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私は貴方のお母さんよ!

作者: 七瀬




僕の名前は、『キム・ローライ』65歳になる!

僕が物心がついた時には、病気でお母さんは亡くなっていたんだ、、、。


お父さんは、僕や弟たちの面倒をみるために必死で働いてくれたんだよ!

朝から晩まで、慣れない料理や家の事も頑張ってくれたんだ、、、!


お父さんのおかげでね!

僕は、高校を卒業する事が出来たんだよ!

小学校にも、行けない子供たちがいる中で高校まで行けたのは、、、?

この村では、凄い事なんだよ、、、!!!



貧しいこの村では、小さいうちから親の仕事を手伝って。

やっと、生活ができるんだよ!


だから! 学校に行きたくても、行けない子供たちが山ほどいるよ!



でもね、、、?

僕たちのお父さんは、働きすぎで過労死してしまったんだ、、、!


それが、僕が19歳になった時だよ!

まだ、僕の下には小さな弟もいたから、、、。

今度は僕が、父親代わりに必死で働いて、弟たちを高校まで卒業させよう

とあの時の僕は必死だったな!



寝る時間も惜しんで、頑張って稼いだお金は、弟たちを学校に行かせる

為のお金に、、、。


何もかも、節約できるところは節約したよ!

食べ盛りの弟たちに、たくさんご飯を食べさせて、、、。

僕は、少し食べられたらいい方だったんだ、、、!



・・・こうして、僕は弟たちをみんな高校まで卒業させる事が出来たんだよ!



それから、、、。

僕が35歳の時に、村の女の子とお見合いして今では、二人の間に子供が2人

いてね! まあ、この子達も高校を卒業して僕たちの家から巣立っていったよ。



そして! 残りの人生は、、、?

妻と二人で、楽しく過ごすつもりだったのに、、、。


急に、妻が病気になってね!

病院に行かせるお金もなくて、最後は僕が妻を看取って亡くなってしまった

んだ、、、!





僕も現在、65歳にって、、、。

一人で生活しているんだ、、、!


正月やお盆には、子供たちが自分たちの家族を連れてこの家に帰って

来てくれる時が、僕は何よりも凄く嬉しいんだよ。


僕にも、孫ができてね!

孫は、女の子でまた可愛いだよ!


『ジイジー! 公園に一緒に遊びに行こっ!』

『いいよ! さあさあ~行こうか!』

『じゃあ! お父さん、娘を頼んだよ!』

『あぁ! 任せておけ!』

『ジイジー! ジイジー! 抱っこして~!』

『いいよ~シュリーン! よいしょ~大きくなったな~!』

『ジイジ-だいすきーーー!!!』

『おじいちゃんも、シュリーンが大好きだよ~!』



こんな何気ない日常が、今の僕は幸せを感じているんだよ。



でもある時、、、?

綺麗な若い女性が、僕を訪ねて来たんだ、、、!


そして、その女性は僕にこう言ったんだよ、、、!


『会いたかったわ! ローライ!』

『・・・えぇ!? あなたは、どなたですか?』

『そうね! 随分私も変わってしまったし! それに幼かったあなたは私の

事を覚えてないわよね、、、?』

『えぇ!?』

『“私は、貴方のお母さんよ!”』

『あなたは、何を言ってるんだ! 僕のお母さんは、僕が子供の時に病気で

亡くなっているんだよ!!!』

『そうね! でも今! あなたの前にいる私は間違いなく! あなたのお母

さんなのよ!』

『・・・・・・こんなに僕のお母さんが若いはずがない!!!』

『ローライ! あなたが信じられないのは分かるわ! でも信じて! 私は

あなたのお母さんなのよ!!!』

『・・・もう、帰ってくれ!!!』

『・・・ローライ、私を信じて!』

『帰れ!!!』

『・・・・・・』





僕は、この若い女性がお母さんと聞いても全く信じられなかったんだ、、、!


何度も何度も、若い女性は僕の家に来たんだけど、、、?

僕は、何度も追い返したんだよ、、、!


だって! 信じられる、、、?

僕よりも若いこの女性が、お母さんと聞いて受け入れられる人なんて!

そうそう、いないでしょ!



・・・でも、流石に何度も諦めずに来るモノだから、、、。

僕は詳しく、その女性の話を聞く事にしたんだよ。

僕が幼い時に知っている、お母さんの事をいろいろ答えてくれたんだ!


僕が弟たちの為に、自分の分も弟たちにあげていた事やお母さんに甘える事も

我慢していた事、お母さんの為に小さなオレンジ色のキレイな花を渡した時の事。


それに、僕たち兄弟の為にコツコツ少ないお金を貯めていてくれた事。

庭のある場所を掘ってほしいと、若いこの女性に言われたんだ、、、!


僕はその女性が帰った後に、その女性が言った場所を掘ったら、、、?

まさか!? そこにお金が埋められていたんだよ!


しかも、、、?

お母さんの字で、こう書かれていたんだ、、、!


『私の大切な息子たちへ! お母さんがコツコツあなた達の為に貯めて

きたお金よ! 少ないけど、使ってほしいの! こんな事ぐらいしか!

あなた達の為にしてあげられないから! かわいい私の息子たち。』



・・・そう、書かれていたんだ。



僕は、頻繫に僕に会いに来るこの若い女性をだんだんと“お母さんかもしれない”

そんな風に思うようになっていったんだ...。



そしてついに、、、。

僕は僕よりもこの若い女性をお母さんと認めたんだよ!


今では、お母さんと二人で生活しているんだ。

僕が65歳、お母さんは23歳。

見た目は、僕の方がお父さんで、お母さんは娘ほどの若さなんだけど...。


それでも、僕は、、、この女性を、、、!

『・・・本当のお母さんだと思っている!!!』


お母さんといると、、、?

懐かしい! あの頃の想いでの香りがするんだよ、、、!




最後までお読みいただきありがとうございます。

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