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吸血鬼の冒険録  作者: ノア
第一章 聖女の葛藤
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聖女再び

「容赦ないですね」

「血塗れの聖女に言われたくないよ」


 なんですかこの前の人とホントに同一人物なのですか?

 弱音を吐いて迷い直向きに考えてた子とは到底思えません、だって拳には血がべっとりと服にも返り血がついているんですよ!


「やっぱり聖女と知っていたのですね、あまりにも普通に接するので気づいていないと思いましたよ」 

「姿形は知らなかったよ、でもひと目見てわかったよあなたが聖女って」

「そうでしょう、そうでしょうわたしから溢れる出る神聖なオーラは隠せきれるものではありませんからね!」


 たゆんたゆんの胸を張りながら自信満々に答える聖女。

 ホント性格変わってますね。


「あの夜のしおらしさは何処に……」

「だからあの時も言ったでしょう次はしっかりした姿を見せるって。あの時はちょうど弱っている時にお酒が追加されて余計に酷くなっていただけですから。

 第一分かっているんですよ、わたしの理想はただの理想それを現実にするにはとてつもない量の血が流れることも。でも幼いころの夢はそう簡単に諦められるものではないじゃないですか」

「そこまで分かっていても諦められない夢なんでしょう、良いじゃないですかいつだって叶えられるのは夢で叶えられないのも夢です。

 ですが諦めたら可能性は0ですが諦めなければ0に限りなく近くても0になることだけはありません、諦めなければ夢は叶うとは言いません、ですが夢がなければ叶うものも叶いませんよ」

「そうですね、ずっと前に平和な過程は諦めました、ですが必ず平和の結果は生み出します例えそれが血塗られた過程を経たとしても……わたしは理想を現実へとします」


 覚悟を決めた顔ですね。

 聖女が欲していたのは本音を言える相手だったのでしょうね、周りには間違っても大量の死の上の夢など語れないし綺麗事しか言えなかったでしょうから。


「さて、わたしの戯言に付き合ってくれた事に感謝します。誰かに話すとこうも楽になるのですね。

 結構辛いんですよ自分一人で背負うというものは、ですがわたしに平然と話しかけてきたあなたに会えてよかったです。 


 であなたは何者ですか?」


 瞬間空気が変わりました。

 聖女から発せられた柔らかなオーラから全身凍てつくような冷酷なオーラへと変貌し、先ほどの悩めるも覚悟を決めた顔から敵へ向けるような殺気を含んだ顔へなりました。


 こうも即座に変えられるのはすごいですね。


「修道服を着ていますがあなたみたいな人はここにはいません。唯神教の者なら残念ですがここ捕らえます、残念ですよやっと友人になれそうな人に会えたのに」

「確かにわたしは聖神教の者ではありません、ですが唯神教な訳でもありませんよ」

「その言葉を信じろと?ならどうしてここに」


 油断なくいつでも攻撃に移れる体勢を取りつつ聖女は続けます。


「既に遅いけど用はあるよ、まともに行って聖女に会えないから侵入したんだ」

「用ですか、確かに通常の方法ではわたしには会えないでしょうね。それで用とは?」

「唯神教についてだよ、イールス伯爵の所でいろいろあって尋問したら街での陽動と聖女の暗殺って聞いたから伝えに来たんだけど遅かったようだね」


 そういった瞬間、張り詰めた空気は霧散し先ほどの聖女に戻りました。


「どうやら嘘はついていないようですね、神殿騎士が慌てて出動していたのはそういう理由でしたか。それで空いた穴をついての精鋭の侵入やられましたね。

 神殿内の人がうまく逃げれていれば良いのですが……向こうの狙いはわたしのようですし無理に追ってまで殺すことはしないと思いたいですね」


 唯神教もわたしがイールス伯爵家で暴れたせいで予定が繰り上がり余裕がある訳ではないでしょうから早急に聖女を殺したいでしょうから神殿内を皆殺しをすることはないでしょうから聖女の心配するような事はないと思いますね。


「そういえば聖女の名前ってなんていうの?」

「こんな時に唐突ですね、わたしはアリセス・ローキュリー気軽にアリスと呼んでくださいフェイス」

「ずっと聖女じゃ仰々しいじゃん、折角友人になりたいとか言われたんだから。友人なら名前くらい知ってないとね」

「そうですか、友人と呼べる人はいないのでうれしいですよ」


 嬉しそうに顔を緩めるアリス。

 聖女にいつなったか知りませんが同い年の人からでも友人ではなく一歩下がった接し方ばかりだったのでしょうね。その点わたしは聖女って肩書くらいじゃ動じませんからね。


「で、アリスやっと来たようだよ」

「みたいですね、名残リ惜しいですがまた後でにしましょう」


 幾つもの足音が聞こえ次第にその足音は大きくなってきました。

 そして部屋に入ってきたのは五人の人で三人は騎士の鎧を身に着けもう二人の内の一人は赤いマントを羽織った男性で、もう一人は白いローブを羽織った女性でした。


「仰々しいですね、まさか小娘一人に唯神教の使徒が二人に聖騎士が三名ですか」

「ふんっ予定は狂ったがここまでだ命は貰うぞアリセス」

「名前で呼ぶことは許可してませんよ」


 使徒?なんですかそれは見る感じ聖騎士よりも上の人達のようですが増やさないでほしいですね。


「あははっ、うちらの聖女様と違ってかなり強いようだけどわたしたち相手に何処まで持つかな」

「いいでしょう見せてあげますよ聖神教の聖女の実力を」


 白いローブの女性の杖を構えアリスは拳を握り構えます。


「フェイスいくらわたしでも使徒二人と聖騎士三人を相手するのはきついです。ここまで来れたのですからそれなりの実力者なのでしょう聖騎士を頼めますか?」

「勿論、頑張りなよアリス」

「フェイスこそ」


 わたしは聖騎士前に飛び出て、アリスは使徒に肉薄し唯神教との戦いの火蓋が切って落とされました。

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