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第壱話(その28)
気付かれないように気配を消して森の奥まで入ると、目的の廃墟屋敷へたどり着き、一度深呼吸をしてから中へ入った。
中は数日前に訪れた時より朽ちており、少し歩きにくくなっている。
「何処にいるのだろう・・・・・・」
思い返せば、以前は入口近くしか探索していないから、屋敷の構造が全然分からない状態だ。そんな中で特定の人物を探すのはかなり大変そうだ・・・・・・。
唯一手掛かりになる可能性があるのは、件の夢に出てきた桜の木だけど、今の時期は桜は咲いていないから、すぐに桜の木かどうかの判断は出来る気がしないな・・・・・・。
そんなことを考えながら歩いていると、一瞬目の前に花弁が通り過ぎた。




