私は貴方のお母さんよ!
僕の名前は、『キム・ローライ』65歳になる!
僕が物心がついた時には、病気でお母さんは亡くなっていたんだ、、、。
お父さんは、僕や弟たちの面倒をみるために必死で働いてくれたんだよ!
朝から晩まで、慣れない料理や家の事も頑張ってくれたんだ、、、!
お父さんのおかげでね!
僕は、高校を卒業する事が出来たんだよ!
小学校にも、行けない子供たちがいる中で高校まで行けたのは、、、?
この村では、凄い事なんだよ、、、!!!
貧しいこの村では、小さいうちから親の仕事を手伝って。
やっと、生活ができるんだよ!
だから! 学校に行きたくても、行けない子供たちが山ほどいるよ!
▼
でもね、、、?
僕たちのお父さんは、働きすぎで過労死してしまったんだ、、、!
それが、僕が19歳になった時だよ!
まだ、僕の下には小さな弟もいたから、、、。
今度は僕が、父親代わりに必死で働いて、弟たちを高校まで卒業させよう
とあの時の僕は必死だったな!
寝る時間も惜しんで、頑張って稼いだお金は、弟たちを学校に行かせる
為のお金に、、、。
何もかも、節約できるところは節約したよ!
食べ盛りの弟たちに、たくさんご飯を食べさせて、、、。
僕は、少し食べられたらいい方だったんだ、、、!
▽
・・・こうして、僕は弟たちをみんな高校まで卒業させる事が出来たんだよ!
それから、、、。
僕が35歳の時に、村の女の子とお見合いして今では、二人の間に子供が2人
いてね! まあ、この子達も高校を卒業して僕たちの家から巣立っていったよ。
そして! 残りの人生は、、、?
妻と二人で、楽しく過ごすつもりだったのに、、、。
急に、妻が病気になってね!
病院に行かせるお金もなくて、最後は僕が妻を看取って亡くなってしまった
んだ、、、!
*
僕も現在、65歳にって、、、。
一人で生活しているんだ、、、!
正月やお盆には、子供たちが自分たちの家族を連れてこの家に帰って
来てくれる時が、僕は何よりも凄く嬉しいんだよ。
僕にも、孫ができてね!
孫は、女の子でまた可愛いだよ!
『ジイジー! 公園に一緒に遊びに行こっ!』
『いいよ! さあさあ~行こうか!』
『じゃあ! お父さん、娘を頼んだよ!』
『あぁ! 任せておけ!』
『ジイジー! ジイジー! 抱っこして~!』
『いいよ~シュリーン! よいしょ~大きくなったな~!』
『ジイジ-だいすきーーー!!!』
『おじいちゃんも、シュリーンが大好きだよ~!』
▼
こんな何気ない日常が、今の僕は幸せを感じているんだよ。
でもある時、、、?
綺麗な若い女性が、僕を訪ねて来たんだ、、、!
そして、その女性は僕にこう言ったんだよ、、、!
『会いたかったわ! ローライ!』
『・・・えぇ!? あなたは、どなたですか?』
『そうね! 随分私も変わってしまったし! それに幼かったあなたは私の
事を覚えてないわよね、、、?』
『えぇ!?』
『“私は、貴方のお母さんよ!”』
『あなたは、何を言ってるんだ! 僕のお母さんは、僕が子供の時に病気で
亡くなっているんだよ!!!』
『そうね! でも今! あなたの前にいる私は間違いなく! あなたのお母
さんなのよ!』
『・・・・・・こんなに僕のお母さんが若いはずがない!!!』
『ローライ! あなたが信じられないのは分かるわ! でも信じて! 私は
あなたのお母さんなのよ!!!』
『・・・もう、帰ってくれ!!!』
『・・・ローライ、私を信じて!』
『帰れ!!!』
『・・・・・・』
*
僕は、この若い女性がお母さんと聞いても全く信じられなかったんだ、、、!
何度も何度も、若い女性は僕の家に来たんだけど、、、?
僕は、何度も追い返したんだよ、、、!
だって! 信じられる、、、?
僕よりも若いこの女性が、お母さんと聞いて受け入れられる人なんて!
そうそう、いないでしょ!
・・・でも、流石に何度も諦めずに来るモノだから、、、。
僕は詳しく、その女性の話を聞く事にしたんだよ。
僕が幼い時に知っている、お母さんの事をいろいろ答えてくれたんだ!
僕が弟たちの為に、自分の分も弟たちにあげていた事やお母さんに甘える事も
我慢していた事、お母さんの為に小さなオレンジ色のキレイな花を渡した時の事。
それに、僕たち兄弟の為にコツコツ少ないお金を貯めていてくれた事。
庭のある場所を掘ってほしいと、若いこの女性に言われたんだ、、、!
僕はその女性が帰った後に、その女性が言った場所を掘ったら、、、?
まさか!? そこにお金が埋められていたんだよ!
しかも、、、?
お母さんの字で、こう書かれていたんだ、、、!
『私の大切な息子たちへ! お母さんがコツコツあなた達の為に貯めて
きたお金よ! 少ないけど、使ってほしいの! こんな事ぐらいしか!
あなた達の為にしてあげられないから! かわいい私の息子たち。』
・・・そう、書かれていたんだ。
▽
僕は、頻繫に僕に会いに来るこの若い女性をだんだんと“お母さんかもしれない”
そんな風に思うようになっていったんだ...。
そしてついに、、、。
僕は僕よりもこの若い女性をお母さんと認めたんだよ!
今では、お母さんと二人で生活しているんだ。
僕が65歳、お母さんは23歳。
見た目は、僕の方がお父さんで、お母さんは娘ほどの若さなんだけど...。
それでも、僕は、、、この女性を、、、!
『・・・本当のお母さんだと思っている!!!』
お母さんといると、、、?
懐かしい! あの頃の想いでの香りがするんだよ、、、!
最後までお読みいただきありがとうございます。




