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おじいさんと僕   作者: 金橋すずめ
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洋館の発見

 幽霊とか魔法なんて,別に見たいわけじゃなかったんだよ。

 まあ,全く興味がないかって言われたら,そうでもないんだけどさ。僕は霊感なんてものがないから,本当はそこら中に幽霊だの,お化けだの,妖怪だのがたくさんいたとしても見えないだけなのかな,とは思ってた。

 でも,自分にないと思っていたものが本当は腹の奥底に眠ってた,なんてこと,結構あるもんだよ。

 今から話すのは,僕が今から2年前に体験したこと。

 信じるか信じないかは,君次第だけどね。




 確か,ゴールデンウィークの最初の日だったかな。ぽかぽかした日だった。特にやることもなかったから,町の中をふらふら歩いていたんだ。

 途中,コンビニでサンドイッチを買って,僕の気に入ってる丘に行った。大きな楓の木がある,小高い丘。そこは人通りも少ないし,とにかく眺めがいいからね。

 それで,サンドイッチを食べた後,ついうとうとしちゃって。言っただろ?ぽかぽかした日だったって。

 びっくりしたよ。だって,起きた時にはもう日が沈みかけてたんだ。僕はコンビニの袋をつかんで急いで立ち上がり,丘を下ろうとした。

 と,その時。目の端に,ある洋館が映ったんだ。

 この丘には何回も来ていたけど,そんな洋館を見かけたことはなかった。

 とにかく立派な建物でね。レンガ造りの3階建てで,とても大きいんだ。昔の外国のお屋敷みたいな感じ。神秘的な雰囲気を感じたよ。その時は,日が沈んでたし,そのまま家に帰ったんだけどね。

 その夜,僕は夢を見た。

 例の洋館の前に僕が立っている。そして,建物を見上げていると,キィ…と音を立てて玄関のドアが開いたんだ。

 中から出てきたのは,一人のおじいさんだった。白いひげを生やし,長い白髪を束ね,丸眼鏡をかけた,優しそうな人だった。

 その人は,僕を見ると微笑んで,手招きをした。それで,僕は洋館の中に足を踏み入れた…

 そこで目が覚めた。


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