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第壱話(その9)
「・・・・・・様。夜魄様。起きてください」
重たい瞼を開くと、拙の傍に奉公人さんがいた。
どうやら、拙のことを起こしに来てくれたらしい。
「奥方様方は既に沐浴されましたので、夜魄様も湯船へどうぞ」
「わかった。わざわざありがとうね」
「いえ。それでは私は失礼いたします」
そう言うと、奉公人さんは頭を下げて、拙の部屋を出ていった。
奉公人さんが出て行ってから気が付いたが、寝ている時に泣いていたらしく、拙の顔が少し濡れていた。
顔を早くすっきりさせるためにも早く沐浴しようと思い、さっと着替えを持って湯船に向かった。




