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吸血鬼の冒険録  作者: ノア
序章 吸血姫と世界樹
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初戦闘

深く考えずさらっと読んでね。

 たっぷりの睡眠をとり気分は最高潮!

 だけどお外は真っ暗、転生二日目にしてまさかの昼夜逆転生活。


 悔いても仕方ないのでとりあえず溢れ出ている水で顔を洗い気を引き締めます。

 木から出ている水なのでキンキンとまではいかないけど程よく冷たくて目は完全に覚めました。


 とりあえず朝まで待つのは時間が勿体無いので危険を覚悟で周囲を探索します。それにわたしは転生者チートの1つや2つあるに決まってます。


 わたし? あれっ昨日まで俺って言ってましたよね。それに口調もなんだか穏やかになった気がします。


「…………」


 いや確実になってますね。これも転生のせいで精神が肉体に引っ張られていることなのでしょうか?別にいいんですけどね特に一人称も口調もこだわりがあった訳ではありませんし。

 どうせ元の世界に戻れるか分からないのですしむしろ少女の姿で俺って言うよりもわたしの方が自然ですしこのままでいいでしょう。


 さて今必要なことは情報ですね。場所は森って言う事しかわかりませんがこの部屋に入る時に周囲を見渡しましたが遠くに崖が見える以外はずっと森でしたね。こうなると人と接触することは困難でしょうから当面はここでの生活を行いながらわたしの力の確認ですね。

 どうせ危険が多い世界なのでしょうからある程度戦えるようになってから長距離探索に移行しましょうか。


 入り口の葉をくぐり抜けるとそよ風が心地よくうっすら奏でる虫の音がなんとも心地よく、闇を照らす月光を浴びると不思議と活力が漲ってきます。


「不思議だね、朝日は気持ち悪かったていうのにこの月の光は心地いい」


 まあ朝日が気持ち悪かったのは徹夜ハイテンションで森を駆け巡ったからでしょうけど。

 

 わたしは大木を降り昨日見つけた甘じょっぱい味がする赤い木の実を採取して幾つか食べます。

 でも変なことに空腹感は確かに収まっているのですが微妙に何か足りない感じがするのですよね。言うなればお腹がいっぱい食べたはずなのに空腹感が収まらない感じです。

 

 これは少しやばいかもです。きっとこれはこの果物にはあまり栄養が無いのですねもしくは偏った栄養しか含まれていないとか。

 そうですきっと私には動物性タンパク質が足りないのですね。そうに決まってるはずです。


 でもこの森に動物はいるのでしょうか?一応警戒はしていましたが昨日から獣一匹見当たりませんけど。

 広大な森ですし人はいなくても狼やら鹿やらはいると思うのですけど……


「少し奥まで探してみますか」


 如何せん今は裸、防具なし防御力0状態に武器もなしですけど木の枝から槍もどきを石と木の棒で斧を作る程度の知能は余裕であるしきっとあるであろうチート能力で余裕でしょう。

 なので堂々と胸を張って森の奥へ進みます。あまり胸は無いですけど。


 とは言えまずは偵察でどのような生物がいるか確認してから罠なり武器を制作して挑むべきですからやっぱり隠れつつ探しますか。

 


 おかしいです。獲物が見当たらないです。結構大木から離れてしまいましたが大木は他の木より抜き出て大きいのでここからでも目印になるので帰ることはできるのですが何の成果もないので帰れません。

 おかしいでしょ!どうしていないんですか、森ですよ森普通は多くの生き物が弱肉強食の世界で生きているはずでしょ。どうして虫一匹いないんですか!


 地団駄を踏みましたがこれが無意味なことは分かっていいますがしたくなりますよ。

 しかしいつまでもうじうじしていられません、いないならいないで早々に動物や人がいる地域まで長距離移動も考えなきゃいけないので一端大木に戻ろうとした時カサッと待ち望んだ音が聞こえたのです。


 直ぐ様わたしは体を低くしながら木の陰に隠れて音がした方を覗きます。すると大きな角を持ったの鹿?のような動物が佇んで草を食べていました。

 わたしは小さくガッツポーズをしました。肉食動物なら命がけになるので躊躇しましたが草食動物なら罠と槍か斧でなんとか仕留めることができるでしょうから良かったです。


 そして獲物を確認したのでゆっくりと後退し大木の中で罠や武器を作ろうしたわたしは忘れていたのです。捕食者がわたしだけではないと。わたしも自然界からは捕食者であると同時に被食者であることを。

 

 いきなり横からの衝撃を受けたわたしは数m飛ばされ地面に叩きつけながらさらに数m転がりました。

 初めての強烈な痛みに涙目になりながらもわたしをふっ飛ばした相手を見ました。


 そこにはゴリラのような生物がいた、だが発達した筋肉はテレビで見たゴリラの数倍はあり巨大な体は多くの傷を纏い右手には棍棒のようなものを携えていた。

 わたしを睨むその目は確実に捕食者のものであり歴戦の戦士のようにも感じた。


 逃げようとも考えたが即座に切り捨てる。見た目は筋肉質で俊敏に動けなさそうだが直感で逃げ切れないと分かった。

 なら戦うしか無い。それしか道はない。


「できれば魔法あたりが使えると良いんだがな」

 

 精一杯自らの内の力を手のひらに集め放出するイメージを構築していく。

 ゴリラはわたし目掛けて突進してくる。


「ファイアーボール」


 自らの力を解き放つ。


 だが虚しくもそれは発動しなかった。


「まじかよ」


 ぬかった。驕った。転生したからチートを持っていると当然に考えていた。

 命の危険があっても何とか成ると舐めていた。

 もしくは現実ではないと考えていたのかもしれない。


 全ての過程が、わたしが舐めていた過程からこの結果(死)が来たのかもしれない



 そして目の前のゴリラは右手の棍棒を振り上げた。

 ゆっくりと振り落とされるように見える棍棒を避けれず地面に叩きつけられゴリラの左手に捕まる。


 喰われる。そう感じたがせめて最後のあがきと奴の右目を左だり手で抉る。

 グチャッと気持ち悪い感触とともに痛々しゴリラの雄叫びが辺りに響きわたしを掴む力が一層強くなった。

 

 不思議と痛みというものはなかったが確実に私の体は悲鳴を上げている。

 そして怒り狂ったゴリラは口を開き私の左腕を食いちぎった。


 辺りに鮮血が飛ぶ。


 だがそれが全ての始まりであった。



次回はいつになるのか!


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