浅瀬で溺れる
人恋しい日は、コンビニの店員にだって愛想を振りまく
その先なんて、きっとないけど
じりじりと減っていく財布の中身はなんだか切ない
人生をかけて手にしたものを、生活で失う
壊れてしまった携帯電話は役に立たないものね
退屈しのぎにもなりやしない
時間の隙間に、恐ろしいものが顔を出した
あの日誰かに笑われた自分、あの日笑われることを恐れた自分
退屈しのぎの最中で、
退屈していることに気づく
進んでいるはずなのに、さっきと同じところから動いていない気がする
周りが進んでいるとも思えないのだけれど
あの人みたいになりたいな
けれど、あの人になれたところで幸せなのか
小雨に傘はいらぬでしょう
濡らしとけばいいのだ、こんなもの
期待されないという不思議な安心
期待されたいと焦る自身の矛盾たるや
自分の足で立っているつもりが、誰かに寄りかかっているだけだと気づく
誰しもがそうだと思いたい
浅ましい。ああ、浅ましい
浅瀬で溺れているばかり