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吸血鬼の冒険録  作者: ノア
第一章 聖女の葛藤
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強襲

「で姫はどうだったんだ?」

「山ほどの不正書類をそれで場所は分かった?」

「ああ、まず間違いなく奴が世界樹の葉と枝を持っている取引相手は他国の貴族ようだな場所はそいつに屋敷だ。それで既に取引場所に移動中のようだな恐らく既についてる頃だそこに世界樹の葉と枝があるだろう」


 グランと合流したわたしは現在路地の隅で情報交換を行っております。

 ですが時間がないようですねすぐさまグランと移動を開始しました。


「姫これからどうする?」

「世界樹の葉と枝が確実にあるなら一気に仕留めるよ。まどろっこしいのはさっきの潜入で懲り懲りだからね」

「そっちのほうが俺好みだぜ」

「じゃあ案内しなさい!」


 そうして案内されながら向かった先は石造りの大きな屋敷で門の前には二人の門番、その奥に見覚えのある馬車がありハゲデブバカ親父は間違いなくここにいるようですね。

 貴族の屋敷を襲えば問題になるでしょうが目撃者がいなければ関係ありませんよね現在わたしたちは深めのローブを被っているのでバレないでしょう。屋敷内の人は目撃者を消すか記憶を消して対処しましょうか。


 今更ですが入り口の真偽看破は計画的な犯罪は防げても今回のような突発的な犯罪は防げませんよね。

 まあ奪われたものを奪い返すだけですから犯罪ではないんですけどね。


「では行きましょうか」

「いっちょやってやるか」


 そう言い門に向かって歩いていきます。

 深くローブを被った見るからに怪しい二人組に警戒する門番ですが門番ごときに時間を取られたくないので先ほどのようにならないように威力に気をつけて麗の魔眼を発動し門番を魅了状態にし門を開けさせ堂々と正面から侵入しました。


「なあこれ俺必要だったか?姫のその魔眼で大概どうにかなるぞ」

「一々魅了してから記憶の改竄をするのは面倒なのですよですが外では面倒にならないよう使いましたが屋敷内では使用人などは魅了せずあとでまとめて記憶を改竄しましょう。なのでグランは屋敷の周りで逃げ出す人がいたら手荒でいいので阻止して下さい」

「了解した任せとけ」


 そう言ってグランは門付近で待機しましたのでわたしは玄関に向かいます。

 

 玄関を開けた先はさすが貴族の屋敷というべきか高そうな品がわたしを歓迎してくれていますよついでに使用人らしき人も居ますね。

 いきなり入ってきたわたしに驚く使用人たちだけどわたしは気にせず進みます。


「失礼どちら様でしょうか?只今主様は取り込み中でして」


 初老の執事らしき人が話しかけてきましたが門番が門を開けたことからわたしを不審者かどうか判断しかねているようですね。なのでわたしは不審者らしく振るいます。

 紅『ルート』を作り切っ先を向け問いかけます。


「その主は何処だ大人しくすれば命は助けてやる」

「なっ!?」


 わー完全な悪役なセリフですよですが気にする必要はないですね向かってこなければ本当に生かすつもりですしこの恐怖もあとでなくしますし気にしませんけどね。

 怯える執事とメイドですがやることはしたようで警備の人が駆け寄る音が聞こえます。それにこの執事怯えてますが自分の命を使ってもわたしを足止めする気のようですしここの貴族は良い使用人に恵まれていますね。


 直ぐに剣を持った警備の人が10人ほど駆けつけてわたしを取り囲んでいきます。


「大人しく投降するなら無駄な怪我をせずに済むぞ武器を手放し手を上げろ」

「それで投降するくらいならわざわざ来ないよ」

「なら遠慮はしないかかれ!」


 隊長らしき人の号令で向かってきたので振られる剣を避け一人に蹴りを入れさらに別の人を殴り飛ばし隊長の剣を『ルート』で受け止め弾き飛ばし切りつけます。

 辺りに血しぶきが舞いますが浅く切ったので死にはしないでしょう。他の警備の人はその一瞬の攻撃に驚いたのか冷や汗を流し動けないでいます。


「やらないなら行かせてもらうよ」

「くそっ!」

「副隊長の敵だ!」


 二人の男性ががむしゃらに切りつけてきますがそんな剣でわたしに届くはずもなく二人を逆に切り裂き歩み始めました。

 

「生きていると思うから早く手当をした方がいいと思うよ」


 そう言い残して階段を登り人が集まっている部屋に向かいます。

 警備の人達はわたしを追うのを諦めたのか怪我人の手当をし始めました。


 まあ諦めたというよりもこの先の強い人に任せたってことでしょうね。

 人が集まっているであろう部屋に強い気配が2つほど感じるので近衛護衛でしょうですが強いと言ってもグランほどではないのでどうとでもなるでしょう。


 きれいに整った廊下を歩き目的の部屋まで歩いていきますが部屋で集まっている人達が一向に逃げる様子がありませんね迎え撃つ気でしょうか?まさか強襲に気づいていないわけでもありませんでしょうにまあやることは変わらないのでいいんですがね。

 まあ迎え撃つきなら乗ってあげましょう。


 そして集まっている部屋の扉に手をかけた瞬間扉を破壊しながらわたしに斬りつけてきました。

 即座に避け斬り返しますが後ろに避けられ距離を取られてしまいましたね。しかも後ろにもう一人待ち構えていますし。


「避けられたか、だが次はそうはいかんぞ強盗めこの屋敷を狙ったことあの世で後悔しろ」

「やれるもんならやってみれば」


 そしてわたしの挑発とともに男が動き出し戦闘が開始されました。


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