくて・・・・・・」
「・・・・・・人間の温もりを知ってほしい?」
拙の言葉に何か引っ掛かったのか、少し考えた末に、拙に向けていた刀を鞘に納め、こちらの目を見つめ始めた。




