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第壱話(その22)
「それじゃあ、後の準備は任せるわ」
その言葉が聞こえた後、徐々に一つの足音が遠ざかっていった。どうやら、母上が台所から出て行ったらしい。
「夜魄様。奥様は玄関の方へ向かわれたので、もうそこから出てきて大丈夫ですよ」
奉公人さんが、しゃがみ込んだ状態で拙にそう伝えてくれ、頭をぶつけないように気を付けながら、ゆっくり机の下から出た。
手をつきながら机の下から出たからか、手の平が汚れてしまっていて、よく見ると袴も汚れてしまっていた。
「先程は急に机の下に押し込んで申し訳ありません。袴も汚れてしまいましたね・・・・・・」
「気にしないで。拙と母上を鉢合わせさせないようにしてくれたんでしょ。でも、この状態でおにぎりを作るのは駄目だよね。今日は一つ作ることが出来たから、白米を用意して貰って悪いけど、今日はこれだけ持って部屋に戻るね。作り方を教えてくれてありがとう」
お礼を言いきった後、完成したおにぎりを持ってすぐに台所から出て、小走りで自室に戻った。




