表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/23

6.リアルにて

「次はMPポーションか・・・」

俺は、ミリアさんの店をでて、次にMPポーションを買いに行こうとしていた。


しかし、突然、メッセージが来たので俺は移動をやめ、メッセージを確認した。

『イマージョン連続使用時間が4時間を超えました。休憩をおすすめします。』

どうやら連続で遊んでると注意のためのメッセージをイマージョンが送るようだ。

時間を確認したら、もう夕食の時間だった。


「もうこんな時間かよ・・・」

飯をすっぽかしてゲームなんてしていたら家族にゴミを見るような目で見られることが容易に想像つく。

俺はすぐにログアウトした。




「はぁ~・・・疲れた・・・」

遊んでいる時はあまり疲れを感じなかったが、イマージョンを取り外した途端、一気に疲れを感じた。

俺はイマージョンを机の上に置き、ゆっくりと体をほぐしていった。



「優木ー!ご飯だからテーブル用意してー!!」

俺がそんなことをしていると、キッチンから母さんの声が聞こえた。家族内ではテーブルに箸や水を用意するのが俺の担当だ。


俺がテーブルを用意している間に母さんが料理を運んできた。


「げっ・・・」

今日はトマトグラタンだった、母さんはよくテレビや雑誌にのっている料理を作ってくれるのだが、当たり外れが大きかった。

それに俺はトマトが嫌いで。小学校の頃はいつも友だちにあげたり、残したりしていた。


だけど俺は苦手だからといって食べることを拒否するほど親不孝者でもなかった。

これは苦痛を感じながらもトマトグラタンを食べることにした。


親父はテレビを見ながら箸を伸ばしていた。昔は母さんが「食事中くらいテレビを消してくださいよ、あなた」と言っていたが、親父にとって食事中のテレビは何よりも欠かせないもののようで、母さんは諦めてしまった。


テレビではイマージョンについてのニュースをしていた。

どこかの偉い大学の教授がゲストとして呼ばれていて、「イマージョンの登場でますます引きこもりが増える」だとか「今までのゲーム機と違って体に掛かる負担が数倍で危ないものだ」とかなんとか言っていたが、学生である俺にはあまり興味なかった。


「大丈夫なの?、イマージョン、今日届いたんでしょ?」

だが母さんはこういうのを真に受ける人だった。


「疲れはするけど、連続で遊び続けるとちゃんと注意されるし、結局は遊ぶ人次第だよ」

俺は正直に言った。


「それでも、あんまり遊び過ぎないようにね?」

それでも母さんは心配なようだった。


「わかってるって」

俺と母さんがそんな会話をしていると


「優、お前はどんなゲームしてるんだ?」

と親父が訪ねてきた。優は俺の愛称で、親父の人の名前を略す癖が原因だ。

それにしても、親父がゲームについて聞いてくるなんて珍しい、親父はゲームに興味がなかったはずだが。


「いや、俺の会社の若い連中もイマージョンの話で盛り上がっていてな、話題についていけないんだ。」

「あー・・・」

確かに親父には話題に付いて行くのは難しそうだ。


「アルカディアっていうMMO・・・ファンタジーみたいなゲームで。俺は・・・」

歌姫やってる・・・と言いそうになったがやめた。絶対になんか言われると思ったからだ。

「さ、サポートみたいなことやってるかな」

嘘はついてない、歌姫はサポート型のクラスだし。


「ファンタジーか・・・競馬のゲームとか無いのか?」

親父はあまりファンタジーは興味なさそうだった。

競馬・・・それはそれで面白そうだけど、俺ならすぐに飽きそうだ。


「あなた・・・」

母さんが怒気を混じえた声でいった。

母さんは競馬とかパチンコとかを毛嫌いしており、親父にもそこだけは厳しくしていた。


「じょ、冗談だ。」

親父はちょっと青ざめながら食事に戻った。


俺もトマトグラタンを胃の中に押し込んでいった。




「そういや、wikiとかはもう出てんのかな」

夕食が終わったあと、俺はパソコンでwikiを見てみることにした。

正式サービス初日だけど、βテストとかもやってたし、何か情報があるかもしれないと思ったからだ。


俺は『よくある質問』をみることにした

Q:名前しか決めてないのにキャラが決まった!

A:プレイヤーの脳波でクラスや見た目が決まります。とはいっても自分にあったクラスや見た目がほとんどなので気にしないでおk


「(いや・・・俺、見た目もクラスも自分にあってるとは思えないんだが)」

突っ込まざるを得なかった。


Q:リセマラある?

A:リセマラは無駄です。脳波で決まるので似たり寄ったりなキャラが出来上がります。


「(この部分割とクソゲーな気もするが・・・でもリセマラの必要が無いと考えればこれも長所か?)」

なんども脳波測定するのもそれはそれで嫌だしな。


Q:MMOなのにボッチなんだが・・・クソゲーか?

A:友達は非売品なので、プレイヤーの(リアルの)スキルが求められます。


「(完全にネタじゃねーか、てか他に質問すること無いのかよ)」

どうやら質問はこれくらいしか無いみたいだった。まだ質問するようなことがあんまり起きてないんだろうな。


次に俺はアイテムについて見てみた。


「やっぱり、武器欄にマイクがないな・・・」

やはり、マイクで戦ってるのは俺だけみたいだ。

wiki内の検索で『マイク』で検索をかけてみたが何もヒットしなかった。


次はスキルについてだったが、ここでは俺にとって重要な事がわかった。

まず、バフ・デバフの魔法は基本的に属性がないらしい。

つまり俺が炎属性魔法威力アップ等ののマイナースキルをつけた所でバフの効果は強化されないようだ。

次に、マイナースキルの一部はレベル以外にそのスキルを使い続けないと上がらない『熟練度』というシステムが有るらしい。熟練度によっては同じレベル帯でも差がでるんだとか。

鍛冶レベル2で熟練度0の人が作る武器よりも 鍛冶レベル2で熟練度100の人が作った武器の方が基本的に強いということらしい。


「なるほど、だからミリアさんはあんな素材でも買い取ってくれたのか・・・」

ミリアさんは俺から買い取った素材を恐らく熟練度稼ぎにでも使うのだろう。


そして最後、鍛冶や裁縫などのスキルはどうやって作るかで性能が変わるらしい。

どういうことかというと、スキルを使うと宣言したところでアイテムを作れるわけではなく、実際の鍛冶みたいにプレイヤーが動く必要があり、やり方によってはしょぼい素材でもそこそこのアイテムが作ることができ、逆に、熟練度やレベルだけでは本当に強い物は作れないということらしい。


そして俺は大きな問題にぶつかった

「・・・・マイクってどうやって作ればいいんだ・・・・?」




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ