能力確認
無事契約はされアルスは強化という名の進化をして黒い毛皮に覆われ大きな筋肉はさらに力を増しトロールコングからナイトトロールコングになりました。
「前も大きかたけどさらに大きくなるのね」
2m半ほどだった体長も今は3mと周りの木とさほど変わらない大きさまで大きくなりとても動きにくそうです。
「今更だけどわたし全裸だしとりあえず服を作りますか」
鮮血武器を作る要領で血を触媒に服が生み出されていきます。
先ほどまで全裸だったのが嘘のように黒を基調とし青と白がアクセントの服、見た目は悪の元帥が着ているような黒いマント付きの服装でした。
どうしてこのような服になったかわからないのですが無いより良いでしょう。
「アルスは先ほどいた鹿のような動物を狩ってきなさい」
「ぐぉぉ」
アルスに命令与えると直ぐ様掛けていくので追加で命令を加えときます。
「できれば生きたまま捕まえてきなさい」
死んだものの血よりも新鮮な生きたままの血のほうがきっと美味しいでしょう。
地面の揺らしながら駆けるアルスの後ろ姿を見送りながら自分の能力の確認へと移ります。
この世界に魔法は存在している、だけど私には仕えない。でもそれはいい吸血鬼の能力はそれを補っても余りあるものだから。それでも転生したからには魔法の一つでも使いたいものだけどね。
この鮮血武器は恐らくわたしのメインの攻撃手段になるでしょう。様々な形の武器にそれぞれ特殊能力が付与され中にはえげつない物まで存在してありますし。
でもその前に身体能力とこの眼について把握しませんと。
先ほどは簡単に食いちぎられた腕ですが本来ならそんな簡単に千切られるほどやわでは無いのですがあれは単純にアルスが化物なだけです。
それに自覚してからは身体強化も使うことができるので今度はあそこまで簡単に食いちぎられる訳がありません。
試しにその辺の木に向かって腕を振るといとも容易く斬り裂くことができました。腕を振る一瞬の間に鉤爪を出せばこんな芸当も簡単に起こせます。
次に木の枝に向かって跳躍すると簡単に木の枝に乗れたので枝に飛び移りながら体の軽さやジャンプ力が高いのを確認していきます。
自分でも驚くほど素早く移動できて落ちること無く枝々に飛び乗ることができて段々楽しくなってきました。
考えてみれば昨日も転生した場所からかなり移動した気がするのでこの吸血鬼の体のせいだったんでしょうね。
さてあまり遊んでばかりでなく次の確認しますか。
ちょうどいい所にイノシシのようなものがいたので実験台になってもらいます。
イノシシを注視するとイノシシは苦しみ始めて数秒後絶命しました。
「魔眼強っ!」
まさかの一番チートは魔眼でした。
発動しただけで相手を殺すとか理不尽にも程があるでしょう。とはいえこの魔眼は正確には相手を殺す魔眼でなく体力を奪っていく魔眼なのでアルスみたいに強力な生物にはかなり時間がかかりますが弱者、強者ともに有効で強者との戦闘時使えば相手は体力が段々なくなっていくのにわたしは段々体力を回復していくという鬼仕様です。完全にラスボスですね。
それに魔眼はこれ以外にも相手を解析する魔眼に相手の動きを封じる魔眼など何個かあるのですが基本鮮血武器と能力かぶりが多いので基本相手の体力を奪う、奪の魔眼と相手をを解析する解の魔眼が主に使うことになりそうですね。
取りあえず殺したイノシシに近づきその首筋に思いっきりかぶりつきます。
口内に血液が広がり飲んでいきます。アルスの血と違い結構獣臭さがありますが悪くわ無いですね。
吸血鬼にとって血は嗜好品であり完全食でもあります。
極端に言えば吸血鬼は血だけで生きていけますし逆に人間のように食べ物で生きてくことができます。ですが吸血鬼にとって血は嗜好品といいましたがわたしみたいな高位の吸血鬼なら良いのですが下位の吸血鬼は薬物中毒者のような症状が出て血のため人間を襲いまくる者もいます。
特にわたしは血の摂取を考えなければ血を使う技が多いですからね。
「グルゥゥ」
どうやらアルスが帰ってきたようです。
腕の中には命令どおり鹿がおり強く頭を打ち付けられたのか昏倒してました。
「よくやりました!」
よくできたら褒めるこれを忘れてはいけません。
アルスも褒められて嬉しいようですし。ちなみにわたしの眷獣になった時に抉った眼は再生されています。
「さてさて今度はどんな味なんでしょうね」
アルスが鹿を地面に降ろしたので今度も首元に牙を立て血を吸います。
味の方はイノシシより獣臭さが無いですがその分深みもなく美味しいのですが物足りない感じですね
。
「今のところはアルスの血が一番美味しかったですね。人間の血はどんな味がするんでしょうねアルスよりも美味しいのに出会えると良いですね」
まあ人間の血は誰彼構わず吸うと敵を増やしすぎるのでしませんが処女の血はほんとに美味しいのでしょうか?
その前に人と合わないといけないんですけどね。
「血抜きはわたしが全部血を吸ったので必要ないのでそこの二匹を担いであの大木に行きますよ」
「ぐぁぁ」
軽々二匹の獲物を担いだのでわたしもついでにアルスの肩に飛び乗ります。
そろそろ遠くのほうが赤くなってきたのでゆっくり揺られながら帰路につきました。
奇跡的な連続投稿いつまで続くかな。