第八章~次郎ちゃんにこの子を託すわ!~
「な、なんだありゃ!?姿が変わったぞ!?」
レベル3となった次郎を見て男達は動揺の声を上げる。
【次郎、お前もレベル3となったか!】
逆に、次郎の隣に立つ白虎は感嘆の声を上げる。しかし、次郎の返事はない。
不思議に思う白虎を余所に次郎は男達へと走る。
距離を詰めるのに時間は掛からない。
男達が気が付いた時には次郎は既に彼等の目の前に立っていた。
「ひっ!!」
男が悲鳴を発するよりも早く、次郎は剣を振るった。
次郎の剣も変化していた。その姿は硬質化した翼の様に、鋭利な刃がいくつも生えた刀身をしており
剣というにはあまりにも凶悪な姿をしていた。
次郎の速さはキマイラの『薔薇の殺人者』にも捉え切れておらず
その攻撃を妨害する指示は出せなかった。
それ故に、彼が視認した時には男は宙を舞っていた。
「な!?そんな・・・キマイラ!あいつの動きを止めろ!」
【当たるとは思えん・・・期待はするなよ!】
『薔薇の殺人者』が指示を出し、キマイラはその口からまたもや粘性の液体を吐き出す。
しかし、その言葉の通り次郎はその攻撃を躱しもう一人の男へ迫る。
「う、うわぁぁぁぁぁぁぁ!!」
次郎が目の前に迫り、男は悲鳴を上げ逃げだそうとする。
しかし、やはりそれよりも早く次郎の剣が走った。
当然、一瞬の後には男は同じ様に宙を舞っていた。
「次郎さん!」
不意に背後から声がした。
遅れながらも龍崎もこの現場に到着したようだ。
しかし、次郎には聞こえていないかのように、その歩みを止めはしない。
「次郎・・・さん?」
龍崎が不安そうに呟く。
「お、おい、お前!この間の奴だろ!?助けてくれよ!!」
長身の男が龍崎に叫ぶ。
⇒「まさか、サラリーマンを襲った奴らか!?」
龍崎は少し思案した後、次郎の前に立ち塞がる。
「次郎さん!聞こえていないんですか!?」
「どけ・・・龍崎・・・」
その時になって次郎は初めて声を発した。
しかし、その声は異様に冷たく。仲間である龍崎さえも背筋に冷たいモノを感じた。
龍崎の行動に触発されたのか、主の行動を傍観するしかなかった白虎も
龍崎の元へ駆け付ける。
【次郎・・・】
しかし、その時だった。
男達は立ち上がり、龍崎を次郎へ突き飛ばして走り出した。
その先はキマイラと『薔薇の殺人者』
「お前もどけ!!」
そう言いながら、長身の男はカードを小剣にスラッシュ、スキャンする。
アメーバ!ウォーター!
剣から粘性の液体が射出される。
しかし、その液体が『薔薇の殺人者』へ届く事は無かった。
液体は一歩前に出たキマイラの目の前で空中に静止し、地面へと落下したのだ。
【自身から生み出した分身体の攻撃が、主であるこの俺に届く訳ないだろう。】
キマイラは一笑すると男達へ粘性の液体を吐き出し、その動きを止めた。
「な!?」
男達はその液体に捕らわれ、下半身は完全に飲み込まれてしまった。
「何しやがる!!」
歩み寄る『薔薇の殺人者』に声を荒げるが、何も言わず近付いてくる。
一連の動きを見ている事しか出来なかった次郎だったが
『薔薇の殺人者』の考えを理解してしまった。
「よせ!!」
しかし、どの言葉にも『薔薇の殺人者』はその歩みを止めず、また、返答もない。
その体格と幼さからは想像出来ない不気味さを彼は放っていた。
⇒いずれ、彼は男たちの元へと辿り着き小剣を奪い取る。
すると、男達の姿はブランクアーマーの様な姿から人間へと戻った。
その姿は龍崎の思った通り、サラリーマンを襲っていた内の二人だった。
「やっぱり、クズは利用する事も出来ないか~・・・残念だよ・・・」
言葉とは裏腹にその口調は嬉しそうな声色だった。
次郎が走る。
それに促され龍崎も走る。
しかし、
「キマイラ・・・食べていいよ。」
淡々とした口調で『薔薇の殺人者』が独り言の様に呟く。
その言葉を終える前に男達の背後に現れたキマイラはその口を開く。
「ひ!!」
「あ・・・あぁぁ・・・」
男達の上半身をキマイラが飲み込む。
その光景は時間が止まったかの様な錯覚さえ感じさせ、
次郎も龍崎もその場で足が止まった。
一瞬の後、キマイラが口を離すと残された下半身からは逆流する血液が勢い良く噴き出し
その血液もろともキマイラは残りを飲み込む。
周囲には固いモノを噛み砕く音が木霊している。
『薔薇の殺人者』が龍崎達の方へ向き直る。
小剣を取り出し身構える龍崎、そして次郎だったが、
彼の言葉は予想とは違った物だった。
「今日はもう疲れたから帰るよ。お兄さん達、また遊ぼうね。」
「な!?」
「逃がすか!!」
次郎が走りだそうとするが、その足元にキマイラが粘性の液体を吐き出し
その足は止められてしまった。
その隙に『薔薇の殺人者』はキマイラに乗り、飛び去って行った。
そこで、龍崎は気付く。
その飛び去る姿は美月を殺害した『薔薇の殺人者』と同じだと言う事に。
⇒「すまなかった・・・龍崎・・・
お前が止めてくれなかったら俺はあいつらを殺す所だった・・・
キマイラが奴らを喰った時、あんな凄惨な事をしようとしていたのかと冷静になれた・・・」
次郎は飛び去った方向を見たままの龍崎の背中に詫び、頭を下げた。
しかし、龍崎からの返答はない。
「龍崎・・・?」
「あ、そ、そうですよ!次郎さんも根は人がいいんですから。気を付けて下さいね!」
次郎が声を掛けると龍崎は慌てた様に答えた。
次郎にはそれが不思議だったが、この時は深く考えないようにしていた。
(あいつら・・・サラリーマンの男性を脅しただけでなく、『薔薇の騎士』の力まで手に入れて
その上、自分たちが死にそうになると必死で助けを求めた・・・
だけど、それでも自分達が逃げる為の生贄にしかみていなかったし、
仲間のはずの『薔薇の殺人者』にまで攻撃を仕掛けた。自業自得としか言えない。
あの『薔薇の殺人者』もそうだ。自分の為だけに戦って殺して・・・
あんな人間・・・救う意味はあるのか・・・?)
人間の姿へと戻った次郎と共に歩き出した龍崎だったが、一瞬の後、足を止め
飛び去った方向を再び見ながらそんな事を考えていた。
しかし、自分のその考えが恐ろしい事だったと分かり頭を振る。
そして、そんな考えを無かったかの様にする為か次郎の後を走って追いかけた。
合間伍ではない『薔薇の殺人者』が現れた事やケツァルコアトルと会話が出来た事により
二人は一度『情熱の蒼い薔薇』へと向かう事を決め、歩き出した。
途中、幾度か龍崎と次郎は会話したが龍崎の様子はいつもと変りなく、
次郎は先程の事は自分の思い過ごしだったのだと解釈していた。
「次郎さん、前は俺に『薔薇の殺人者』かもしれないから手を貸すのをやめろとか
言っていたのに、今回は自分から手を貸しに行っちゃったんですね~」
龍崎は次郎から聞いた流れに対し笑いながら次郎の行動を窘めた。
「そうだな・・・お前に感化されたのかもしれないな。」
次郎も次郎で笑いながら答える。
「出会ってからそんなに経っていない筈なのに、昔からの友人の様だ。」
「あ、俺もそう思います!」
そんな会話をしていたが、二人は既に『情熱の蒼い薔薇』へと辿り着いていた。
⇒近くのビルの上からその様子を見ていた影があった。
3人の影
伊勢と陽十と、そして作務衣を着た男性。
「成程、お前の仕業か・・・伊勢・・・」
「ん??何の事だ?」
陽十の言葉に伊勢はとぼけて答える。余りにもオーバーな喋り方は
嘘だと言う事がそこにいた二人には筒抜けである。
その言い方に苛立ちを感じた陽十は伊勢のポケットを弄る。
「ちょ!!はるくん!やめてよ!」
その言葉を聞かず伊勢のポケットから取り出されたのは
ピラニア・シャドーのカードだった。
「あそこにあの『薔薇の殺人者』がいる事を知って、そのカードでアプリを起動させた
そうなんだろ?」
「ついでに、俺達まで呼び出した。正に一石二鳥という訳か。」
作務衣の男性はその時、初めて口を開いた。
「そんな!人聞きの悪い!」
伊勢はそういうが、またもやその口調はオーバーな喋り方になっていた。
「・・・だが、なぜ止めた総壱・・・」
「お前まで、『薔薇の殺人者』になるつもりか?」
総壱と呼ばれた作務衣の男は視線を眼下に向けたまま答えた。
その語りは伊勢とは逆に冷静なものであった。
憮然とする陽十に総壱は言葉を掛ける。
「いい豆腐が手に入った。食べに来い。」
陽十は「ハァ」と大きな溜め息を付き立ち上がり歩き出した。
それを見て総壱も後に続く。
当然の様に付いて来ようとする伊勢だったが
「お前に食わせる物はない。」
総壱の言葉にショックを受け、立ち止まった。
「冗談だ。その面白い顔をどうにかしてから来い。」
総壱は微笑みながら言った。
⇒『情熱の蒼い薔薇』の扉を開けると幸代が出迎えてくれた。
「あらあらあら!なんていいタイミング!!」
どうやら、出迎えた形になったのは偶然の様だ。
「ママ、奥の部屋をお願いします。」
「えぇ、えぇ、どうぞ~」
二人が無事である事が嬉しいのだろうか、幸代は上機嫌の様だった。
「それじゃ、終わったら声を掛けてね~」
奥の部屋の鍵を開け二人が中に入ると出て行こうとする幸代だったが、
「いや、ママもいてください。」
次郎が真面目な顔でそう言った為、幸代も真面目な顔つきになり一緒に部屋へと入った。
三人が腰掛けると、次郎は1枚のカードを幸代に差し出した。
そのカードを見た幸代は一瞬、驚きの表情を浮かべた後、みるみる涙が溢れて
終いには号泣していた。
一通り泣き終わった幸代を確認した次郎は
「多分、今ならママも対話の世界に入れると思うんです。」
そう告げ、カードを持ちながら念じる様に伝えた。
幸代は一瞬思案するも、すぐに頷きカードを握り目を閉じた。
それを合図にしたかの様に龍崎と次郎も頷き目を閉じる。
暗闇の中には複数の影があった。
龍崎とその幻獣達
青龍、ユニコーン
次郎とその幻獣達
白虎とケツァルコアトル、マーメイド
そして、幸代
幸代が目を開けた時、ケツァルコアトルをその目で確認した。
ケツァルコアトルも幸代の存在に気が付いた様だった。
二人の視線が交わった一瞬後、二人は駆け寄る。
その様子を見た次郎と龍崎はお互いの顔を見て微笑んだ。
二人が近付き、抱き締め合うかの様に手を、翼を広げた。
⇒しかし、龍崎と次郎が思った事とは裏腹な事が起きた。
拳を握り、翼が拳の様に握られる。そして、そのまま相手の顔面へとパンチが炸裂した。
静寂が広がる暗闇の中に鈍い音が響き渡り、
龍崎も次郎も口を大きく開け唖然としてしまった。
「な!?何してるんですか~!?」
「ケツァルコアトル!?ママも!?」
そんな2人の声も聞こえないかの様に更に殴り合う。
龍崎と次郎は唖然としてただ見ているしか出来なかった。
一体、どれくらいの時間が経っただろう。
ようやく殴り合う事をやめ、膝を着いた。
何が起こっているのか分からない龍崎と次郎は
時が止まったかのように微動だにしなかったが
再び、幸代とケツァルコアトルが起き上がった事で
その時間は動き出した。
距離を保っていた二つの影が再び駆け寄る。
また、鈍い音が響く事を警戒し目を背ける龍崎と次郎だったが
予想に反し、音は聞こえてこない。
恐る恐る目を開けた二人の目に飛び込んできたものは
幸代とケツァルコアトル、2人の影が重なる姿だった。
「けっちゃん~!!無事で良かったわ~!!」
幸代が暗闇の『対話の世界』へ入る前と同じ様に号泣していた。
【さっちゃんこそ~】
ケツァルコアトルも幸代と抱き合いながら号泣している。
先程まで殴り合っていたとは思えない感動的なシーンに
そんな事は忘れて龍崎は涙ぐんでいた。
次郎は引きつった様な笑みを浮かべ、龍崎を見ると
そんな様子だったので、龍崎を二度見してしまう。
(いやいやいや、龍崎・・・?)
対話の世界へ入る前と同じ様に二人は泣き止み落ち着くと
漸く、この世界の本質である対話へと舞台を移すことができた。
「いや、別にあの感動的なシーンがおかしいとか、思っていないが・・・」
龍崎と次郎はこれまでの経緯を幸代に、そして、新たに加わった幻獣達に説明していた。
龍崎が零馬から受け取ったカードの中にケツァルコアトルのカードが含まれていた事
幸代の友人でもあった美月が『薔薇の殺人者』に殺害された事
そして、その『薔薇の殺人者』は合間伍とは別人の子供の様だった事
また、その『薔薇の殺人者』は一般人を『薔薇の騎士』モドキへと変貌させる力がある事
それ以外にもカゲヤマと会い話をした際に、
『薔薇の殺人者』の事は認識はしているという事
零馬の所在は掴めていたが、現在は行方不明となっている事
素麺屋台を経営しラーメン屋の実店舗を構える伊勢からアプリを受け取った事
豆腐を持った作務衣姿の怪しい男に龍崎が出会った事
ドラゴンを幻獣として宿す陽十に次郎が出会った事
「・・・そう、美月ちゃんが・・・」
幸代は瞼を伏せた。
「すみません。俺達が油断しなければ・・・」
龍崎の言葉で、次郎も揃って頭を下げる。
【美月はあなた達を恨んだりなんかしていないよ・・・】
涙ぐみながらもマーメイドは二人をなだめていた。
幸代が顔を上げると、ある事に気が付いた。
「作務衣の男と陽十・・・ね・・・
作務衣の男は天塚 総壱ね恐らく・・・
美月ちゃんの義理の兄にあたる人よ。
そして、惣流 陽十 彼は美月ちゃんの恋人よ。
3人とも私の知り合いだったわ・・・」
少し前の事なのだろう。幸代はその時を懐かしんでいた。しかし、
突如、ハッとして次郎に詰め寄る。
「はるくん、次郎ちゃんに攻撃してきた訳じゃないのよね!?」
【大丈夫だったわ。陽十さま、とても冷静に見えてました。
もっとくっ付きたかったのに、あの下衆ドラゴンめ~】
マーメイドのその言葉を聞いた幸代は納得のいかない様な面持ちだった。
「・・・そうなの?てっきり、我も忘れて飛び掛かりそうな気がしてたのだけれど・・・
はるくんと美月ちゃん、お互いに両親を早くに亡くされててね。幼馴染でもあったから・・・」
「あの、伊勢さんは?」
名前を伝えたはいいモノの、何も話題に上がらない伊勢について龍崎は聞いてみた。
「さぁ?知らない名前ね」
幸代は少しの間思案した後、ケツァルコアトルの顔を伺う。
ケツァルコアトルもその意味を察したのか幸代に頷いた。
「次郎ちゃん、このカードをあなたに託すわ。けっちゃんをよろしくね。」
思ってもいない言葉に次郎は驚いた。
「待ってくれママ!剣は無いとは言え、折角カードが帰ってきたのに!」
「だからよ・・・」
次郎の言葉を遮る様に幸代は次郎の前にカードを翳す。
「私は、あなた達の力になれない。共に戦う事は出来ないの。だけど、その気持ちと
そして、誰かが使えるカードがここにはあるわ。だから、私の気持ちを持って行って!」
次郎は一瞬思案した後、大きく頷きカードを受け取った。
周りから拍手が上がる。
「よろしくな!ケツァルコアトル!」
【これからも力を合わせて、次郎をサポートしようぞ!】
次郎と白虎がそれぞれケツァルコアトルに挨拶をするが、
【んふ、こんないい男と一緒に戦えるなんて嬉しいわ~よろしくね、次郎ちゃん!】
その言葉に次郎は後ろを警戒した。
「あ、けっちゃんも私達のお仲間なのよ~」
それがどういう意味か次郎には痛い程理解できた。
幸代はマーメイドに振り向く。
「あなたはどうするの?はるくんを探して渡してあげましょうか?」
街の中にある百円ショップ。
そこに、一人アクセサリーを探す少年の姿があった。
手に取ったアクセサリーは、街の不良達が身に着け、そして『薔薇の騎士』の様な姿に変貌した物と
似通っていた。少年はそれを3つ程手に持ち会計を済ませる。
【また、それか・・・俺からすればそんなに良いデザインではないと思うがな】
少年の内からキマイラが声を掛けた。
少年は不敵な笑みを浮かべ歩きながら応える。
「別にデザインなんか二の次だよ。今は、アメーバを使えるコマが必要だからね。」
暫く歩き、少年は古いアパートへと入って行った。
しかし、そこは人の住む様な場所には見えず、あちこちに穴が開き、危険な様相だった。
そう、そこは周りを人が入れない様バリケードに覆われた解体を待つ廃墟だった。
その一部屋で少年は『薔薇の騎士』へと変貌する。
「・・・アームドチャージ・・・キマイラ」
その姿は、先程まで龍崎達と戦い、2人の人間を手に掛けた。そして、美月を殺害した『薔薇の殺人者』
変貌が完了した後、その場所にキマイラが出現する。
そして、『薔薇の殺人者』は先程購入したアクセサリーを掲げ、キマイラに指示を出した。
「スライムの力・・・アメーバを・・・」
キマイラはその口から粘液を生み出しアクセサリーに掛ける。
すると、一瞬の後、粘液に包まれていたアクセサリーは緑色に発光し粘液は跡形もなく消え失せた。
その仮面の下、表情は把握できない。だが、笑っている。そんな空気が周りを満たしていた。
キマイラが視線を外す。
その方向に『薔薇の殺人者』も視線を送る。
一人の女性がそこに立っていた。
「次は、君にお願しようかな・・・」
『薔薇の殺人者』の声に女性の口元はニヤリと歪む。
「あぁ!任せておきな!」
女性がその場から居なくなった後、変貌を解除した少年は歪な笑みを浮かべる。
「・・・楽しいね~・・・ねぇ、キマイラ・・・」
次回、『薔薇の騎士』
街中で龍崎に覆い被さる女性
「ねぇ、あんた。あたしと遊ばない?」
『情熱の青い薔薇』に集う男達
蝙蝠の姿をした『薔薇の騎士』と対峙する他よりも赤さが増した『薔薇の騎士』
「俺は、お前みたいな下品な女は好きじゃない。」
次回『薔薇の騎士』第九章
暗闇の中、天を指差し、その後ろには朱雀が翼を広げる
「俺はこの世界で一番強い、『薔薇の騎士』だ」
その願いは誰の為に・・