転生初日はハイテンション!
「んっ ここはどこだ?」
俺が目覚めると草木生い茂る森の中にいた。
右を見ても左を見ても木に木に、さらに木。
「何で俺はこんなところにいるんだ?」
よーく考えるんだ俺。まずは直前の覚えていることから推測するんだ。
まず学校が終わった。よしここまでは覚えている。
次に友人たちと駄弁りながら駅前の商店街でコロッケを貪り食ったな。そういえばお腹すいたな。
「考える前に何か食べ物でも探すか幸いその辺の木に果物はなっているようだし。食えるか知らんけど」
起き上がり近くの木の根本まで歩いていくと木の上にはりんごのような赤い実がなっていた。
木の幹に手をかけてスルスルと思ったよりも楽に木を登る事ができ木になっていた赤い実を2、3個もぎ取り地面へと落としてから今度は慎重に降りていった。
「流石に毒はないよなキノコじゃないんだし」
赤い木の実は艶があり果物特有の甘い臭いが漂ってきた。
躊躇わずにかぶりつくと口内に甘じょっぱい味が広がった、りんごみたいだからと味も近い予想してた分驚いたがこれはこれでうまいのでOKだ。
とりあえず同じ木の実は周囲にいくらでもあるので食べ物に困ることはなさそうだな。
「まぁ登っている時気づいたんだがこれはやっぱりあれだよな」
登っているときにちらちらと視界の隅に映った長い銀髪。言っておくが俺は長髪でもなく銀髪でもない。
何より決定的なのは小さい膨らみの胸に息子のいない下半身。
「転生、……しかもTS転生かよ」
一応まだ夢の可能性もあるけど現実だと思って行動しといて損はないよな。死んで夢じゃなかったら笑い事になんねーもんな。
でも本当に転生なら向こうの俺は死んだのか?考えても結果が出る問題でもないので今は保留にしておく。
「てか転生ならせめて服ぐらいおまけしてほしかったな」
幸か不幸かそんなに寒くない気候のようなので裸でも何とか成るんだが、文明人としては服や下着がほしいところだな。てか虫が怖いし。
とりあえず人と会いたいがこの姿じゃただの痴女出しな、かと言って森のなかで服を見つけることも無理だろうし作る技能も無いしな。
「悩んでも仕方ないしとりあえず雨風凌げるところを探そう」
色々考えるにしてもこんな開けた場所では獣に襲われかねないし安全なところに行きたいな。
とりあえず俺は当てもなく森を彷徨うことになってしまった。
やばい、ほんとにやばい周りが草木だけだと方向感覚が全くなくなる。たまに岩や枯れ木を見つけて目印にしても目の届く範囲から外れると直ぐにまた場所がわからなくなる。
そんなこんなで彷徨い続けて何時間かは分からないけどすっかり夜になってしまった。
「ははっ、なんか疲れてきたのかな逆にテンションが上がってきたな」
そうなのだずっと彷徨い続けて疲れが来ないと思ったらハイテンションになってしまった。
今は驚きのほうが強いから良いがこの何でもできるこの感じ……案外心地良いな。
「とりあえずこのテンション持つまでひたすら探すぞ!」
そして俺は駆け出すまだ見ぬ安住の地を求め駆け出した。
後々気づいたが全裸の女が叫びながら夜の森を駆ける図はとてつもなくシュールだなと。
そして朝方まで高笑いとともに走り続けてやっとの事探し出した安住の地は洞窟ではなく一期は大きく周囲は何十mもありそうな大木の根本付近にある穴でした。
「おえっ、なんか気持ち悪くなってきた」
明らかに夜中の変なテンションのせいで朝方から本当なら清々しい朝日を浴びスッキリするはずなのに逆に朝日浴びて気持ち悪くなるという最悪な一日の始まりを経験しました。
だけど見つけた大木の穴は入口は狭く奥は広いと言った絶好の環境で入り口は少し木を登らないと行けないので獣では進入不可の上に俺の姿が余裕で隠れるほどの葉が落ちていたのでそれで入口を隠す事によって鳥の目すら欺く仕様です。
さて外装はここまでにしておいて次は内装です。内装は木を基調とした自然味あふれる感じで更には時折ある凹凸をそのまま利用した椅子や机はこちらも自然見溢れる内装です。まぁそのままというのが正しいんですけど。
ついでに木を少し傷つけたら水が溢れ出てきたので飲水の確保も万全。ホントは甘い樹液を期待したのですけど。
とりあえず衣食住の食と住はなんとかなったので一休みついでに寝ます。
木なのに思ったよりも床は固くないのでちょっした出っ張りを枕代わりにして入口にも使用した葉っぱを上からかけてれば簡単な布団ができました。
そのまま目を閉じるとやっぱり疲れていたのか直ぐに夢の世界へと旅立っていきました。
次の更新があるかわからないシリーズ始まりました。
乞うご期待!しちゃうとがっかりするかも。