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吸血鬼の冒険録  作者: ノア
第一章 聖女の葛藤
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聖女の実力

「はっ!」


 アリスは男の懐に潜ろこむと腹部へと殴りかかった。

 腹部に拳を受けた男性しかし即座にアリスを剣で斬りつけるも軽やかなステップにより回避され逆に回し蹴りを受けてしまう。


「流石に噂ばかりの拍子抜けではないようだな」

「白き精霊よ響け 白の滅異ホワイト・グリム


 白いローブの女性が放った白い閃光がアリス目掛けて無音で迫ります。


 仲間すら巻き揉む攻撃、どうも連携という概念はなさそうですね。

 どちらもかなり強いのでしょうから普段は連携なんて必要無いのでしょうけどここではそれが仇になってますね。


「我が障壁となせ 魔法障壁マジックバリア

「剣牙 赤零セキレイ


 アリスの周りに薄紫色の障壁が現れローブの女性の攻撃を防ぎました。

 だけどそのスキを突きマントの男がアリスに赤いオーラを纏った剣で斬りかかり魔法障壁を完全に破壊されてしまいました。


 だけど破壊された瞬間弱まった一撃を男の腕を掴み完全に殺し捻りながら投げ飛ばします。

 男の方も踏ん張ったのですが有利な体勢をアリスに取られていたため甲斐なく飛ばされました。


「くっ!」

「チャンス、白は蛇となりて彼の者を止めよ 白蛇の束ホワイト・スネーク


 男の方は受け身を取り壁に着地してから床に降り、女性が放った魔法は十数匹の白蛇になりアリスへと襲い掛かりました。


「邪魔ですよ、 風の刃ウィンドスラッシュ


 白蛇に向けてアリスが無詠唱で発動した風の刃ウィンドスラッシュが白蛇を切り裂き血しぶきが飛びました。

 なぜ魔法に血が?と思ったらその血が煙となりアリスを襲います。


「しまっ……」

「レイド行け」

「分かっている、剣牙 双終そうつい


 アリスに赤い煙が纏わりつき動きを封じています。

 体を必至に動かすも振りほどくことができず、そこをレイドと呼ばれた男が即座にアリスへ向けて走り出し高速の二連撃を放ちアリスを切り裂きます。


「くっ! 我に癒しの光を ヒール」

「流石に簡単にはいかないか」


 斬りつけられアリスから血がにじみ出ましたが即座に回復魔法を使用したようでみるみる傷口が塞がっていきました。

 

「また近くに来ましたね」

「全く怯まないのかこの化物目め」

「それはお互い様ですよ、風撃」


 アリスの右手に風の刃のようが纏わりつくとそれをレイドに叩きつけ即座に白いローブの女に向け走り出しました。

 レイドは腹部に打撃の跡と無数の切り傷から血を流しておりダメージが思いの外大きかったのか追撃が間に会いませんでした。


「遠距離の魔法師を先に倒すのがセオリーでしたよね」

「舐めるなよ!そこいらの軟弱魔法師と同じと思うなよ」


 白いローブの女はアリスの拳を杖で受け止める、更にアリスは連撃を放つが器用に杖でガードし続けます。

 だけどアリスが杖を掴み取り躊躇いなく女の顔を殴り女は口が切れたのか僅かに血を流しています。


「良くもやりやがったな、白の茨ホワイト・スオン

「痛っ」

「弱点は補うのも基本だぜ聖女さん」

 

 アリスの握っていた杖から白い茨が突如現れ無残にもアリスの手を突き刺した。

 色白の綺麗な手からは血が流れるも再度回復魔法を使用したのか傷跡は既に見当たりません。


 更に女との攻防が続きますがやはり近接戦闘ができるとは言えそれはおまけ程度のようでアリスがドンドン押して行ってます。 


「レイド早くしやがれ、近接戦闘じゃ分が悪すぎる」

「準備はできている行くぞ聖神教の聖女」

「ホント、二人相手じゃなきゃもう少し楽なのに」


 女との攻防最中に襲いかかるレイド、アリスは即座に女を蹴り飛ばしレイドを迎え撃つ。

 渾身の一撃がレイドを捕らえた瞬間、ガキンっと何かに防がれてしまいました。


「唯神教の守護宝石ですか、噂に違わぬ硬さですね」

「だろう?剣牙 鈴爽」

「終わりだ、ついを奏でろ 終末を知らせし白金ホワイト・ベル

「舐められたものですね 風装エアロイド 一節 双破」


 両手から繰り出された打撃は女を切り裂き守護結界をも一瞬で切り裂いた。

 打撃に風魔法が乗ったことで斬属性まで追加されたようですね。


 それにしてもわたしが切り裂けなかった守護結界をいとも容易く壊すとは強いですね。

 

「それが聖女の属装の一つの風装エアロイドか、一撃で山を切り取ったとは眉唾だったが完全体ならたしかにやれそうだな」

「残念ですが山程度ならこの状態でもいけますよ 三節 風烈」

「ちっ、剣牙 防爪」


 アリスの拳とレイドの剣がぶつかり合い激しい音が鳴り響きました。

 その後いくらかの攻防を経て両者睨み合っています。


「想像以上だ、仕方ないシェリア使うぞ」

「だな、まさか唯神教の使徒たる俺らが能力を使っていないとは言えこうも押されるとわな」

「使徒の秘術使わせると思っているのですか?」

「使徒を舐めるなよ」


 そして場の空気がわり使徒の二人から赤と白のオーラが漏れ出しています。

 そろそろ終盤のようなのでここいらで応援の声でも掛けましょうかね。


「アリス頑張るのですよ、そのまま押し通しなさい」


 そんなわたしの声援にアリスはニッコリと顔を向け言い放ちました。


「フェイス終わったならこちらを手伝って下さいよ!能力使用の使徒二人相手じゃきついんですから」

「わたしのノルマは終わっているのに……」

 

 わたしの周りには既に絶命した血だらけの聖騎士たちが横たわっています。

 

 まあこれ以上見ているだけだと後でしこたま文句を言われそうなのでわたしもやりますかね。


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