再会
短編連載となります。気軽に読んで貰えるように
務めてますが色々不慣れです。
こうやって、此処に居るのはいつからだろう?
この柔らかな日差しが降り注ぎ
風が吹き抜けて、街並みが見下ろせる小高い丘
私はこの場所が好きだ
いつまでも変わらない風景、そりゃ街す並みが少しばかりの変化は見せるけれど四季が巡り移り変わりながらもゆったりした時間が流れてる。
そして滅多に人が来ないのもお気に入りである、と、街を見ながら胸を張っていると珍しく人が来た。
「なんだい?」と気分を害した訳ではないが訝しげに見やる、またぞろ近くに住む子供達がイタズラでもしに来たかと。
どうやら違った様だ、見ると1人の老人が私の横に来る。
『やぁ、君か懐かしいな。』
私はそう声をかけた。
その老人を、いや彼を知っていた。横に来た彼が呟いた。
「あぁ・・・懐かしい。この風景に何度私は救われた事か。」
その嗄れた声は懐かしさとは別に哀愁を漂わせていた。
そっと私に触れて街並みを見る彼に
『大丈夫。ちゃんと生きてこれたじゃないか』
彼に届かない事を知りながら私は声をかけた。
「私はそこに逝くことはまだ、許されてないみたいだけど
早く君に逢いたいよ」
あぁ、なるほど先程の哀愁は追慕の念に駆られての事だったのだ。
『そうか…そうだったね、君達はいつだって2人だった。1人で来る事は無かった、あの子は先に旅立ってしまったんだね』
季節がもう少し遅ければ私の髪も色鮮やかになって少しは君を癒せたのかもと思慮してみたけど君は
「でも、貴方に逢えて良かった。まだちゃんと残っててくれて」
そう言って微笑んでくれた。
「変わらないなぁ、いつまでも。」
添えられた手が温みを残して離れていく。
「そろそろ行くよ、また逢えるか分からないけど。最後まで生きるから」
嗄れた老人の声だったけど若かりし日の彼が重なった。
『うん、いつでもおいで私はいつも此処にいるから。待ってるよ』
去っていく彼の背中を見ながら呟いた
『ちゃんと約束を守ってくれてありがとぅ。でも辛い思いもさせたねごめん。』
『私は見てたよ君が生きてきた証を。沢山の感情の花束をありがとう、私はこれからも此処にいるから』
君に届くはずは無いのだけれど、
君へ贈ります。せめてもの感謝を
『心の底からありがとう』
振り返り街並みを見ながら私は少し眠りにつく、まだこの季節は寒くて私には少しばかり辛い。
もうすぐ春が来る
この丘でまた咲かすのだ満開の桜を。
そう私は桜。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
日記
今日は良く晴れた1日で暖かかった。
こんな体でなければ外で走り回ってみたい。
窓から見えるあの丘の桜は毎年綺麗な満開の桜が咲く
1度でいいから自分の足で行ってみたいなぁ。
いつになればこの体は元気になるんだろう?
毎日退屈で嫌になるよ。