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吸血鬼の冒険録  作者: ノア
第一章 聖女の葛藤
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襲撃

 さくっとオックス商会に世界樹の葉と枝を渡し代金を受け取りました。

 オックスさんが涙ながら感謝していましたがゆっくりしていられないので早々に後にします。

 

 なぜ寄ったかはこの後何があっても良いようにお金だけは確保したかったからです、無いと思いますが負けた場合も考えて備えないと逃げた時苦労しますからね。


 聖金貨は金貨や白金貨よりも一回り大きいですが九枚だけなのでかさばりませんでした。

 アイテムバックに入れるので関係ないように見えますがアイテムバックも容量無限ってわけではありませんから節約できるのならした方がいいですからね。



 オックス商会を出るとまだ何も起こって無いようで楽しそうに街を歩く人が見られました。

 そんな街道を進んでいくと神殿へとたどり着きました。


 この前は正面でなく側面、しかも夜中だったので昼間に正面から見るとより高く神聖な感じがしました。

 神殿の入り口は賑わっており多くの人が出入りしています。


「伝えるにしても信じますかね?まあその時はイールス伯爵を呼びますか」


 とりあえず神殿内に脚を踏み込むと中は広い聖堂のようにになっており端の方に椅子がありその中でも大きく際立つ像、恐らく女神ソルシアでしょうかそのソルシア像に多くの人が祈っております。

 そのソルシア像の周りに修道服を着た人が点在していたので一人捕まえて聖女に会えないか伝えたところ優しく丁寧に拒否されてしまいました。

 あまりにも丁寧だったので言い返すことも忘れてしまいましたよ。


「仕方ない、やはり直接会いに行きますか」


 修道服の人が出入りしている入り口を発見したので侵入を試みます。

 扉の前に神殿騎士が構えていたので物陰で服装を修道服に変え素知らぬ顔で通ると特に止められることもなく侵入に成功しました。


 服装は変えようと思えば変えられるのですが、どうも普段使用している服以外は集中しないといけず尚且つ血の消費も段違いなのであまり使用したくありません。

 

 神殿の中は迷路みたいになっており、なかなか聖女の元にたどり着けません。

 元々居場所など知らないし、そう思ったらこの前会ったところが聖女の部屋じゃないかと考えとりあえず上へ登ることにしました。


 たまに人と会いましたが堂々として笑顔で挨拶すると案外気づかれませんでした。

 やはりこう大きい場所だと全員の顔を覚えられる訳無いですよね。


 階段を登っていくと次第に会う人が少なくなったので一般の人が来にくいことから聖女がいる可能性が上がりましたね。

 そんな中わたしの鼻が血の匂いを感じ取りました。それも濃密な血の匂いをです。


 登るのを取りやめ急いで匂いを辿るとそこには血まみれで倒れていた神殿騎士がいました。


「大丈夫ですか、何があったのですか」

「うっ、唯神教の奴らが……聖女様を……」

「わかりました後はゆっくりしていて下さい」


 唯神教はもう既に内部に潜入していたのですね。

 なら外では既に戦闘が始まっていてそちらに騎士が向かっているのでしょうだからそこまで人と会わなかったのですね。


「キャァァ」 

「向こうですか」


 奥から女性の悲鳴が響いてきてわたしは即座に駆け出します。

 倒れている神殿騎士には申し訳ないですが残念なことにわたしは回復魔法は使えないのでどの道何もできません、それなら追いかけるのが優先でしょう。


 本気の走りで駆け曲がり角を曲がった先には今にも剣を振り下ろそうとする騎士と涙を流しながら怯えている修道女がいました。

 流石に騎士のほうが聖神教とかは無いと思うので騎士と修道女の間に割り込み振り降ろされる剣受け止めます。


「何っ!」


 血の鉤爪を全て出さす表面を覆うだけで止めたので騎士からは素手で受け止めたように見えて驚いたようですね。

 表面だけなので通常よりも耐久率が低いですが身体強化と併用すれば剣くらい余裕で受け止められます。


「異教徒は殺すぞやれ!」

「はっ」


 即座に両脇から騎士による挟撃が来ましたが剣を叩き折り目の前の騎士を蹴り飛ばした後両脇からの剣戟を掴み壁に叩きつけます。

 くぐもった声を出しながら床へと落ちる騎士達、こいつらも聖騎士ではなかったようでね既に聖女の元に向かったのでしょうか?

 

 とりあえず泣いている修道女に声をかけますがまだ現状を把握しきれていないのか餌付いてますね。

 まあ仕方ありませんかいきなり剣を向けられた恐怖は下半身のシミが表していますしね。


「とりあえずここに留まる方が危険だから逃げたほうが良いと思うよ。ああ回復魔法が使えるなら向こうに騎士が倒れていますから一緒に逃げるほうが安全だと思いますよ」

「つ、使えますけど。奥に聖女様が……」

「わかりましたそちらにはわたしが行きますから早くお逃げなさい」

「はっはい、ありがとうございます」


 修道女はなんとか立ち上がってゆっくりと逃げていきました。


「さて、とどめを刺しますか」


 ドスッ、ドスッ、ドスッ


 倒れている三人はただ気絶していただけなので頭を踏み潰して殺します。

 敵に容赦なんかしません最早情報を聞く意味もありませんしね。


 脚にドロッとした血が纏わりつきましたが気にしません。

 血の足跡を残しながら向かいます。


 ドゴンッ 


 大きな音とともに突如目の前の扉がはじけ飛びながら粉砕しました。

 目の前に倒れ込むのは先ほどと同じ鎧の騎士で血を吐きながら気絶したのでとりあえず頭を踏み潰し殺しておきます。


「あら、あなたはこの前の」


 壊れた扉の先に佇んでいたのは拳を血に染めた聖女でした。

聖女様やっと登場!

なのに拳は血塗れとか皆さんの聖女イメージがやばくなっていそうですね。

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